◆小説最終回◆NO.138 「 新たな幕開けに向けて 」 完
これまでの、朱音たちを、ずっと見守っている男が、いた。
つながっているけれど、今は遠い、そんな場所から・・・。
「お疲れ様です、現世の王。
そして、ありがとう、朱音たちの魂を助けてくれて・・・」
空の彼方から、そう呟いた男がいた。
彼が動くと、義手・義足の金属音が、響く。
カチャ・・・カチャッ・・・
「ねえ、父さん(^∇^)」
そう呼ぶのは、10歳くらいの少年。
「なんだい?クルス。」
父らしきその男は、優しく少年の頭をなでる。
「この人が・・・ぼくの母さんなの?
ぼく、母さんに会いたいよ(´・ω・`)」
少年は男のマントにすがりついてそう言った。
「ああ。あれが朱音母さんだよ。
僕と朱音母さんの息子が君さ、クルス。
母さんに会いたいのかい?
大丈夫。
時期がきたら、会えるから。それまで辛抱しような?
もうちょっと、・・・うん、もうすぐだから。」
その男とは、中間の世界の王、シュリであった。
彼は息子と共に今、中間の世界を総括している。
多大な苦労があったものの、彼はこの世界を復活させることに成功していた。
朱音とシュリの息子はクルスと名付けられ、元気に育っている。
朱音が現世に帰還し、子どもとふたりっきりになったシュリ。
その後は目がくらむほど、大変な日々であった。
世界の命にルースからもらったパワーを吹き込み、そこからすべてが始まったのだが・・・
来るわ来るわ。
現世からここ(中間の世界)に、来る魂の多いこと・・・。
「た、魂って、一日にこんなにも来るものだったのか・・・(゜д゜;)?!」
シュリはどうしたものかと慌てふためいていた。
結局、彼は「王と部下」という制度を取り払うことにした。
一応王ではあるが、それを権力として使うことはなく、あくまで「代表」という形で皆を仕切った。
すべての人が、一方的に支配されることがない世界にしていくことにしたのだ。
存在するのは、自給自足。他愛もないおしゃべりや、たまの喧嘩。
気づけば、そんな原始的な生活が成り立っていった。
魔術も権力もない世界。
いつ、何かが起こるかなんて、今は予想もできない、そんな暮らし。
夜空の星に目を輝かせながら、クルスは笑顔で頷いた。
そしていつもの台詞を今日もシュリに投げ掛ける。
なかば、独り言のように。
「すぐ、なんだ(*^o^*)
ねえねえ、もうすぐって…いつ?
いつなんだろう?」
・・・と。
もしかしたら、あなたのすぐ近くでも、実はこの物語のようなことは、起こっているのかもしれない。
いや、ひょっとしたら・・・あなた自身、「現世の王」と対話したことがあるのかも、しれない。
世界はおわらない。
魂におわりはない。
出逢うべき魂同士は、時期がきたら、そのとき、どこかの世界で、再会する。
何度でも。
形をかえながら。
~完~
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あとがき、を次回書かせていただきます。
エピローグをいつか公開するか否か、検討中です。
エピローグ、あるにはあるのですが、、、このままのほうがいいかな、とも思ったり。
では次回は、あとがきにて。