1月上旬は興信所探しに明け暮れた。
値段と品質と信頼性と立地のバランスが必要だと思い、ネットで情報を収集した上、
気になったところには電話でアプローチし、いろいろ質問した。
その結果、希望に合致する興信所を探しあてた。
なお、興信所にも免許がある。ないところは避けたほうがよいだろう。
そして、実際に訪問し、状況と事実と要望を伝えた。
こんな話をちゃんと聞いてくれるのは自分の親か興信所ぐらいしかない。
探偵さんの「任せて下さい。確実に証拠を押さえてあげますよ。」という一言が救いとなった。
しかし、料金は14時間の追跡で20万円という金額だった。これでも最安値に近い。
つまり、怪しい日をピンポイントで特定しなければ、空振りに終わり、20万円はパーということだ。
そこで、怪しい日の特定にかかった。
かみさんは、私が休む毎週水曜日の帰りが遅かった。これは、私が休みの日ぐらいは子育てを離れ、ゆっくしてほしいという気持ちから申し出たことであった。
様子がおかしくなる前は、会社の同僚との飲み会や父母会の飲み会などに出席していたようであるが、様子がおかしくなった後は、1時過ぎの帰宅が多くなっていた。
したがって、水曜日があやしいとにらんだ私は、直近の水曜日2日の追跡を興信所に要請し、かみさんの職場、退勤時間の目安、従業員出入り口の場所などを伝え、20万円を興信所に振り込んだ。
いよいよ、事実が明らかになるのだと、日々緊張の日々だった。
かみさんは何も知らず、日常を演じていた。
そして、第1回目の調査日。私は子供のスクールに付き合っていた。
まず、探偵さんから第1報。「ターゲットを捕捉しましたので、これから追跡を開始します。」
これを聞いてほっとすると同時に「あれだけの人数の中から顔を特定するという技術はすごいな」と感じた。
第2報。「◎◎地区の◎◎電気で洗濯機と冷蔵庫を物色中。」
当初予定で聞いていたので、そこまではスケジュール通りだと感じた。
第3報。「電気店を出るようです。さらに追跡します。」
探偵さんがんばれ~と祈った。
第4報。「すいません。大手小売店内で見失いました。」
なにーっ、貴重な10万円分の追跡料がおじゃんじゃないかっ。どうしてくれるんだ?と思っていたら、
「これは当方のミスなので、今回分は無料とさせていただきます。」とのフォロー。
うぅ、この探偵社でよかったと安堵。
この日は、これで終了。
続けて、第2回目の調査日。
第1報は同じ。
第2報。「男性と待ち合わせ、居酒屋へ行きました。出口で張ります。」
うへー、やっぱり不倫してるんだなぁ。たぶんあいつだろうなと想定する。知り合いだけにむかつく。
第3報。「居酒屋から出てホテルに入りました。ここまで写真もばっちりです。あとは出てきたところを
押さえます。遅くなると思いますので、連絡は明日させていただきます。」
この時、自分の中で、かみさんに対する愛情は0になった。
第4報。翌日「出口での写真もばっちりです。まずは1回目成功ですね。」
よかった。これで、一歩、私が有利になったと実感でき、これまでのとてつもなく大きい不安から解放され
ました。それまでは飯ものどを通らず、何も考えられなかったので、涙が出そうになった。
第3回目の調査日
第1~第4報は第2回とまったく同じ。毎週毎週よくやるわ。
そして、タイムリーに、かみさんから「2月の◎日に会社の人たちと旅行に行くんだけど。」との申し入れ。
「こ、これは決定的証拠となるだろう。追加料金を払ってでも探偵さんに追跡してもらわなければ。」と
思い、興信所へ連絡。
「了解。本来1日出張は20万円なのですが、セット割引で追加は15万円でいいですよ。」との言葉。
出費きちーと思いつつ、追跡を決断。
不倫相手と思われるやつの自宅住所を探偵さんに伝え、車に追跡装置を設置してもらう。
すごい技術ですな。住人にばれないように、夜間、そいつの自宅にいって車に追跡装置つけちゃうんですよ。
追跡当日は、一瞬車を見失ったものの、追跡装置のおかげで追いつくことができ、不倫旅行のホテルチェックインまでの証拠を確保することができた。
不倫相手も確実ではなかったので、非常にラッキーだったと言えるだろう。
これで、私の手元には、密会2回、不倫旅行1回の証拠が入ったことになり、完全勝利に向けての第1歩を踏み出したと思っていた。
この時点では、まさか、これだけの証拠があって、その後、3年間もトラブルになるとは思っていませんでした。
つづく。