小説NO.134 「 新たな幕開けに向けて 」其の5 | もうすぐって…いつ?

小説NO.134 「 新たな幕開けに向けて 」其の5

サラクロに背を向けた四人。


実行の時は・・・きたのだ。


電光石火。サラクロは唸り声と共に朱音の鞄に向かって駆け出した。

燃えている・・・サラクロの体、瞳、すべてが燃えている。例の色で。


朱音たちはサラクロとは思えない唸り声に驚愕し、振り返ろうとした。


・・・が、皆、動けない。しゃべることもできない。

まるで金縛り状態である。



サラクロは彼らに金縛りをかけたのだった。

スピードで対応する自信はあった。・・・しかし、万が一のことに備えである。



「ふぅぅぅ・・・・・」


燃えるサラクロは、猫の姿から黒覆面をした魔術師の姿に変化(ヘンゲ)した。

彼の手にはすでに、朱音のペンダントが持たれている。


(サラクロ・・・何をするつもり(ノ_・。)?!)

(サラ・・クロ(((゜д゜;)))?!)

(こわい・・・。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。)

(なんだ!(´Д`;)この猫だか人間だか分からない奴は?!)


固まった四人は、たたずむ「現世の王」の圧力を感じながら、震えていた。



「記憶。・・・3つの世界の記憶。消させてもらう。」



サラクロ・・・いや、現世の王はペンダントを掲げると、魔術を唱えようとしはじめた。



「な・・・んで・・・・」


金縛りがかかったばずなのに、その隙間から、朱音が声を洩らした。

なんか音声になっている。


「・・・・・・。」


現世の王の動きはピタッと止まった。

金縛りの隙間から声を漏らしたこと自体に驚いていたのはたしかであるが、

なにより、何の説明もなしに記憶を抹消するのは・・・こころが痛むのであった。


(どうする・・・記憶を抹消してしまえば、今ワシがここに居たことだってわすれるのだが・・・。

説明せずには・・・こころが痛む。王たるもの、責務だけ実行すればよいというのに・・・・くそぅ。

ワシには、それができん。



現世の王は、金縛りをさらにきつく締め、口だけは訊けないようにし(大声を出されたらこまるので)

いったん呪文を唱えるのをやめた。

そして、4人に、記憶を消さねばならないことについて、そしてなぜこれまでそれを黙っていたのかについて、話し始めることにした