小説NO.22 ~地下室の特訓 1日目~ 其の伍
「ひとつ、最初に言っておくよ。」
ルースはひと指し指を立てて続けた。
「鞘のついた剣、それで倒せる敵は、ごく僅かだ。
今回、その剣の刃を見られるまで、俺の担当する特訓に、終わりはないからね。」
( ほんとに?!これって抜ける物なのヽ((◎д◎ ))ゝ?)
自信がなくなっている朱音に、ルースは言った。
「そんな顔してるようじゃぁ・・・鞘が付いていようがなんだろうが、俺にかすりもしないぜ?
相手の言葉にいちいちへこんでるんじゃねーよ(`・ω・´)
・・・じゃ、はじめっからな!」
すると・・・
(消えた?!)
ルースの姿が突然見えなくなった。この長方錐の部屋の中、どこに・・・・
「フッ( ̄ー ̄ )、こんなじゃだめだぜ?
本当の敵だったら、ここで一突きだからな。」
朱音の真後ろで声がする。振り返ろうとしてびっくり・・・
朱音の背中にはルースの剣先が触れていた。
柄を握り締め、鞘から刃を抜こうとする・・・・が、やはり抜けない。
鞘と刃が一体化しているかのようだ。
(仕方ない!)
朱音は鞘が突いたままの状態で、ルースの剣を払い、前に突いて仕掛けた。
ルースは朱音の攻撃をいとも簡単に交わし、
払われた剣を片手でくるっと一回転させ、刃が朱音に向かない方向に持ち直した。
そして瞬時に、剣の柄頭(剣の持ち手部分の角のこと)で朱音の脇腹を突いた・・・!
「ううぅっ・・・」
うなりながら倒れこむ・・・朱音。
( くそ・・・なぜこんなにも私は遅いのかしら?ルースは二刀流だけど、
まだ一本しか使っていない・・・。
しかも今の攻撃・・・、刃で来なかったのは、完全なる「情」だわ・・・。。)
悔しかった。
ルースとは、戦いのスタイルも経験も違うのは分かっている。
しかし、抜けるはずの剣が、抜けない。
これが・・・今一番朱音にとって、痛いところであった。。
怖がるな・・・怯えるな・・・!
怯えれば、力の扉は閉ざされてしまうのだから。
体を張ってぶつかる、それが戦いだ・・・!
朱音の頭の中で、「例の声」が響く。
いつになく、大きな声で・・・。
(そうだ、戦士になるってきめたのは、私だわ!)
朱音は、そう自分に強く言い聞かせると、何を思いついたのか・・・どんな決心したのか・・・
細く長い部屋の隅まで、一気に駆け出した。
できるだけルースから遠くなるように。
(ん、・・・なんだ?(。・ε・。))
ルースには朱音が何を考えているのか全く分からなかった。
だが、少し興味深かったので、あえて追いかけないで、したいようにさせてみることにした。
この部屋はかなりの縦長構造である。
なので、隅にたどり着くには、200m全力疾走した以上にスタミナを使う。
隅にたどり着いた朱音は、ぜぇぜぇと肩を上下さていた。
すると何を思ったか、ルースに向かって「ニヤッ」と笑って見せ、こういった。
「さぁ、(ぜぇぜぇ・・・)ウォーミングアップはおわったわ!(ぜぇぜぇ・・・)
どっからでも・・・・・・・かかって、来い!!!」