◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第二十話 | もうすぐって…いつ?

◆小説◆「Elephant Signs(エレファント・サインズ)」第二十話


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リナは震えているのが悟られないよう、できるだけ冷静を装った。


「いえ、なんでもありません。時空の鍵の話というのは・・・なんでしょうか?」


ボスは不気味な笑みを浮かべたまま、リナに話しはじめた。

「時空の鍵、例の少年が持っているのは、聞いたよな。あの少年の行き先を調べたんだ。
私は時空のプレートのズレが生じたとき、その隙間がどの時代につながっているかを探知する、機械を作らせたからな。


「機械?!そんな、作れるんですか?!」

思わず驚きの台詞が、リナの口からこぼれた。

(しまった・・・、ボスの話を遮ってしまった・・・)

リナは冷や汗をかいたが、ボスは機嫌がよかったのか、全く気に留めている様子はない。
彼女はほっと胸をなでおろし、ボスの話の続きを聞き始めた。


「あの少年は、確かに父親から受け継いだ、「時空の鍵」を握っている。
しかしね、もともと私は、何を隠そう・・・あの少年の祖先と、深いつながりがあるのでね。時空の鍵のパワーに被爆されていたんだよ、脳も、身体も。
治療も兼ねて、部下の研究員や医師に、そのパワーを抽出させてみたら、時空のプレートの時代予知ができる機械のエネルギーが作れたわけだよ。
あの少年は今、2008年にいる。」



「2008年・・・。」


リナはごくりと、唾を飲んだ。
今年で彼女は、22歳。リナは1986年に赤ん坊のまま、ここへ連れてこられた。赤ん坊だったはずなのに、うっすらとその時の記憶がある。
・・・遠くで、男の人が泣き叫んでいる声を、聞いた気がするのだ。



そう、まさに2008年は今、自分がそこで生活していた「はず」の、時代なのである。