思い草へ              

思い草へ              

               ・ 




    

 

高みの枝に咲く花を 

触れることなく 愛でるように 

遙かなひとの心象をあおげば 
永遠の気配が この身をつつむ 

 

あなたが在るということ 

ただ その美しさに満ちたりて 

散花混じる風に抗い 微笑めば  
足元に降り積もる  時の花びら

 

 

葉桜と散る桜の花びら

PHOTO 山本てつや

 

 

 

桜の花びらと葉  ソメイヨシノの終わりを味わっております。
その終わりに水面に浮かぶ桜筏は特に美しい現象です。
あの無数の花びらはみな、海へと放たれるのです。
そのような結末を桜は想像もしていなかったことでしょう。
海へ……

各地に咲いた無数の花びらが川を桜色に染めて海へと向かう。


ですから。

私たちが出逢う事もなくそれぞれの一生をそれぞれの地で生きたとしても、
いつか命ののたどりつく岸辺できっとお逢いできるのではないかと。
そんな気づきが私を永遠への想いへと誘う…葉桜の頃。

2026年4月11日 スノウ
(2019年4月の過去記事へと私を導いてくださったアナタに感謝しつつ)

 

 

水面を覆う桜の花びらと枝

                       PHOTO HIDE

 

 

 

淡紅の八重の花びら
地につもる頃

 

いつかの場所の

いつかの桜をふと想えば

とうの昔の忘れものを拾う

透ける花びら拾うよに

 

 

 

散りゆく八重桜の花びら

PHOTO 山本てつや

 

 

 

時花が移りゆく美しい季節…
ソメイヨシノの頃を過ぎれば
八重桜の出番ですね。
美しいものは力を与えてくれます。


数年前、ゆく道に咲く桜の名を調べてみました✿

   ⇩
白い桜=白妙桜(シロタエ)
白い八重桜、白妙桜の花


黄桜=欝金桜(ウコン)

薄緑の八重桜(御衣黄桜)の花
 

 

 

薄緑の桜=御衣黄桜(ギョイコウ)

薄緑の御衣黄桜(ギョイコウ)
 

 

濃いめピンク=朱雀桜(スジャク)

淡いピンクの八重桜と葉


淡いピンク=松月桜(ショウゲツ)

淡いピンクの八重桜の写真

などなど…
もう少しの間、東京の桜を楽しめそうです♡

2026年4月10日 スノウ

  

 

青闇に抱かれ 

花は白く 

息づいている 

 

溜め息のような夜露がおりて  

散りつもる花雪を濡らせば 

すべてが月光の下 

時は止まったまま動こうとしない

 

息をとめ 

身じろぎもせず 

春を聴く

 

ひとひら 散る音

 

止まった時が動きはじめる

命が音をたてる

 

 

満開の桜が青闇に映える

PHOTO   HIDE

  

 

✿ 時が移ってゆきます。

それは次の季節にめぐりあうため…

だから悲しまなくてよいのだとあなたの声が聴こえるようです。


2026年4月7日 スノウ

 

 

 

風が凪ぎはじめた  
薄暮の匂いただよう水際を歩けば  

髪にひとひら ふたひら 

名残りの花片

 

細すぎる足首で踊りつづける

あなたとの深刻なアダージオ 

もっと不真面目になって 

無邪気な戯れに戻れたら 

 

春がゆく 
帰り道のない夜がくる 

刹那が降りつもる青い水面に

永遠のヒトカケラが映りこむ 四月 

着地する場所を探している 私たち 

 

 

 

夜空に光る桜の花びら

PHOTO  スノウ


 


 

大きな胸の中で微睡むような 

うつくしい時間が蕾を育み

一輪の花を成熟へと導いて 

 

やがて 花は散る 

散り際に花が見るのは

夢の終わりだろうか 

それとも  

夢の続きだろうか 

 

幾つかの愛しい記憶は 

散りゆく哀しみを呼び起こすだろうか 

それとも 

 それゆえに満ち足りて散るだろうか 

 

散る花に
ただ 頬杖つく

春の終わり 

 

 

水面に散る花びらと葉
PHOTO スノウ

 

 

 

 

✿ 2週間ぶりの投稿となりました。
あなたはいかがお過ごしだったでしょうか。
我が家には春休みの孫と息子が何と一週間の宿泊!
それはそれは楽しく幸せでヘトヘトな時間でした(笑)

いつのまにか花姿は移りゆき
染井吉野が一斉に開花し散ってゆくのを見ます。
刹那の儚さを味わう反面、散る花びらの積もる川面に想うのは…。

もし永遠があるとしたなら、無数のひとひらが為す花筏に似て
それは無数の刹那の堆積なのでしょうと。


無数の刹那が積もる生命の大きな流れは、

夥しい数のひとひらが花筏を為して

それはそれはうつくしいことでしょう。

おなじひとつの大きな流れを為す私たちであることを思います。

今ここの刹那に心込めることで
ご一緒にうつくしい流れのひとひらを積んでいる…今、この時です。

2026年4月5日 スノウ

 
 
 

花濡らす雨に酔う 春の夢 
記憶となりし人をば  

慕いて伸ばす指先に 
またひとつ 桜花は開きぬ 



過ぎし日に咲くもの 
今ここを彩り 

深く薫り満ちれば 

花濡らす夢に酔う 春の雨

 

 

 

夜桜と川面への映り込み

                                              PHOTO HIDE

 

 

 

 

暮れゆく汀に 
桜花は薄青く水の色を纏う 
時の移るままをその身に 


幾つもの夢の記憶帯びた  

花びらの想い 風にたなびかせて 
去りしものがうたう  春の夢 

 

 

 

夜桜と春の夢、満開の桜

PHOTO HIDE

 

 

                           

桜愛する皆さまへ

いよいよ染井吉野の時がめぐって参りましたね❀
日本中が淡い花色に染まる美しい頃…
今年もまた、この季節に生きる幸いを想います。
余すところなく堪能いたしましょうね。
(#^.^#)

 

2026年3月23日 スノウ

 

 

 

時満ちて

小さき命 咲く朝 
時辿りて

追憶の花 わが胸に咲きぬ 
時移らば

やがてこの身と消えゆく理の


時のしずく 縫いとめる如く  
三月に咲き散るものたちよ

春を謳え 

 

 

 

早咲きの春の花、命を想う月

PHOTO HIDE

 

 

クローバー 三寒四温 * * *

暖かな日差しに気を許して開いた春の花たち。
「早まったかしら…」と困り顔をしたりも(笑)

 

私にとって、3月は命を想う月です。

3月11日の祈り

亡父の命日
咲き散り移りゆく花草木

咲く花も散る花も
与えられた時を愛でよと語りかけています。
静まって…耳を澄ましてみましょうか✿

2026年3月15日 スノウ

 

 

 

あなたの眠る海が

光を生みながら打ち寄せる

砂にあがった 小さな桜色の貝殻を 
数分毎に揺らしながら 

 

潮騒は 風にうたう
風は 地を渡ってゆく 

高い防潮堤に遮られても
もういちど 逢いたい

波打ち際と砂浜、遠景の街並み

 PHOTO 山本てつや

 

 

☆ 2026年3月11日、祈りの日を迎えました。
今年も この詩群を投稿いたします。

あの日から15年を迎えた被災地に思いを馳せる14時46分18秒。

あなたと心合わせてお祈り出来たら幸いです。
逢いたくても もう逢えない人を想う多くの心たちに

深い深い慰めがありますように。

 

2026年3月11日 スノウ
 

:::::::::::::::::::::::::::::

 

【 あなたを忘れない 】

 

遠く あの海のうえを過ぎた風は 

潮の匂いを含んだまま

いま私にふく

 

遠く あの木々の間を吹き抜けた風は 

針葉樹のアロマを含んだまま

いま私にふく

 

遠く あの頬をそっと撫でた風は 

あなたの涙を含んだまま

いま私にふく

 

いま 私にふく

 

 

防潮堤と砂浜、青い海と空

2012年 いわき市浜通りにて PHOTO  HIDE

*その時、この堤防の上には異様な引き波を見る多くの人々が立っていらしたそうです。

       その殆どの命が失われたとお聞きしました。

 

 

春まだ浅い あなたの海に
それでも 凍った光の結晶は躍り 
水底から運ばれてきた貝殻たちが
小さく はしゃぎ声をたてている 

三月の海は 哀しいけれど
あの人は今日も 店先に魚と烏賊ゲソを干し
売れた干物よりも多い数のゲソをおまけに付けて
照れくさそうに笑うだろう

受難節の三月十一日
城壁のような堤防に狭められてゆく海岸線の手前
本当に欲しいのは 思い出よりも今なんだと
ルフランする あなたの声

 

 

干物店「石井魚店」の看板と入口2012年 浜風商店街にて  PHOTO HIDE

 

 

 

【 初めての被災地 いわき市訪問  】

 

仮設住宅集会所、ふれあい交流の場「ほっこりカフェ」で

そこに住むご婦人方20名ほどとお茶をいただきながら過ごした。

 

「あんたはどこから来たの?」

テーブル向かいの方が声をかけてくださる。

「世田谷のサザエさん美術館がある街からです。駅前にサザエさん一家の銅像が建ってるんですよ。」と答える。
「波平さんの大事な一本毛が盗まれただろ? 前にTVで騒いでたっけ。見たよ。」

「そう、そう」と頷くみなさんの笑顔。

「あの毛、何十年かすれば、いい値がつくお宝になるべなぁ~。」

すかさず入ったジョークに爆笑。

新来の私たちを和ませようと配慮してくださるお気持ちが温かい。

 

前日から福島入りしていたミュージシャンの渡辺さんが
「今日も歌わせてもらおうかなぁ~。」と立ち上がってギターを持つ。

向かいのご婦人が私に言う。

「すごくいい歌でさ、感動するよ。昨日、私ら、泣いちゃったもんなぁ。」

カフェを運営しておられる牧師先生方が大きく頷きながら

おどけた身振りで涙拭き用ティッシュの大箱を各テーブルに配り始めるので

また大爆笑。

 

渡辺さんのギターの弦が弾かれた途端、皆の心がしんとする。

 

≪父の日 母の日≫

お母さん有難う 尊い命を

お父さん有難う 大きな愛を

私を父と母の子供にしたのは神さまです

 

お母さん 言うこと聞かずにごめんね

お父さん 生意気ばかりでした

お母さん ガミガミ小言がうるさい

お父さん 少しは分かって欲しい

それでも 父と母の子供にしたのは神さまです

 

お母さん どんなに心配かけたろう

お父さん たくさん叱られました

お母さん有難う もう一度言います

お父さん有難う 言葉にできない

 

曲が終わった。

最初に涙拭き用ティッシュの箱に手を伸ばしたのは私だった。

皆さんがそれを見て大きく泣き笑いする。

「ほら、やっぱり泣いたな~」

向かいのご婦人が潤んだ温かい目で私をからかう。

私はもう我慢できずに隣のご婦人の肩に顔をつけておいおい泣いてしまう。

 

「な、泣いてしまうだろ?この歌聞いたとき、

私は嫁にいく時に送り出してくれた母さんのこと思い出すよ。」

母と同世代であろうその方はそう言いながら、

まるで子どもにするように優しく私の頭を撫でてくださった。

それからしばらくの間、その方と話す。

 

お嫁に来た時の話やら、お義母さまとの事、初めて夫婦喧嘩した話やら。

失った家での幾つもの思い出を語ってくださるままにお聞きした。

「あんた、結婚してるの? そう、子どももいるの?

結婚はいいことばかりじゃないけどねえ。我慢するも、我慢しないも大事さ。」

私たちは頷き合いながら大笑いする。

 

でも…

私たちは話題の中心になっていたご主人が無事かどうかには触れない。

震災を生き抜いて一緒にこの仮設で暮らしておられるのかどうか。

私たちはそれには一切触れずに笑い合った…。

それが、私たちが出逢った初めての日。

 

 

夕焼け空と街並み、電波塔

仮設住宅からの帰路に高速から見た夕日 PHOTO HIDE

 

 

瓦礫に凛と立つ 祈る葦たち

あの人は彼らをそう呼んだ

 

祈る葦たちは日々を生きる

仕入れた秋刀魚を開き

味醂に漬けて一夜を待つ
一夜を待ち一日を生きる

 

冷えはじめた夕暮れ頃
葦たちは店を閉め

住家となった仮設住宅に戻る

仮設に戻った葦たちは
温かい魚汁をこさえてすすり

不器用な仕草で愛し合うだろう

 

とっぷり暮れた秋の夜
濃藍にうかぶ山並みのシルエット

その向こうの海の上には

まるい まるい お月様

 

 

夕暮れ空と三日月

PHOTO 山本てつや

 

 

 

 

あいまいな仕草で時は流れて 

春愁にうつむきがちな心は

足元に咲くものを覚えます 

 

ふと 夢で触れた何かを感じて

視線をあげた空の手前 

白くマグノリアの静謐が

群れておりました 

 

冷気の融け込んだ三月の陽に 

わずか数日だけ許された

全き白を透かしながら 

遥かな青を思慕して 

祈りの姿のまま満ち足りて

 

 

 

白いマグノリアの花と青空

PHOTO  HIDE

 

 

淡月を呼んで桜咲くころ

晒した鎖骨を撫でてゆく 

花びらの潤みをふくんだ風は

あなたのまなざしに似ている

 

いつかの夢に迷いながら

朧げな面影の輪郭を指でたどれば 

春の憂鬱が うっすらと夜露に滲む 

 

瞬く星々の手前で

いのちが今を賛美している

地を揺らす戦闘がつづく この世界

生きよ 愛せよと謳って

 

 

 

夜空に月と桜
PHOTO  SNOW

 

 

❀ 東京では早咲きの桜が満開の時を迎えております。

無数の小さき花が為す桜の大樹を見上げれば
世界がこのように在れたらとの想いが滲みます。

差異や怨讐を超えた命の花々が咲き誇る日を祈ります。

 

今年も写真はご近所の桜神宮の河津桜です。
縁結び祈願のために大勢のお若い方々が
祈りの花帯を結んでいらっしゃいます💗
縁結びのリボン…あなたも一本いかがでしょう?(笑)

  ⇩これです

河津桜に結ばれた縁結びリボン

 

 

❀そして…長いオマケですw✿

河津桜を堪能できる古風な温泉旅館を求めて

夫と伊東を旅して参りました。
 

桜と日本庭園の灯籠、池   

日本庭園の池前の客室には河津桜の古樹がど~んと正面に!(^^)
客室付テラスは池に張り出している川床ならぬ池床の仕様で!(^^)!
足元では巨大な鯉が舞うように滑るように水面に波紋を描いております。

鯉が泳ぐ日本庭園の池

その池床テラスに座り込み…絶賛 花見中のスノウ後ろ姿にございます(爆笑)
もちろん、その手元には抜かりなく伊東の地酒《伊豆の里》がw

満開の河津桜と庭園、女性の後ろ姿

         

3日間とも穏やかな温かい日和でしたので
早朝に起きて窓を全て開け放ち
お布団に横たわったままで花の終わり近い大桜を見上げていると
ふと西行の歌が浮かんで参りました。

 

吉野山 こずゑの花を見し日より 心は身にもそはずなりにき

花を見し 昔の心あらためて 吉野の里に住まんとぞ思ふ

願はくは花の下にて 春死なん その如月の望月のころ


毎年、桜は西行を連れて私の元に巡り来ますが
初めて布団に横たわったまま見上げた桜は
西行の最期の時をしみじみと想わせてくれたものでした。

桜 桜 桜 桜 桜 桜

2026年2月28日 スノウ

 

春呼ぶ鳥の声が 
目覚めはじめた街に響きわたり  

新芽の浅い眠りに疼きをうながす朝  

 

瞼を閉じたまま あなたの命を想えば 

果てしない彼方から 
静かな水が小さく打ち寄せては素足を濡らし 

その余りの静けさに 

私は為すすべもなく漂いながら 

初めて 永遠を近くに感ず 

 

次の刹那 

私の窓辺に野鳥は舞い降りて 
けなげな命の重さが微かな音を立てる 

嘴を花粉で黄染め 蜜をむさぼる鳥の無邪気を 

透きとおる青を仰ぐ気持ちで胸に抱けば 
いつしか 春は来たり 

 

 

 

野鳥と菜の花、春の訪れ

 PHOTO HIDE

 

 

 

✿2月23日…東京に春一番が吹きました。
なんと気温は24℃と!
今日も汗ばむような陽気の東京でした。
少し怖いような気もしつつ、ポカポカな一日がうれしいです。
あなたの場所ではいかがでしょうか。

ここからまた気温が下がり
恵みの雨となるという予報ですね。
感謝(*^▽^*)

2026年2月24日 スノウ