2月にはありえない暖かさのラインラント・プファルツ州。日中10度を超えるためか、至る所でSchneeglöckchen(スノードロップ)が顔を出しています。


さて、本題です。今日は文法に戻って、受動態で使われる『von』と『durch』のついてまとめていきたいと思います。


能動態・受動態の書き換えは、受動態(2)でまとめました。同じ例文を使ってみていきたいと思います。(今回は、全て例文はVorgangspassivのみで進めますが、「Zustandspassivも欲しい!」という方がいたら、追って追記していきたいと思いますので、ご連絡ください。)


流れ星受動態: von(独語)=by(英語)流れ星

右差し英語では?


能動態: A bear devours my sheep. (クマが私の羊を食い殺す)

受動態: My sheep is devoured by a bear. (私の羊は熊に食い殺される)


右差しでは、ドイツ語では?


能動態: Ein Bär frisst mein Schaf. (Ein Bär=男性名詞1格/mein Schaf=中性名詞4格)


以前やった様に、目的語(4格)が主語(1格)になり、主語(1格)は英語のbyの代わりに、3格支配の前置詞Vonの後に来ます。動詞は、『werden + 過去分詞』。ドイツ語ですので、格変化する助動詞が文章の2番目に位置し、過去分詞は文章の最後に来ます。

受動態: Mein Shaf wird von einem Bär gefressen.
(Mein Schaf=中性名詞1格/einem Bär=男性名詞3格)


つまり、能動態での主語(行動を行う人や物)が、受動態ではvonの後に来るんでしたね。


右差しでは、『durch』は?


durchはwieで表されます。つまり、何故か?どんな手段なのか?というところにフォーカスがきます。その為か、名詞化された動詞がdurchの後に続くことがよく見られます(でも、それだけじゃないです)。そして重要なのは、実際に行動を起こすのはdurch後の名詞ではないところです。


能動態: Sozialversicherungen unterstützen einen Arbeitlosen. (Sozialversicherungen=複数名詞1格:主語/einen Arbeitlosen=男性名詞4格:目的語)

意味:社会保障は失業者を(金銭的に)サーポートする。

※本当は、Arbeitloserは冠詞なしの複数の方がいいかもしれないです。

受動態: Ein Arbeitloser wird durch Sozialversicherungen unterstützt.(Ein Arbeitloser=男性名詞1格:主語/Sozialversicherungen=複数名詞4格)

「durchは4格支配の前置詞」=英語ではthroughを使います。

意味: 失業者は社会保障によって(金銭的に)サポートされる。


※ein Arbeitloser は特別な格変化をする名詞です。特別な格変化をする名詞は、他でまとめます⭐️


右差しここは何故、vonではなくdurchなのか…!


それは、社会保障が失業者をサポートするという行動をとることは、物質的に不可能な為です。



「え?どういうこと滝汗?」


と思った方。


何故かというと、失業者をサポートする為に、金銭を口座に振り込んだりという、実質的な行動をするのは、『社会保障』ではなく、文章に出てこない『担当の公務員』だからです真顔


「なんだ、その、謎かけみたいなものはムキー⁈」


と思った方。


「ようこそ、ドイツ語の世界へウインク


もう一つ例をあげます。


能動態: Ein Streik strich meinen Flug. (Ein Streik=男性名詞1格/meinen Flug=男性名詞4格)

受動態: Mein Flug wurde durch einen Streik gestrichen. (Mein Flug=男性名詞1格/einen Streik男性名詞4格)

意味: ストライキで私の飛行機がキャンセルになった。

※ der Streikは動詞streikenの名詞化されたモノです。


ここも、ストライキを起こすのは、航空会社の従業員で、キャンセルを決めるのは航空会社。ストライキ自身が飛行機をキャンセルするわけではありません。その為、durchを使うのです。



受動態における vonとdurchの使い分け、いかがだったでしょうか?














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