小説NO.105 「下界に降りて・・・」~サラ探しの旅へ~
「大丈夫ですか?!」
トラックの運転手に声をかけられ、真也は目を覚ました。
自分の体を見る。なんと、怪我ひとつ、ない。
(ルースの…おかげだ…)
杖はまっ2つに割れていたが、どうやらトラックはそこで停止できたようだった。
「あ、はい。体は大丈夫です。杖がこんななんで、申し訳ないんすけど…」
「もちろんそれは弁償します!体の検査はいいですか?」
運転手はいい人だった。
自分から警察に電話し、病院にも電話して、すぐさま新しい杖を用意してくれた。
「検査は、大丈夫です。頭も打ってないみたいだし…。
杖で止まったみたいですから。」
真也は運転手にそう話すと、警察と病院関係者は運転手に任せることにして、そそくさと
その場を去った。
(杖も新しくなったし、俺には今からやらなきゃならねぇことがある(-_☆)!)
そう、サラ探しである。
真也はどこから探せばよいのか、それを考えていた。
・・・と、
(あれれ(・_・;)?)
真也は不思議なことに気が付いた。
杖を新しくしてもらい、それで歩くはずが、
…なんと、杖を持ちつつも自力で歩いている自分にきがついたのだ。
(なんで!?俺、さっきまで複雑骨折してたんだぜ!?
あ、歩けるようになってるじゃねぇか!)
思わず呆然とする真也。そっと、両手から杖を離して歩いてみた。
(痛くねぇ…!骨折前と同じに戻ってる…。
なんてこった、これもルースの魔法か(・ω・;)?)
実際、そうだった。
竜になったルースの体には治癒作用がある。
そこに真也を乗せることで、かれの足を治したのであった。
「ありがとうな、ルース(*゚.゚)ゞ」
真也は自分の中にいるであろう、ルースに礼を言った。
もちろん返事はなかったが…実はルースにはちゃんとそれが、聞こえていた。
「もう、杖もいらねぇか。」
真也は杖を家に置きに帰った。
歩いて10分ほどで、真也は自分の家に着いた。マンションの2階が真也の家だ。
殺風景な家の中。
両親は真也が小学生のときに離婚しており、彼は母親とふたりで暮らしていた。
母親は今の時間は働きに出ている。
杖を置くと、真也は窓際にふと目をやった。
…そこには、黒猫が一匹ちょこん、と座っている。
(えっ(・_・;)わざわざ3階まで来たのかよ、このノラ猫…)
驚きつつも真也はその猫を、無視して出掛けようとした。
…すると・・・、
ギィィ・・・・
いやぁな音を立てて猫がしきりに窓をバリバリッ・・・キイィ・・・と、バリかく。
「うへぇ、わかった、わかったからっ(><。)。。」
窓をキーキーとバリかかれたら、たまったもんじゃない。
仕方なく真也は窓を開け、黒猫を入れてやった。
「ニャア(*^_^*)」
嬉しそうな黒猫。
「ニャア♪…じゃねぇよ…(  ̄っ ̄)」
真也はそう言いつつも、何だかこの猫が可愛くみえてきてしまい、
思わず頭を、撫で撫でしていた。