小説NO.42 宮殿の中へ・・・
前へ・・・という気持ちはいいものの、道にはぬめった液体があちらこちらに散乱している。
「うぉ(゜д゜;)!!!」
と、滑ったのはルース。
液体に触れたらどうなるのかも分からないので、
急いでシュリが支えた。
「滑っていけばいいんじゃない?いっそ(‐^▽^‐)♪」
そういうと、サラは器用にぬめりの上を、スケートのようにしてすべり歩きしている。
「こりゃ、いいね、サラちゃん(ж>▽<)y !」
健司はノリノリでサラに続く。
朱音もシュリもルースも、最初はあきれていたが、確かにこれはいい方法だと感じたため、
気がつけば・・・結局、5人揃ってスケート状態で前進していた。
(止まるのが大変だったようだが・・・;)
そして滑ること1時間、やっとこさ門の前にたどり着いた。
「さ、扉を開けようか。」
シュリの言葉に皆ごくりとつばを飲む。
緊張が走っている。
「待て。」
健司が冷静に言った。
「この粘液、紫色な上に、臭いがきつい。素手で触れていいものかも分からない。
ちょっと試してみようか。」
そして、何本か頂戴した火の鳥のまつ毛を扉に浸る粘液目掛けて投げてみた。
じゅわぁぁぁ~・・・
という生々しい音を立て、何と、まつ毛は砂のようにハラハラと灰になってしまったのだ。
「こ、こりゃ、あぶねぇ( ̄Д ̄;;!」
焦ったルースは何か良い方法が無いか考えていた。
もちろん、他の皆も・・・。
「さっき、注意しつつ滑ってくることには問題なかった。
つまり、建物の放つ「気」とこの粘液が融合して、防衛する機能を果たしているんだ。」
シュリはこう解析した。
「じゃあ、扉ごとぶっこわしちゃえばA=´、`=)ゞ?」
のん気に健司が言う。
そんなことできるのだろうか。
「この扉と液が合わさって、おそらく生命力を持つものを溶かす機能が備わっている。
火の鳥も、まだ死界で浄化されてないだろうし、わずかにまつ毛にも生命力が残ってるんだろう。
わすれんなよ、俺は完全な死界人だ(o^-')b
ぶっ壊すってまではしなくても、素手で触って問題はねぇ。」
健司に言葉に思わず皆納得した。
少し不安はあるものの、ここは信じるしかない。
健司は両手に気を込め、丸い気の玉でグローブのように手を包み込むと、
「はいやぁっ!!!」
と、思い切り、扉に突きを入れた。
バコーン・・・
という音とともに、扉には人が通るには充分なスペースのある穴があいた。
「さ、粘液が垂れてくる前にみんな通っちまいな?」
その健司の言葉にしたがって、一同は急いで中に入り込んだ。
・・・真っ暗な空間がそこにはあった。
まるで、朱音が最初、サラと特訓したかのような暗さ。
それに湿気が加わった雰囲気・・・。
その空間の中で、突然・・・誰かの声が響いた。
「うひょひょひょひょーい:*:・( ̄∀ ̄)・:*:!き・た・ね!」
不気味なその声は反芻し、まるで輪唱しているかのように響いた。