小説NO.86 死界では・・・
これは、シュリ達が朱鳳凰の気を復活させ、その後の準備をしている時と
同じ時に起こっていたお話し。
ルースは死界に飛ばされた後、どうなったのか・・・というと・・・。
ドッスーン・・・!!
という音をたて、ルースは硬い岩場に尻もちをついていた。
「いってぇ・・・。」
彼は自分の尻をさすりながら、ふと思った。
(あ、あれ( ̄Д ̄;;?!俺って・・・死んだんだよね?!何で痛いの?何で・・・意識がある
んだ?!あれ?!)
困惑しながら、きょろきょろと辺りを見回すルース。しかし、周りは真っ暗。何も見えない。
特に彼の場合、朱鳳凰の光を浴びてここにやってきたため、少し鳥目状態になっているのだ。
・・・と、その時・・・
ドカドカドカドカドカ・・・・・!!!
というものすごいごう音と、
うおおおおおおぉぉぉぉ・・・・!!!
という、うめき声のような音が混じって、何かが思いっきりルースの上に圧し掛かった。
(ぐへぇ・・・!(´Д`;) 何で俺、死んでまでこんな目に遭わなきゃならねぇ
んだよ!!)
取りあえずルースは手足を使って上に圧し掛かったものをどかそうとした。そして気づいたのだ。
そう、これらは物ではなく、死界になだれ込んできた人々なのだ。
・・・しかし、いくら「人」だからといっても、自分が下敷きになったまま、と言うわけにはいかない。
その頃、徐々にルースの目も暗闇に慣れてきていたため、そこにいる人たちの顔の雰囲気や、
服装くらいは分かるようになっていた。
(こいつら、ほとんどが「王」の手下だった奴等じゃねぇか。服装でわかるぜ。もう、あれだけ
争い事が起こっていたもんな。既に、何割かの奴等は、ここに来始めてるってことか・・・。
早いとこ頭輪のおっちゃんの手伝いをしないと・・・!!
後の見慣れない雰囲気の奴等は、おそらく朱音の来た世界から、直接ここにやって来た
連中だな。こいつらも居るわけだし、こりゃ、忙しくなるぞ・・・(`・ω・´)!)
ルースが気合を入れていると、そこに聞き覚えのある声がした。
「お前・・・!何でここにいるんだヾ(▼ヘ▼;)!!」
どすの利いたこの声。それは死界の王、「頭輪」であった。
「お、おっちゃーんヾ(@°▽°@)ノ!!ちょうど今探してたとこ・・・・・」
「まったく!サラとかいう小娘をやっとこさ、現世に送り出したと
思ったら。今度はその旦那か!世話の焼ける夫婦だなぁ・・・。
心中とか、止めてほしいんだが(-""-;)」
ルースの声はことごとく頭輪にかき消された。しょぼくれるルースなど気にも留めず、頭輪は先ほど
なだれ込んできた人々の魂を、一人ずつチェックし、何人かは上空に浮かべ、また何人かは縄で
しばり、残りの何人かは、手下を呼びつけて、
「牢屋へいれとけ!」
と、指示を出していた。
すると手下の一人が困った顔で言う。
「頭輪様。最近、牢屋行きになるほどに、魂が荒んでいる者が多いですね・・・。
このままだと、牢屋がいっぱいになってしまいます・・・。一体どうしたんでしょうか。」
頭輪はそれを聞くと、少し考え込んでいる様子だった。
牢屋がいっぱいになるということは、実はこれまで一回もなかった事態である。
死界にはランクが3つあり、ひとつは一番魂が澄んでいる者たち。これらの人々は、そのまま上空
に飛ばされ、魂の浄化作業を行う。
次のランクは、縄で縛ってお札を貼り、そのお札で魂の波を穏やかにした後、浄化作業に移る者たち
である。
牢屋行きになる者というのは、縛ってお札を貼っておく者たちより、更に魂が荒れている者たちであり、
ここまで行くことは少ない。
ふつうはそのまま上空に飛ばして浄化させるか、せいぜいお縄止まりで済むのである。
頭輪が黙ったところを見計らって、ルースは頭輪に声をかけた。
「おっちゃん!俺は今起こってる事態について、伝えにきたんだ!
そして、おっちゃんの手伝いをしに、向こうの世界からこっちへやって来た
んだ。心中でも何でもないんだってば(><;)!
とにかく、俺の話を聞いてくれ、頼むよ!!」
ルースの、真剣で、せっぱ詰まった様子を見て、頭輪は
「喋っても、いいぞ。」
そう言った。