◆ショートショート◆ 「一つ願いを叶えてあげる。」
ヒトツ。ネガイヲ、カナエテアゲル。
神様・・・なのかな。きっとそう。本人は、そう言って、まわってたから。
その、「かみさま」が言ったんだ。
ひとつ、ねがいを、かなえてあげる。
「いいよ。いらない。」
青年はこたえた。初対面。
「かみさま」に目も合わさぬまま。
WHY?
「かみさま」びっくり。
初めてだったから。「そうか、こいつシャイなんだ。」
自称、神様・・・の想像。勝手なる、ね。
いいんだよ?いってごらん?こわくないから。
「いいってば。満足してんだ、今の自分にさ。」
ちらり。視線。神様に、むけた。その青年。
「あのね。」と青年。
なんだい?
「かみさま」、ひきつる笑顔でほほえんだ。
「キミが神様なら・・・俺も、神様なんだ。そう。俺は神様なんだ。
願いがあるとすれば、ひとつ。」
人差指立てた、まっすぐ。天に向けて。
青年は初めて微笑む。ナチュラルに。
「きみの。本当の笑顔を・・・みたいな。
奉仕してくれなくたって、君をたいせつに思う人、いるはずだよ。
ふつーにさ。草むらで、大の字になって、一緒に寝ようぜ。
この世は自然にまわってくんだ。風を感じて。みどりを仰いで。じゅうぶんだろ?
病気だって、いわば自然さ。みんなみんな。そうやって、生きていくのさ。」
自称「かみさま」は、その瞬間。 ・・・煙のように、姿を消した。
青年はにっこりほほ笑んだ。
「な?きみは神様なんかじゃない。僕らと同じ。おんなじなんだよ。」
~完~