「靖友?」

 

「テメー調子こいて腰振ってンじゃねェよ……アぅ、あ、あァん」

 

 

荒北は一瞬正気に戻ったが、またすぐに虚ろな目になって善がり出した。

 

 

「びっくりした。……靖友、やめろって言われてもやめないよオレ。こうなった以上、もうおめさんを手放すつもりねぇから」

 

 

新開は更に腰の動きを激しくした。

 

 

「あぁ、あ、イクぅ」

「ほら、イけよ靖友」

「あーーっ、アーーッ!」

 

 

4度目はもう空イキのようだ。

荒北は全身をビクンビクンと痙攣させた後、グッタリとして新開に抱き付き、チュッチュッとキスの雨を降らせている。

 

 

 

さっき一瞬正気に戻ったことで、荒北にはこの最中の記憶がちゃんとあることが判明した。

新開はそれが確認出来て嬉しかった。

 

「あのクソ真面目な靖友が、今こんなに淫乱になってイキまくってるなんて……。ギャップが激しくてたまんねぇ」

 

 

新開は荒北のシャツを捲り上げ、両乳首をつまんで強く捻り上げた。

 

「アアアアーーーーッ!」

 

荒北は海老反りになってイッてしまった。

 

 

「ほら、乳首だけでイッちゃうんだぜ。すげぇよ。靖友、おめさん最高だ。絶対放さねーからな」

 

新開は荒北の乳首に吸い付いて舐め回す。

 

「あン、あフ……ん」

 

荒北は気持ち良さそうに腰をグラインドさせている。

 

 

 

新開は、深層できっと聞こえているであろう正気の荒北に対して語りかける。

 

「靖友……見えるかい?オレの首と肩についてる無数の歯形とキスマーク。これ全部おめさんがつけたんだからな。部で着替える時どうしてくれるんだ。責任とってくれよ。オレを責めるのは間違いだぜ。おめさんが最初にオレに襲いかかってきたんだからな」

 

 

新開がこう言うと、荒北の身体が硬直してブルブルと震えてきた。

 

 

 

 

「う……うあァァーーー!!」

 

 

 

 

地獄の底からのような唸り声をあげる荒北。

新開はギョッとする。

 

 

 

「東堂ーーッ!ぜってー殺してやるかンなー!巻島ァー!テメーもだァーっ!」

 

 

 

正気の荒北が精神を振り絞って呪いの言葉を叫んだ。

 

 

荒北は新開の両肩にグリグリと爪を立てる。

 

「痛ててて!」

 

 

新開の顔を覗き込み、怒りの形相で更に叫ぶ。

 

「安心しろ新開ィ!オメーも殺してやんよォ!」

「オレもかよ!」

 

 

 

正気の荒北はそれだけ言い放つと力尽きた。

 

 

 

またトロンとした瞳に戻り、腰を振って、新開の唇を舐め回し出した。








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【主な登場人物】
新開······大学2年生。イケメン。天然。
荒北······大学2年生。元ヤン。ツンデレ。
東堂······大学2年生。高飛車。ナルシスト。
福富······大学2年生。真面目。堅物。
巻島······大学2年生。イギリス留学中。