◆ショートショート◆[ あの、夏の日。 ] | もうすぐって…いつ?

◆ショートショート◆[ あの、夏の日。 ]

ブログネタ:夏になったら思い出すことは何? 参加中

あの日。
そう、あっつい夏の日。8月、夏休み。
僕はいつものように、山ん中。散策していたんだ。

山ん中は、ぼくのこころ。やさしくて、あったかくて・・・
それでいて、心地よい涼しさをも、吹き込んでくれる。

「ねぇ。」

いつものように、大木に話しかけた。
もう枯れて空洞になっている場所もあるこの木。

でもね、常にその脇からは、みずみずしいミドリの茎、葉っぱ。
はえているんだ。

だいすき。

そこ、今日はいつもと違う雰囲気の場所があったんだ。
ええと、例の「 空洞になった場所 」

なんかね、ムラサキ・・・いや、何とも言えないかすんだ色のモヤ。
そんなが、かかっていて。
でもそのもやは、風船のようにしぼんだり、膨らんだりを、繰り返していたんだ。
まるで心臓のよう・・・。
脈を打つポンプみたいで、何だかとても美しく見えた。
そして、助けを求めている・・・ようにさえ。。。


不思議と気味悪い、だなんて。
おもわなかったよ。

気づいたら僕、手、突っ込んでたんだもの。
好奇心?いや、なんでかよく分からないけど・・・
気づいたら、行動してたいんだ。


「あ!」

手がそのムラサキに触れた瞬間、僕は思わず声をあげた。



[BY:made-it]

~ ありがとう。 あなたの手から、羽ばたけた。
あたし。わすれない。 あなたのその、ヌクモリを・・・ ~


耳の中で声が響いた。

目のまえには・・・見たこともないような蝶が。いっぴき。大きなハネ。
うつくしい・・・。


羽ばたいている。
揺らめいている。


「あ、あの・・・!」

僕の声が、やっと音声になった時には。
もう・・・
もう・・・

きみの姿は、天高く。
空と同化して。

僕の目には届かなくなってしまっていたんだ。


あれはいったい何だったのだろう。

毎年夏が来ると、僕はあの日のことを、思い出す。