ズサンな計画に ずさんな管理!!!  | ハチワレの館

ハチワレの館

保護経緯はバラバラの白黒ハチワレ猫との平凡な日常を綴りながら
保護猫、保護犬の存在を一人でも多くの方に知って家族に迎えて頂けるような内容を織り込めたブログにしたいと思って居ります

奄美の猫さんは 生贄じゃないぞ!
国民は バカじゃないぞ!
もうヤメロ~~~!
 

 

杜撰!奄美ノネコ罠は国道に放置されていた。現地調査報告

公益財団法人 どうぶつ基金

日本

2019年7月30日 — 

どうぶつ基金では、奄美のノネコ3000頭駆除、殺処分計画の中止を求めると同時に、計画の運用状況について現地で調査を続けています。

今回の調査では、猫の命に対する配慮に欠けた、そのずさんな運用状況が見えてきました。

そもそも許可権者である鹿児県知事が申請者である環境省にノネコの有害鳥獣捕獲許可を与える際には、被害の状況及び防除対策の実施状況を的確に把握した結果、被害等が生じており、原則として防除対策によって被害が防止できないと認められ「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い被害がある」もしくは「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い害性があると認められ、被害の恐れがある場合」という条件が満たされている必要があります。

申請者である環境省は、「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い被害がある」もしくは「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い害性がある」ことを証明する根拠として「猫がアマミノクロウサギをくわえている写真」および「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画(2018 年度~2027 年度)」を申請書に添付しています。

上記管理計画には、「希少種に及ぼすノネコの捕殺影響は甚大なものとなる可能性が高い」、「早急にノネコを生態系から排除する対策を講じなければ、在来生態系に大きな影響を及ぼすものと考えられる」などの判断が散見されますが、これらは科学的調査に照らして妥当性を欠いていることが明らかになりました。環境省はこれまで、アマミノクロウサギの奄美大島での推定生息数について、2003年度時点で2,000~4,800頭としてきました。今回の管理計画策定にはこの生息数が用いられており、2015年時点で既に同省が把握していた推定生息数15,221~39,780頭は全く配慮されていません。一方で2003年から2015年の12年間、環境省の奄美大島における「ノネコ捕獲モデル事業」で捕獲した、いわゆるノネコの数が2012年7頭、2013年6頭に過ぎないという事実は、猫がアマミノクロウサギの生息にとって全く脅威になっていないことを明証しています。

アマミノクロウサギの増加原因は捕食者のマングースの駆除などが奏功したとみられ環境省は23年度までに、今より絶滅の危険度が低いランクに見直すことをめざしていることからも、奄美におけるノネコの有害鳥獣捕獲許可は不適切です。

また証拠として添付された「猫がアマミノクロウサギをくわえている写真」は「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い被害がある」もしくは「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い害性がある」ことの証明にはなりません。

また、アマミノクロウサギ以外の動物に関しても。2016年度奄美希少野生生物保護増殖検討会で石田 健委員(東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授 当時) が次の発言をしています。

〈ひとつ要なことはアマミノクロウサギにしてもケナガネズミにしてもトゲネズミにしてもオオトラツグミにしてもアマミヤマシギにしてもアマミイシカワガエルやアマミハナサキガエルにしても、マングースをしっかりと防除して、あるいは国立公園を作り、森林は林業が衰退してあまり伐らなくなっているので、回復しているのです。世界中が見ても私が見ても奄美大島は素晴らしい成果が出ていると思います。そういう成果があがっているところで、むやみに猫の問題を過大に問題視する必要はない。(中略)特に世界自然遺産の登録の時に過大に問題を表沙汰にするというのは、あまりよいことではない。誰も得しない〉(2017年2月18日の議事録)

上記、石田委員の発言は、「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い害性がない」ことを明証しています。

また週刊文春によると「世界遺産の価値というのは、顕著で普遍的な価値といわれる。その一つにクロウサギをはじめとするこの地域にしか棲んでいない生き物というのがある。その数が増えていようが減っていようが、個体が食べられている。それ自体が世界自然遺産登録にマイナスになると我々は感じています」(環境省奄美野生生物保護センター)という発言が見られますが、こちらも有害鳥獣捕獲許可を与える要件を満たすことにはなりませんし「ノネコの生息数を低下させる必要があるほど強い被害がある」ことの証明にはなりませんので、全く無関係です。

1000年以上前から、遅くとも西暦1850年以前から奄美に生息しアマミノクロウサギやケナガネズミやトゲネズミやオオトラツグミやアマミヤマシギやアマミイシカワガエルやアマミハナサキガエルや食物連鎖の頂点にあるハブなどと食物連鎖を繰り返し、今の生態系を育んできた奄美のネコにその生息数を低下させる必要があるほど強い害性があるとは考えられません。

私たちは鹿児島県知事にノネコの害獣駆除許可の取り消しと、来年度以降、決して許可を与えないよう求めていきます。