小説NO.35 ~ サラの特訓 ~ 「後編」
ドッカーン!!
バラバラバラバラ・・・・・・
サラの放った矢は、ルースの浮かべた気の玉にかすりもせず、地下室の壁にぶち当たった。
壁が崩れそうになるほどの破壊力。
これにはサラも驚いた。
「まずい(゜д゜;)!結界張るの、忘れてたぜ!」
焦るルースは、急いいで魔術を使い、壁を修復し、結界を張った。
「ふぅ、これでよし!
サラ、これなら短剣以上だろ?お前が使いこなしさえすりゃ、最高に強くなれるぞp(^-^)q!」
ルースは汗をぬぐうと二つ目の気の玉を浮かべる。
「あ、あたい、しっかり狙ったつもりだったの。しかも思った方向に矢が飛んだ。
どうしてあたらないのかしら?」
サラは困った表情でルースに尋ねる。
「射るときに、よ。一瞬その勢いで、すこーし、弓が上にむいてよ、狙いがぶれちまうんだ。
飛び道具でも、実際に腕で投げるならその調節もやりやすいけどな、
弓矢は弓を頼って、矢を射る。2段階の調節が必要なんだ。
だから、射って射って、すこしづつ感覚を掴みな?それが一番だ(o^-')b」
ルースは矢を射るポーズをとりながら、サラにウインクしてみせる。
「わかった。やってみるわ!」
サラは2回目の射的を試みた。
・・・しかし結果はだめ。
弓が上を向くことを意識しすぎたのか、今度は気の玉の下に・・・矢は飛んでいった。
「いいよ。同じミスを繰り返すより、ずっといい。
段々、上下に、左右にそれる幅が狭まればそれでいいさ。焦るとよくねぇ。」
ルースはアドバイスすると、3つ目の気の玉を浮かべた。
サラにばれぬよう、的をすこしだけ、小さくして・・・。
サラは「最初と1回前の中間」を意識して矢を射った。
シュッ・・・
かすかに、かすかにではあるが、矢が気の玉をかすめる音。
的は小さくしてあるのだから、さっきの大きさであれば気の玉は破裂していたかも、しれない。
(こいつ、予想以上に飛び道具向きかもしれねぇな・・・Σ(・ω・;|||)
3回目で、かするとは、ルースは思ってもいなかった。
これは行ける!そう確信した。
・・・しかし、そこからはなかなか上達の兆候はみられなかった。
何度も外す、かする、を繰り返すものの、気の玉が破裂するには及ばない。
サラもルースも、何十回…いや百回を超える射的・気の放出で、疲れが見えていた。
二人とも肩で息をしている。
「サラ、ちょっくら休憩するか?」
ルースはサラに尋ねたが、サラは首を振った。
「次。次、必ず!必ず射止めてみせる。絶対に!
だからもう一回。おねがい、ルース・・・!」
サラの真剣な瞳を見て、ルースは断れなかった。
しかし、同じ事を繰り返すのも、どうなのだろうか・・・。「絶対に」サラに射止めさせるには。
ルースは暫く考えた後、ゆっくりとサラから100mほど離れた場所に立った。
そして、震える指先で気の玉を振り絞ると、自分の頭の真上に置いた。
「絶対に射止めるんだな?サラ。
だったらこれの、ど真ん中打ち抜いてくれ!
もし、少しでも、的がぶれることがあれば、俺は串刺しだからな。頼んだぜ!」
(ルース・・・!そんな危険なことを・・・?!)
サラは心臓がどっくんどっくんと鳴り響くのが、わかった。
迷い・・・、それが若干、頭をよぎる。
しかし、サラは心に決めた。
自分の言葉に責任を持ち、的をちゃんと打ち抜けばいいのだから・・・!
構え・指に込める力・弓の張り具合・矢先。
すべてに精神を込める。
これまで失敗したときの力加減、それ具合・・・それらをひとつひとつ、思い出しながら。
サラは、指を離し、矢を「的」目掛けて思いっきり飛ばした。
スッパーーーーン!!!!!
気の玉の破裂する音。
煙が立ち込める。
ルースが勢いで吹っ飛ぶのが見えた気がした。
(・・・やっ・・・た・・・!)
サラは力が抜けたのか、疲れが頂点に達したのか、バタっと倒れこんだ。
ルースも、気の玉の破裂に吹っ飛び、サラの成功に安堵したのと疲労とで、倒れこんでしまった。
もちろん、結界はスッと消えた。
数分後、地下への階段で、人の足音がした。
「あちゃー。こりゃ、大変だ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ!」
たまたま精神統一をしようとし、降りてきた健司である。
健司がこなかったらこの二人、一体どうなっていたことか(;^_^A