思い草へ              

思い草へ              

               ・ 




    

 

 

 

君恋うるうた睫毛に宿りて  

名月に小さき舟浮かべ漕ぎ出でれば  

幾千の言  重ね重ねて

青々と 静寂は語りはじめる 

 

 

花香れば 花に

鳥鳴けば 鳥に

風渡れば 風に

月澄めば  月に

 

 

 

【中秋の名月 】  PHOTO KAGAYA

 

 

 

こんばんは

東の空をごらんください
今宵は十五夜お月様
素敵な夜空です

 

2024年9月17日 スノウより

 

 


久しぶりに箱根へと旅して参りました。

箱根に行くとポーラ美術館に必ず足を運びます。
企画展はフィリップ・パレ―ノ「この場所・あの空」
事前学習では以下のように書かれておりました。

 

現代のフランス美術を代表する人物。
映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど作品は多岐にわたる。

その意識は常に、現実/フィクション/仮想の境界

あるいは実物と人工物との間に生じる乖離、その奇妙なずれへと向けられ

ダイナミズムと沈黙、ユーモアと批評性が交錯する詩的な状況を生みだす。

 

詩的な状況…惹かれます‼
いそいそと入館。

そしてまずはcafeチューンでいつものやつをいただく(*^▽^*)
 

幸せにしてくれる いつものやつです♡

(もちろん、手前の乙女チックな方が夫ですw)

 

   ポーラ美術館に来た幸せを30分ほど満喫後

いよいよ芸術鑑賞!
未知なるフィリップの詩的状況へと足を踏み込みむと…


ん? ん?

 

 

唐突ですが…

これって…何に見えましたか?

 

もう少しアップにしてみると…

こんな感じです。
 

 

 

そうなのです。

英語ではSpeech balloonと云われるもの
主に漫画で登場人物のセリフを表現するため

絵の中に設けられる空間

ふきだし=💭

まさに ふきだしバルーンが天井にビッシリ(*_*)

 

 

これってほら、何やらお誕生会的な?👀💧
…と初見するスノウw
ふ~んと思いつつ、解説を読む。

 

1997年に初めて制作された《ふきだし》は、当初ある労働組合のデモンストレーションのために制作され、風船に参加者のメッセージが書かれる想定だった。今日においてはチャット文化のパロディーとも読み取れ、あるいは声をあげられない無数の人々の抑圧された無言の抗議の姿のようでもある。

 

【 声をあげられない無数の人々の抑圧された無言の抗議の姿 】
ガーンと頭を殴られたようなショックを受けました。
広い展示室の高い天井にビッシリとひしめきあう無言の想いたち
声をあげられない想いたちの群れ
世界中から発せられる声なき無数の想いたちが
ビッシリとひしめき合う この世界

ああ、この想いたちの群れは私のものでもある
あの日 声にできなかった想い
あの日 声にならなかった想い
今もこの胸に身体に在る想い

そして…あなたの想いも。
そう思ったら

私の奥底から涙が溢れ出してしまい止められず…

スノウ、あきらかに場違いな 

号泣です!

PHOTO 謎のX氏

 

 

 

追記

たくさんの方にお読みいただき感謝です☆

そんな事でスノウ号泣の巻でした(笑)

世界中の宙には
様々な状況での様々な想いが
声にならないまま
こんな風にひしめき合っているのでしょう。

あなたの想いも…です。

目に見えないものを可視化する行為 
私はそんなものに惹かれる傾向があります。
言葉に出来ない
もしくは言葉にしてはならないものを

言葉で可視化するのが詩。

 

それが私の詩を書く理由です。

 

2024年9月13日 スノウ

 

 

 

 

太陽を飲みこんで燃えた海が
やがて群青へと移りゆく あわい

台風が去った晩夏の静寂は
囁くように打ち寄せる

 

すべてが凪ぎ終え

ただ一面の水鏡となるまで

あなたのプロセスは
私が見ていてあげよう

 

私たちがいたことを

誰もが忘れてしまう日が来ても

Happy Birthday To You

あなたのいる世界がすき

 

 

 

PHOTO 謎のX氏

 

 

 

💐9月3日は謎のX氏こと我が夫のバースデーです。

この日には毎年「あなたがいる世界が好き」で終わる詩を投稿する慣わし。いつからか、夫が撮影した私の近影を記念に添えるようになりましてw 今年もお付き合いいただきたく…お目汚し失礼いたします。💧

無事、夫は66歳になりました。
18歳で出逢ってから 何と48年!
20歳で交際しはじめてから 何と46年!!

結婚してからならば…ああ、何と42年!!!

いつしか、気の遠くなるような歳月を越えてきたようですw

 

行雲流水の構えも覚え

前期高齢者となっても

青春の続き=それからの物語は継続中です走る人

感謝☆  2024年9月3日 スノウ

 

お祝いケーキ オマケ写真です(笑) お祝いケーキ

 

夏の終わりを見送るように 

朝露は草木に宿りはじめ 

名残りを惜しむ蝉たちが 

歌い納めの時を計る 

 

終わりへと続く旅の途上 

異国の秋を想う仕草で 

頬杖をつく私の耳元に

気の早い九月の挨拶が届く 

 

移ろいゆく美しいものたち 

影を重ね 恋しさに見た夢に 

揺れながら手を振れば 

一陣の風に 時が止まる

 

 

 

                                    PHOTO HIDE

 

 

 

最強クラスと呼ばれている台風10号
被害を巻き起こしつつ

ゆっくりと九州地方に近づいているようです。
朝には九州上陸かと報道されていて…

彼の地に在る大切な方々の顔が浮かびます。

あなたの場所はいかがでしょう。
どうか、すべてにおいて守られますように!

 

そして…台風がゆく頃を過ぎれば 夏も終わりです。

センティメンタルに傾きがちな季節の到来で(笑)
しかも先ほど 懐かしい方がTVで語る姿を見たものですから

思い切りオセンチな深夜を迎えたスノウにございます。

 

2024年8月29日 スノウ

 

追記

台風10号が日本列島を翻弄していますね。
あなたの場所ではいかがでしょうか。

特に九州地方にお住まいの皆さん…心配です。

 

私の場所=東京都世田谷区の現在はというと…
台風からは遠く離れているはずなのですが、

断続的な豪雨が降り続けています。

30日午後現在で警戒レベル4。

目黒川・多摩川は氾濫警戒水位に達し、

土砂災害警戒区域では全員避難指示が発令されています。

 

お洒落な二子玉川周辺は海抜0m地帯が多く、

2019年10月の台風では死者が出る大きな被害があり油断できません。
1974年9月には近隣の狛江市で堤防決壊により19戸が濁流にのまれました。
その水害は77年放送の連続ドラマ「岸辺のアルバム」の題材になりましたので
ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。


台風が消失しても雨は降り続けるとの予報です。
どうかすべての皆さまがあらゆる危険から守られますように!

 

8月30日 スノウより


鈴虫が呼ぶ 湿った夜の静寂 
青い闇に紛れた雨の足音が聴こえはじめ 
嵐の激しさを浴びるために開け放った窓から  
天上のミストを抱いたまま ゼウスの風が吹き込む 

銀色の斜線に閉ざされた世界で 
私たちの夏が終わろうとしている 
それは次の季節で新しく巡り会うため 
だから悲しまなくていいんだと あなたの声がする  

窓外を見渡せば遥かに霞みながら 
愛を孕ませて過ぎゆくゼウスの大風  
その抱擁に掻き乱され 解き放たれて今 
ひとり眠る 銀色のダナエ 


 

PHOTO HIDE

 

 

嵐に翻弄されがちな夏の終わりです。
あなたの場所ではいかがでしょうか。


21日の東京港区麻布十番の交差点では

道路が川のように冠水している映像が流れました。
こんな麻布の光景はこれまで私の記憶にないものです。

地震や津波だけでなく、洪水や土砂災害などに関しても
地元自治体のハザードマップを確認しておく必要がありますね。
来週にも大きな台風が来るとの予報です。

「嵐好き」と公言してきた私ですが…
最近の被害の質と大きさを鑑みると
嵐好きな自分が不謹慎にさえ思えてきます。
困りました💦

2024年8月24日 スノウ


あの子に会うために
蝉しぐれの森を抜け
夏草匂う 土手まで走った 
白いブラウス 水玉のスカート
土手に座り込んだまま
流れの対岸を見つめている あの子
少女の私が ゆっくりと振り向く

あの子の小さな肩先を 

黒いトンボが舞う 
耀く青いカラダを風に乗せて 

蝶のように舞う
あの子が そっと人差し指を立てると 
黒い翅がふわり

幼い指先に止まるのが見える

振り向いた あの子の視線は 
トンボも   風も空も  私も越えゆく 
どこか遠く もっともっと
その向こうにある何処かへ
あの子を押しつぶそうとする今ここに抗して 

私は あの子を見つめている 
駆け寄り 抱きしめたい衝動をじっと押さえ 
あの子が探している言葉を
この手の中に握りしめて


 

PHOTO  山本てつや

 

 

こんばんは
お盆を過ぎると途端に風が変わります。
こんな夜更けには もう秋の気配で
窓外に虫たちが歌っています。
あなたはいかがお過ごしでしょうか。

高校野球も今日からベスト4。
昨日の早稲田実業と大社の試合の素晴らしさには
目頭が熱くなるのを禁じ得ませんでした。
そういえば…甲子園を目指していた坊主頭のあの子。
今や 故郷の市長さんになりました(笑)
いよいよ夏の風物詩も佳境に入りますね。

では、おやすみなさい☆彡

2024年8月17日 スノウ

《 風鈴 》

 

 

夏を泣く風鈴の音が
蝉しぐれ降る青竹色の静寂に
薄硝子を打って響けば

蘇るのは遠い記憶
縁側で団扇をあおぐ祖父の腕
胡坐をかいた老人の肩に残る
思いがけない逞しさ

 

嘗て戦場で死ぬために生きて
生きたまま帰ってきた老人の
蚊取り線香に煙る夕べ
梅酒を焼酎で割り
蜜色のコップ酒片手に
幼い孫に語って聞かすのは
足元に咲く野の花さえも

踏まぬようにと歩く兵士の話

其の男は野の花さえも踏まぬように歩き
同じ日に平然と人を殺して満足し
もう その矛盾を感じない
其の男は国に残した妻子を恋うる詩をうたい
同じ日に平然と婦女を凌辱して満足し
もう その矛盾を感じない
それが戦争だと

 

 

PHOTO  山本てつや


2024年8月15日が巡り来ました。
今年もこの記事を掲載いたします。
祖父は中国に兵士として送られた経験を持っていました。
度々、戦争の話を聞かせてくれた祖父でした。

 

祖父は見聞きした事として

戦場での人間の異常性を語っておりましたが、

実際には祖父自身のことではなかったのかと…。

近年、私はそう思うようになりました。
戦争は人間の本性を暴くと感じた幼い日の記憶です。

 

2024年8月15日 スノウ

 

更新されてゆく記憶を

両手の平に積んで 青をおもえば

朝もやの岸辺に揮発するものを
とどめようとする愚かさに似て

 

何もかもが無かったように
時に吸い込まれてこそ美しいと
残った月が水鏡の面で揺れながら
銀色の声でうたう

 

 

PHOTO HIDE

 

 

 

台風被害が案じられるお盆休み
そして地震も心配です…
あなたはいかがお過ごしでしょうか

 

写真を整理しておりましたところ

あの夏が発掘されました

2015年夏の私です
 

溢れる祝福と守りが

あなたを取り囲んでいますように

心込めお祈りいたします

 

 

2024年8月12日 スノウ

 

 

★追記

こんばんは☆彡
生きてゆくプロセスに立ち現れる想いを記録しました。
少々アンニュイです…ごめんなさい。

そんな8月12日の私に寄り添ってくれる一曲を♪

荒井由実さんだった頃のアルバム『14番目の月』の十曲目
【 晩夏 】をミックスリストで添付いたします。
宜しければ、お聴きくださいませ☆

 

 

 

愛する皆さまへ


昨日の宮崎地震…南海トラフ地震との関連性…

不安が募る2024年8月9日が明けました。

被災された地域の皆さまの御心痛は如何ばかりでしょう。
すべての必要が満たされ守られますよう祈ります。



長崎忌、8月9日11時2分。心鎮めてこの時を待ちます。
今年の式典は物議を醸しつつの開催となりました。国際政治的立場の違いが障害となり、共に平和を祈る事が出来ないとのこと。紛争や対立に関して政治的な立場はそれぞれ違うとしても、原子爆弾が使用されない世界を望む祈りは地球人の多くが共有できるはずではないのかと疑問です。一致できるところから始められたら良いのに…私のような小さき者はそんな風に考えます。

 

今年も、広島忌に続き、被爆マリアの記事を掲載いたします。毎年この記事をお読みくださるあなたに深く感謝申し上げます。幾度でも繰り返し、お伝えしてゆこうと思います。今年はじめてこの記事をお読みくださるあなたと来年もまた8月9日にここでご一緒に祈りの日を共にできますように。

 


2024年8月9日 スノウ

 

 

 

【 被爆マリア 】

 

 

その朝 

教会へと向かう石畳の道には  

許しの秘跡を求めて

坂をゆく信徒たちの下駄の音が響いた 

 


その午後 

教会から帰るはずの石畳の坂に 

もう下駄音は響かなかった  

一瞬にして天に召された下駄音の主ら



彼らは何も知らずに死んだだろう 

それでも総てを許しただろう 
己が罪をも知るがゆえ  

許されて在った自分を知るがゆえ 


浦上天主堂 

被爆マリアの焼けただれた御顔に残るのは 
人間を知り尽して尚
失われなかった
微かな頬笑み 
そして聖母は遥かな天を見上げる


幾度 悔い 

幾度 許されても 

過ち続ける人間の性
その生臭い息が 

今日もマリアの御顔を被爆しつづけて 
8月9日の長崎に祈りの声は響く 

                                   

 

(長崎浦上天主堂  被爆マリア像)

 

 

コラム 【受け継がれる風景より~マリア像の数奇な運命」    文章:河村規子氏 

 

1914年、東洋一といわれた浦上教会が完成したとき、正面祭壇の最上段にはイタリアから送られてきた高さ2mの木製のマリア像があった。ムリーリョの傑作「無原罪のお宿り」の絵画(マドリッドのプラド美術館に現存)をモデルに制作されたと伝えられ、両眼には青いガラス玉、水色の衣をまとい、頭の周りを12の星が取り巻く美しい像であった。

しかし、浦上教会は原爆により壊滅。

マリア像も教会とともに焼失したと思われていたが、戦後、焼け跡をたずねた浦上出身の神父によってマリア像の頭の部分だけが発見された。その後、発見した神父がマリア像を大切に保管していたが、被爆30周年の年にキリシタン研究家である片岡弥吉氏の手を通じて浦上教会に返された。


現在、マリア像は、浦上天主堂の一角につくられた小聖堂に静かに安置されている。祭壇に描かれた「平和」の文字は、浦上キリシタンが迫害時に縛られて見せしめにされた柿の木の根っこを使用して書いたものである。

傷ついたマリア像は、身をもって戦争の恐ろしさ、原爆の脅威を訴え続けている。平和の使者として1985年にバチカンで展示されたほか、2000年には旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の被害地で、2010年被爆65年ではバチカン、スペイン両国で展示された。

 

★長崎と天草地方のキリスト教関連歴史遺産群ウェブサイト

http://oratio.jp/p_column/mariazo-sukinaunmei

 

★被爆マリアの被爆前の画像を入手しました。
ご覧くださいませ。

 

 

夏草のいきれが空へと立ち昇る朝   
その行く手に残る 八月の記憶を 
今年も油蝉の声が呼ぶ   

 

あの朝はいつも通りの朝 
いつも通りに見送り見送られ 
そして 八時一五分  

 

見送った目に残った見送られた背中と  

見送られた背中に残った見送った眼差しが
蝉しぐれとなって降りそそぐ 

広島忌  八月六日

 

私たちの夏は重く苦しい 
それでも  ここに残されたものは 

恨みや憎しみではなく祈りだということの奇跡  

 

 

PHOTO HIDE

 

原爆投下から79年を迎える朝

今年も祈りつつ8時15分を待ちます。

 

酷暑日本は今や亜熱帯のようで
嘗て南島のジャングルで逝った人々を思います。

 

日本の八月は苦しい…。

その苦しさから目をそらさない者でありたいです。
戦争被害の経験国に生まれた者として、

また同時に加害国に生まれた者として。

 

 

今年も未だに侵略やジェノサイトが続く世界が迎えた8月6日。

被爆地から発せられる言葉に世界が深く耳を傾けますように。

 

世界よ

被爆者の声を聴け

 

今年も祈りの一日にあなたと心合わせられる恵みに感謝しつつ。

 

 

★追記

8月6日が過ぎてゆきます。

たくさんのアクセスをありがとうございました。


今年も皆さまの御心とご一緒に在る祈りの一日でした。
政治的なものを絡めず、ただ戦争の無い世界を祈る時を

愛する皆さまと心ひとつにする特別な日。
私はそのために繰り返し書き続けます。


2024年8月6日 スノウ