小説NO.94 「 朱音・・・現世に・・・! 」
「ええ?!な・・・そんな・・・?!」
朱音は思わず声を上げた。
これは、彼女が母親と兄に、これまでの自分のことを、聞いた直後の話だ。
そんなに驚くような話だったのであろうか?
では、朱音の母が、話し始めたときの様子をのぞいてみようと思う。
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「あんたは、ね・・・」
朱音の母は、「もう思い出したくもない」といった様子であったが、ゆっくりと話し始めた。
横で、朱音の兄も、うつ向き気味で、聞いている。
「あんたは、・・・学校に出かけて、その途中、大型トラックと、ぶつかった
のよ・・・。不幸中の幸いにも、かすった程度。
正面衝突だったら・・・もう駄目だったわ・・・。」
(わたしが?!事故Σ(゚д゚;)?!)
朱音は全く覚えがないことだった。何しろ、5年も前のことだもの、仕方がない・・・。
母親は話を続けた。
「かすった程度とはいっても、相手は大型トラックだからね。医者は言っていたわ。「意識が戻る保証はあるません」ってね。」
母親の言葉に、兄も頷きながら、話し始めた。
しかしその言葉は、朱音には信じがたい内容であった・・・。
「ホント、目が覚めて、よかった。ここ5日間、ずっと眠れなかったよ、
朱音、大丈夫かなって、そればっかりでさ・・・(ノДT)」
「・・・。今何て、いった?」
朱音は兄に尋ねる。自分の聞き間違えだろうか。
「え?・・・何てって。朱音が心配で眠れなかったって・・・(・・;)。」
「その、期間、よ(`・ω・´)!!」
朱音の真剣なまなざしに、兄は少し驚いていた。
(何で・・・そこに、こだわるんだ?)
そう感じつつも、兄は朱音にもう一度、こう言った。
「5日間、だよ。長いだろ?」
それを聞き、冒頭にあった、あの叫び声が、思わず出てしまったのであった。
「ええ?!な・・・そんな・・・?!」
(5日間?そんなはずは、ないわ。私はシュリ達の居る世界に・・・5年間、
居たのよ?!
あの世界の1年が、こっちでは1日だって言うの?!そんな・・・)
信じられないことが判明して、朱音は混乱していた。
(だから・・・あの世界の人たちは、見かけは若くても100歳とか、
長いと1000歳以上とか・・・そんなだったのかしら・・・。時間の流れ方が
まったく違うんだわ( ̄Д ̄;;
どうりで、母さんも、兄さんも、5年前と全く一緒なわけだわ・・・。)
どうにかこうにか、頭を落ち着かせた朱音。
その時、「コンコンッ」と、扉がノックされ、ドクターが部屋に、入って来た。