小説NO.34 ~ サラの特訓 ~ 「前編」
「サラ、さ。移動はすごく早いよ。でも、攻撃手段が「短剣」。
それじゃ、相手にダメージを与える前に、気配つかまれちまう。もったいねぇよ( ・д・)
これを使えば、移動した位置からばっちり、相手に攻撃できるだろ(^~^)?」
ルースがサラのために作っていたもの。
それは、彼が竜のときの色と同じ、「紫」の弓矢であった。
アーチャリーのような、形をしている、弓矢。
「ルース・・・、あたいの、ために・・・」
捨て子だったサラは、自分のために、何かを、もらったことがない。
初めてのプレゼント。しかも、大好きな、ルースから・・・。
珍しく泣きもせず、ただただその弓を見つめるサラに、ちょっとルースは戸惑ってしまった。
「さ、サラ?気に入らなかったかな?勝手にこんなの作っちまったの、よくなかったかな(;´Д`)ノ??」
「ちがうの。」
サラの顔に、ようやくいつもの表情が戻ってきた。
「ありがとう、本当に。何と言ったらいいのか、それすらわからなくて。こんなの、初めてだもん・・・
どうやって作ったの?色、ルースの色だね。」
どうやって作ったか。
ルースはそれを、言いたくなかった。
竜になり、「自分の爪で矢先を作り、自分の翼をすこし抜いて、弓を作った」だなんて、
サラに言ったら、彼女は悲しむことが、わかっていたからだ。
治癒の魔術で既に傷は癒えているけれど、作るとき、実は相当痛かった・・・。
「俺の力!あとは魔法だから、秘密(o^-')b!」
そう伝えると彼は、弓矢を持ったまま、立ちすくんでいるサラの肩をポンっとたたいた。
「渡すだけ渡してもよ、使い方わかんねぇだろ?行こうぜ!地下室。特訓、特訓♪」
ルースは、サラにそこまでする自分が不思議でならなかったが、
「作ったからには使いこなしてほしいからだろう。」と自分に言い聞かせ、サラが頷くと共に、
彼女を肩に担いで駆けた。廊下も、地下室への階段も。
何だか、ワクワクしながら。
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ぽこっ、ぽこぽこっ・・・
培養液の中から、こちらを見ている物体がいる。
王は、それを見て、「くくく・・・」と笑う。
「ティングよ。なぁ?ティング。
お前、こいつをどう思う?使えると思わないか?「今NO.1であるお前の血」、と、
お前が産まれる前はNO.1であった、「現NO.2の血」を採血して造っているんだ。
強いに決まっている。」
「アト、3日・・・。3日シタラ、産マレマス。強イ、パワー、感ジマス。」
ティングは表情一つ変えず、王と共に「それ」を眺めて言った。
ポコポコポコッ・・・・
培養液の中の物体が、にわかに笑ったように見えた。
新しい命。新しい・・・「敵」。
それが、王の下で、産まれようとしていた。
シュリたちの、知らない間に・・・。
ティングの培養成功の後、研究は更に進み、わずかな血を採取しただけで、
新しい命、「兵」を造りだすことが可能となっていたのだ。
この方法で生命を造りだすのは、これが、初めての試みではあったが・・・。
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「いいか?サラ。構えはこう。」
ルースは自分の腕で、サラの体を固定して教える。
「これでいいの?」
サラは慣れない構えに戸惑い気味だ。
「いいよ。
じゃあ、矢を射ってみようか。僕が気の玉を浮かべるから、それ目掛けて、射って。
こりゃ、俺のスタミナつける訓練にもなるぜ(°∀°)b !」
サラが頷くと早速、気の玉をふわっと空中に浮かべた。
「さぁ!射るんだ!」
サラは指に力を込める。そして彼女は与えられた「的(気の玉)」を目掛け、矢を射った。