しばらく、男はいい。


仕事もしばらく休んで、家にいた。

電話が鳴った。


「かおりちゃん?
今、かおりちゃんの家の近くの喫茶店。
お財布、忘れて店から出れないの~」

クイーンの時の先輩のレイコからだった。

仕方なく、喫茶店へ行って一緒にお茶した。


その時、喫茶店のTVを見てたら、
エンジェル時代に、店の近くでテキ屋で
たこ焼き焼いてた兄ちゃんがいて、
お腹が空くと、いつもくれてた。

私達はタコ兄貴と呼んで慕ってた人が、
ニュースに出てる。


人身売買で捕まってる。


菱じゃない○○会○○組の組長だった~

テキ屋の兄ちゃんじゃなかったんだ~
全然、ヤクザの風貌なかったけど
目は蛇みたいで、怖かったな。

やっぱり、警察のあのカメラで撮られたのか
残虐犯風に、映っていた。


過去、一度だけスナックに一緒に行って、
帰り、流れでラブホテル行った。
背中に綺麗な刺青が入っていた。



店を出たら、レイコが家に来た。

これから、掃除や洗濯するから仲良くして欲しいと。

何て使える女なの?
合鍵渡して、これから家政婦をやってくれる事になった。

レイコは先輩でも歳は3歳下。
金魚のフンみたいに、私にベッタリだった。


クイーンにいた頃のレイコは細くて
スタイル抜群で人気があったが

今は、ぽっちゃりでおじさんキラーになっていた。


私の仕事が終わると、
毎回違うおじさんを連れてきて、一緒に食事した。

おじさんの床屋にも付いて行って
自分も一緒にカットしてもらったり、
洋服も全ておじさんに買ってもらう。


毎回、どこでおじさんと知り合うのか聞いたら、

夜一人で、寂しそうにコンビニにいるおじさんに
何か買って!と言って声をかけると
ほぼ100%、一緒に飲みに行こう~ってなるらしい。

レイコだからいけるものの、私が言ったら
美人局だと思われて、ビビられるだろうな。

声をかけた、おじさんとは
だいたいレイコがリードして
ホテルに連れてって、SEXをしてた。

一度、レイコが若い男の子が2人いる家に
遊びに行くから、一緒に来てと言われ
付いて行った。

すごい寒い日だった。

レイコは部屋に入るなり、
「暑い!暑い!」と言い出して

その場で全裸になった。
若い男たちは、引いた。

レイコは乱交したかったみたいだけど
若い子は、レイコに興味がなかった。

見た目、清楚なお嬢様タイプなのに
淫乱でSEX大好き女だった。

だから、おじさんばかり狙うんだ。
気持ち悪い…

ペタしてね
安田の地元のヤクザから電話があった。


「安田、捕まったよ」

「何したの?」

「山梨の上九一色村で!」


何でかはわからないけど、もう安心だね。

また、何かあったらいつでも相談乗るから
連絡してね。という事だった。


金ちゃんも逃げろって言う位の人間だったから
何かやらかしたのかな?



取引していた警察に確認しに行った。


安田はオ○ム真理教の麻○の専門運転手だった。

車の名義は、安田のものではない。

山梨の上九一色村の検問で捕まったらしい。


当時、地下鉄サリン関係の大物犯人が捕まって
ニュースになってたから、
安田の事はデカデカとはTVには流れなかった。


だからか…

オ○ムってニュースでやってたけど
人の家の中とか
何でも調べれちゃうんだ。
雅也の家も、誰かが入って調べたんだ。

よく、私に冗談で
ポアするとか、サティアンにぶっ込むぞ!
とか言ってたけど、意味がわからなかった。



安田は、毎月8のつく日だけ会議があるって
スーツを着ていた。


8のつく日だから、最初はヤクザか何かかと
思ってたけど、それ以上だった。

金ちゃんも逃げろって言う訳だ!



今まで、私生きてきて
こんなに怖い男に出会ったのは初めてだった。

私も、脅しをかけられて精神的におかしくなり
病院に通って薬は飲んでいた。

過去の女の子達も、かなりひどい目にあったんだと
思った。


今後、普通じゃない人に関わるのは
やめようと、心の底から思った。

今までの私は、男の人をその気にさせたり
鼻で使ってた時期もあった。
刺激ばかり求める生活だった。

今回の事は、神様が私へ罰を与えて
わからせようとしてくれたと思った。

これからは
普通がいい。

普通が1番幸せ。

そう思える程、怖い男だった。

ペタしてね
俺の長年の親友を呼ぶから
あかねちゃんも誘って
吉良町へいくぞ~

私とあかねちゃんは旅の気分を味わう為に
電車で行った。

着いたら、ジゴロのホストが駅まで迎えに来てた。

店の子達も、皆一緒なら楽しそう~


ホテルに着いた。
会員制のホテルで部屋がメゾネット?
3階建てで、何部屋もあった。

雅也が俺らの部屋ココ!
一番奥の、ゴージャスな部屋だった。

しばらくゆっくりして、
夕飯はホテルでは洋食しかなかったので断って

少し離れた、漁師がやってる居酒屋にいった。

皆、ハメをはずして飲みまくり!
雅也も、大丈夫~?って位飲んでた。

ホテルに戻った。
皆、倒れこんですぐ寝てた。

私は、雅也と同じベッドで朝まで寝るのは初めて。

SEXやるのかな~?
今日なら出来そうなのに…


あかねちゃんは、雅也の親友と一緒に寝てた。
たぶん、SEXしてそう。
聞耳立てるのはやめよう~
親友のSEXの声聞くのって、気持ち悪いから。


雅也は起こしても、爆睡中。

私も隣で、朝まで寝た。


今回の旅行は、すごく楽しかった。

私は、雅也とこの仲間達がセットなら好きでいられるけど
二人きりでは、何の感情もわかない。

こんなんじゃ、よくしてくれる雅也にも
失礼だし、やっぱり分かれよう。


雅也のマンションに戻った。

やっぱり別れる話をした。

安田の件も話した。
雅也の本名も、家の中の事も全て知ってる。
普通じゃないから、迷惑もかけたくないって

合鍵を玄関に置いて、家を出た。


電話がかかってきて
「忘れ物があるよ~」って

取りに行った。


「はい」

渡されたのは合鍵。

「・・・・・・↓↓

受け取らず、そのまま帰った。

私の中では、もう雅也とは終わった。

ペタしてね
水沢は、長野刑務所に送られてから
網走刑務所に移送されたと噂があった。

何度も同じ事で捕まってるから
苦労してこいよ~って思った。


久々に雅也の店に行った。

最近、警察とかでバタバタしてたから

雅也の言った、最後のチャンスを与える暇がなかった。

その間に、雅也は私の為に
手切れ金として、自分の客に
最低で200万円位、何人にも多額な慰謝料払って、
全て切れたらしい。

雅也はスッキリしたのか?ヤケなのか?

ラストまで飲んで、店終わってからも
雅也と二人で、他のホストパブに遊びに行った。

AM10:00頃、雅也が時計見て、


ヤバイ!間に合わない~

と言い出し、店を出て名古屋駅までタクシー乗って
そのまま、新幹線に乗せられた。

過去にも、突然ラーメン食べに福岡行っちゃったり
北海道の旭川行っちゃう人だから
それに、付き合わされているのか?

二人ともベロベロだから
会話は何もなかった。

降りたのが静岡の三島だった。


昨日の夜、TVで旅番組見てたら来たくなっちゃって
その場で電話して宿を取ったって。

三島から船に乗って、戸田村って所に着いた。

何もない。田舎…
船着場の食堂の、汚い水槽にTVで見た事ある
タカアシガニってのがいた。

それ以外、村って感じ。

こんな所に、旅館あるの?

泊まる所まで歩く事になった。
すごい上り坂。暑い中、30~40分歩いた。
ゲストハウス○○○って素敵なホテルが見えてきた。

部屋に入ってそのまま、二人バタンキューで寝てしまった。

電話がかかってきて、眠りながらディナー。
たぶん、フランス料理だった。


部屋に戻って、また寝てしまった。

目が覚めたら、朝食の時間になってた。

雅也は、墨があるから温泉にはいれなかった。

私は、潔癖で銭湯なんかにも行けないので
部屋のシャワーを使った。

10時にはチェックアウト。


何しにいったのか?!
つまらない旅行だった。


名古屋に帰ってきて、私の行きつけの
魚料理専門店に行った。

戸田村で寝ながら食べた魚より、うんと美味しかった。

旅行に行くときは、前日によく寝なくてはいけないと
つくづく思った。


雅也は、私とSEXが出来るチャンスだったのに…って
ぼやいていた。

よし!
今日は、たくさん寝たから
明日、また今度は皆で海に旅行へ行こう~
と言い出した。


何がなんでも、私とSEXするつもりだ!

ペタしてね
フィリピンパブへ行った翌日から

ポケットベルが1日中、ガンガン鳴った。

電話掛けるまで、鳴り続けるから
仕方なくかけた。

かおり~~
元気~?

愛してるよ~
今日も、お店来てよ~Wハート

しつこかった。

行かないから!って言うと

なぜ?なぜなの?
こんなに私、かおりを愛しているのに~


大体、毎日かかってきてた。

こいつの魂胆はわかってる。

私の、男友達やお客を引っぱりたいだけ。
私を使って出会いを求めてる。

そんな、調子よく私は使われませんよ~だ!


当時、携帯電話の保証金がいらなくなった時期だった。
ポケットベル解約してやった。

携帯電話を持った。
今とは違い、アナログで基本料金も高く
通話料も6秒10円だった。
めったに使えないけど、かかって来る専用にした。


本当、噂には聞いていたけど
フィリピンの女性は一途なんだと実感した。



ちょうど、その時期に
久しぶりに直樹から電話があった。

彼女が出来たらしい。
それも、まことには中学生時代からずっと
ファンクラブがあったらしく、
その、ファンクラブの隊長の女の子!

世の中狭いね~


直樹は私に助けて欲しいと言って来た。

ある日先輩と、フィリピンの高級スナックに行って
女の子に気に入られて、そのノリで
彼女の部屋でSEXしたらしい。

帰ろうとしたら、帰るなら死ぬって言い出して
ちょこちょこ、その子のマンションに行くようになって
彼女との結婚話が進んできたから、ヤバイと思って
別れ話を切り出したら、包丁で殺されそうになって
フィリピンの子は手首を切ってしまったらしい。

彼女がいる話をしたら、話し合いたいと言い出して
今の、彼女(婚約者)には言えない。
でも話し合いしないと、話が丸く収まらないと。


OK!わかったよ~~
電話番号教えて!
掛けて、話終わらせとくから安心しな!

フィリピンの子に電話した。
私、婚約してて彼を遊ばせてあげられるの今しかないの。
あなたには、本当に悪い事した。
お仕置きしとくから、ごめんね…

あっさり終わった。

後日、直樹から電話があって感謝された。

でもお前、何を話したの?
お前のこと好きなタイプで、
1度一人で飲みに来て欲しいって伝えてと言われたぞ~

私は、あなたよりフィリピンは先輩ですから!

ペタしてね
また、前回と同じ警察から連絡が。


まことは出てきてからも、草吸ってたから
また、まことじゃないかムカムカ
ってムカムカしてた。

母親に話しても、まこちゃんは反省してるから
絶対に嘘よ!って。

警察にチクったろうと思ったけど
もう、関り合うの嫌だったからほっといた。


今度は、まことの友達の水沢が捕まった。
健吾は逃げていると。

水沢の調書を作っているから
協力して欲しいとの電話だった。

水沢は2回目だから今度は刑務所だな!


拘置所でダラダラしてるのもかわいそうだから
協力する為に、警察まで行った。


今回も、シャブだった。


逃げている健吾の事も聞かれた。

健吾は草はやってたけど、当時はシャブはしてなかった。
抜けるまで逃亡するつもりかな?

少し前に、電話はかかってきた。
俺、捕まりたくないからしばらく飛ぶって!

健吾は、普通じゃない子だった。
深夜、車屋からコルベット盗んで
まこととドライブして乗り捨てしたり、
浮浪者にロケット花火を投げたり

無茶苦茶な事を、平気でやる子だった。
常に、いろいろな薬を持っていた。

警察には、健吾とはずっと連絡とってないから
わからないと答えた。


水沢の事は、取引した。

私が全部を話す代わりに、
私も、安田という男で困ってる。
安田の事が何者か?少しでもわかったら連絡欲しいと。

警察は了承した。

まことが出てきて、一緒に水沢の女?なのか
若い女の子が住んでる、隠れマンションに行った。

水沢は仕事も何もしてなくて
シャブ漬けになっていた。

一緒にご飯を食べに行って、飲んで帰った。

その時しゃべった事や、細かい行動を
しつこく聞かれて、調書に書いていた。


安田の件を約束して、帰った。


帰りに暇だったから、男友達と
フィリピンパブに行った。

「いらっしゃいませ~」

「私、男性よりあなた好き!
あなたの隣、私座る」

一人のフィリピンの女の子が
すごく私にベタベタして来て、

「あなたと二人だけで踊りたい」

ノリでダンスも一緒に踊らされたりして、ベッタリだった。

嫌だったけど
連絡先を教えなくてはいけない状況に持っていかれた。

ポケットベルの番号を教えといた。

楽しかったけど、彼女が怖い・・・

ペタしてね
ゆかちゃんの家に、かくまってもらった。

ゆかちゃんが仕事行ってる間、カーテンも開けられなかった。

エレガントには事情を話して、しばらくお休みもらった。



翌日、金ちゃんの携帯に連絡した。

「今、五木ひろしディナーショーだ!
来るか?何かあったか?」

事情を話したら

「終わったら調べるから、また後でかけてこい」

と言われ、かけ直した。


「そいつ、やばいぞ!
日本中のヤクザの組員名簿にもないし
住民票がない人間だ。ありえん奴だ。
まず、逃げろ!絶対逃げるんだぞ」って。


そんな怖い奴なのか。


安田がよく行ってた居酒屋近辺が、実家だという
店の女の子に連絡をとったら

「安田…知ってる。
無茶する奴で、中学の頃から私ら皆、集団レイプされた。
頭狂ってるから、逃げて。
地元のヤクザやってる子を紹介するから、
一度会って、相談した方がいい」

と連絡先を教えてくれた。


その地元ヤクザの人に連絡したら
危ないからって、すぐ二人来てくれた。

近くのファミレスで話を聞いた。

一人は安田と同級生だったみたいで、
昔は、不良じゃないけど悪い事ばかりしてたらしく
限度がないから、怖がられてたって。

今、あいつロールスロイス乗ってるけど
突然乗り始めて、あいつのじゃないと思う。

少し前から、何か羽振り良くなって
仕事もしてないし、何かおかしい。

俺らも怖いけど、あなたに何かあった時は
すぐ動くから連絡してね。
と言ってくれた。

妹、陽子に電話して家を見てきてもらった。


入ったら、無修正AVビデオが永遠に流れてて
大きなガラスの灰皿が山になってて、
真ん中に、お線香みたいに1本タバコが立ってた。
部屋は、荒らされてはない。

管理人に鍵変えてもらう様に頼んでおいたからって。

感謝だ。


ゆかちゃんにも良くしてもらった。

全ての食事を用意してくれた。

でも、ずっとこんな生活をしていても迷惑がかかる。


あかねちゃんに、安田に連絡を入れてもらった。

「かおりちゃん、怖がってるから
怖いと思ったらおしまいだよ!
もう、関わらないでやってよ。頼むわ~」
と言ったら、金ちゃんの耳に自分の事が入ったのもわかって
もう、二度と関わらないわって納得したらしい。

その時点で、ポケットベルに

3477-88

と入って来た。さよなら-パパって事だよな。

終わった。

でも、鍵を変えたマンションに帰っても
ビクビクした生活になりそうで…

もう1部屋借りた。



新しい生活が始まった。

ペタしてね
事故の日は安田も焦っていたのか
まっすぐ帰った。


まことが私のストーカーしてたから
まことは、安田の事を知っていて調べていた。

まことから、電話がかかってきた。

「最近、遊んでる人ロールスロイス乗ってるよね?
外車ディーラーの時の友達に所有者を調べてもらった。
安田の車じゃないし、普通ロールスロイスは
半強制的に保険に入らなくてはいけないはずだけど
入っていないし、税金も滞納してるよ。
何かあってからでは遅いから、もう会わないで!」と


次の日、安田から連絡が来た。


お前の言った言葉覚えてるな。

俺から離れたい?

一生離さんからな。離れられるとでも思ってるか
俺を誰だと思っているんだ。

お前の一人や二人殺せるからな。

俺の前の女、風俗誌に載ってたリエっての知ってるか?
別れを言い出してきたから、脅したら
飛び降り自殺して、今はずっと植物人間だ。

もう一人、ひとみ。
あれは、気が狂って今は精神科で入院してる。

確かに二人の事は知ってて、最近消えたな?
と思っていた。


あと、雅也の家。
ライオンズマンション3Fで3LDK
間取りは、入口に入ったら右にキッチンで・・・
冷蔵庫は東芝製で、電子レンジはナショナルで・・・
間取図をもっているらしい。

全部当たってる。家具の位置やカーテン、カーペットの色。
全て把握していた。

怖い。


今から、猟犬2匹用意したから
お前のマンションに行くから、待ってろよ。

電話口から、すごい暴れた犬の声がしてた。


今からお前の行動はわかるぞ。
名古屋のお父さんとやらのS.Tさんに連絡入れるだろう。

俺は、それ以上の人間だ。
怖いものは、何もない。
俺を裏切った人間を、とことん破滅させないと
納得いかないからな。




どうしよう………

時間がない。

逃げるしかない。

あかねちゃんちや妹の家だとバレる。

1度も会った事のない、OLのゆかちゃんの家に逃げよう~

すぐ連絡をとったら、迎えに来てくれた。

鍵を閉めて、家を出た。


今回は、まことに感謝だ。


でも今まで、1度だけ私はまことに感謝した事がある。

1995年の1月16日~17日と神戸に二人で旅行の計画があった。
16日の深夜から大阪のレゲエのクラブで遊んでから
神戸のクラブで朝まで遊んで、朝の8時までに
名古屋に帰って来る予定だった。

捕まったのが、1月14日。
もし捕まってなかったら、私達は高速道路上で
阪神・淡路大震災を体験していた事になる。

まことに感謝した。

ペタしてね
ロールスロイスの男からのポケベルは
しつこかった。

また、あかねちゃんと3人で会う事になった。

また、大きな車で迎えにきた。
名前を聞いたら名刺をくれた。

空手・格闘技の○○会館の名刺だった。

安田っていうんだ~。

じゃ、やっちゃんって呼ぶね!


携帯電話がかかってきた。
当時、携帯電話は補償金10万円に機種代入れて
25万位必要だったから、私達は持てなかった。

やっちゃんは車もすごいしお金持ちなんだと思った。


電話の内容が…

「入口に爆弾仕掛けにいくぞ」とか
まさに、やくざとしゃべってて、自分のが上だって感じで
私達を威嚇している内容。冗談でも引いた。

電話が終わって、友達のヤクザ屋さん。
ってわざわざ言って来たから


負けずに、私達も友達いるよ~
名古屋のお父さんしてくれてる人で○○○さん。

名前を知ってた様で黙った。

多分、田舎のヤンキー上がりかなんかだからこんな会話するんだと
しょうがないなぁ~って気持ちだった。


また、田舎の同級生がやってる居酒屋に行った。
そこでも、自分を大きく見せる感じの会話ばかり。

私達にはつまんない。変わった人だ。


雅也との件を片付けなければいけないのに

この安田から、毎日誘いの連絡が来てた。

あかねちゃんも一緒に、いろんな店に行くようになった。

美味しい物たべさせてくれるし、だんだん楽しくなって来た。


「男いるのか?」
って聞かれて、まことの話をして出てきたら別れる予定。
あと、雅也の話もした。

「俺の女にならないか?」
と聞かれ、今は誰もいらない。
しばらく、遊びたいと答えた。


ある日、昼間に連絡あって一緒に昼飯食べようって。
その前に、自宅寄るからと安田の自宅の駐車場に車を置き
車の中で待ってた。

いつも、電話でしゃべっていると
女の人の声がする。その人に
「黙ってろ!と安田はいつも怒る。

聞くと、家が事務所になってるから
事務員だ!って言うけど、夜中もいつでも
24時間、事務員がいるなんておかしい。

彼女か奥さんだと思った。


昼食を終えて車でドライブしてたら、勝手にラブホテルに入った。

ウソでしょ?
流れでSEXする事になってしまった。

帰りに、フロントの女の子としゃべっている。
友達なのかな?


夜はあかねちゃんと3人で食事して
あかねちゃんを送ったら、またいつものホテル。

そんな生活がしばらく続いた。


ある日、街中を車で走ってたら
バイクのカップルと接触事故。

「すぐ警察呼ぼう!」
って私が叫んでいるのに

安田は焦って「うるさい!!!」って

病院へ運んで、保険屋に連絡をと言っても無視。

最終的に、警察も呼ばずに保険も使わなかった。

「何で?」

って聞いたら、怒りながら保険は入っていない。
何も聞くな!ってド発狂。

怖いと思った。

過去のしげ君を思い出して震えが来た。
もうダメだ。もう一緒にいる事は出来ない。


安田に、やっぱり好きになる事も出来ないし
怖いと思ってしまったから、一緒にはいられない。
と言った。


安田の表情が変わった。

安田は豹変した。

この人と出会ったばかりに私はすごい体験をする。

ペタしてね
雅也は、相変わらず誘ってきてたけど
引越ししてから、街から少し遠くなったから
前みたいに、強引な誘いは無くなった。

たまに遊びに行くと
ホスト達がいて、一緒にファミコンで
桃太郎電鉄(古!)を、寝ずにやっていた。

その中のホストが、

麻美ちゃんの事、良さんが好きだった気持ちわかる。
ゲームも真剣だね。って

良がその子に、今までホストしてて
一人だけ惚れて、金も貢いだし
隠し事なく、全て尽くした。
でも、別れてしまった女がいるって話してたみたいで、
今では、雅也の下で働く幹部。

やりにくいだろうな…
でもしょうがない。



毎日、だいたい店までの送迎の足代わりでホストが来てた。

私は、その環境が楽しくて、雅也と二人きりは嫌だった。


ある日雅也が、たんすの整理をしてくれと頼んできた。

雅也は出掛け、私一人でたんすの整理してた。

一番下の段に、貯金通帳が何枚もあった。

チラ見♪しちゃおうかな~


見てしまった。

毎週30万円入金してる女性、
毎月100万円入金している女性。


見るんじゃなかった~~~~~~

ホストだから当たり前というか
すごいやり手なんだろうけど、

愛情はなかったけど、一気に冷めたというか
怖くなってしまった。

雅也が私に貢いでくれた貴金属、洋服…
食事や全ての贅沢。

全部、彼女達のお金。


雅也にはOLって言ってるけど
私は風俗嬢。彼女達の気持ちがわかる。

お店で、ホストの為に見返りも無く、
一生懸命働いてる子をたくさん見てきた。

何か、申し訳ないというか
私には、ホストの代表の女でいられる器はない。

付き合ってるつもりなかったけど
別れよう。
もう、会うの辞めなくては。



雅也が帰って来て、
貯金通帳の話をした。

自宅の鍵を返した。

「1回だけ、チャンスをくれ」


何がチャンスかわからないけど

そのまま、あかねちゃんちへ行って
話を聞いてもらって、飲みに行って
発散した。


ロールスロイスの男からポケベルが鳴り続いていた。

ペタしてね