ご訪問ありがとうございます
大学病院は待ち時間が長い。
「ママ、手伝ってよ」
と言ってランちゃんが広げたのは、砂粒みたいな文字がぎっしり詰まった巨大なリストでした。
老眼のピントが合うまで待ってよく見たら、病院の情報みたい。
この地方で研修医を受け入れている病院だそうです。
「家から1時間以内に通える病院に印付けて」
と、蛍光ペンを渡されました。
病院なんて、いつも行くところか親しい人が通うところ(または働いてるところ)しかわかりません。
1時間以内に行けるかどうかはともかく、知ってる名前をピックアップしました。
「家から通えるところを探してるの?」
ランちゃんはにしゃっと笑って、だって家事が大変なんだもん!と言いました。
一人暮らしをして、つくづく自宅生がうらやましくなったんですって。
知らない病院でもGoogleマップを使って通勤時間を調べましたが、我が家は辺境にあるので1時間で通える病院は限られました。
それでもその中から探すようです。
続けられる環境重視、です。
他にも、
「先輩が言うには、専攻する診療科が強い病院を選ぶといいって
」
評判の先生がいるとか、設備が整ってるとか、実績があるとか、そういうの。
「女医が働きやすい環境かどうかも、なにげに重要らしい
」
少なくとも女医を活用しようという意気込みを感じる職場であってほしい。
ランちゃんの主治医は、出身大学と以前勤務していた大学とそこの教授の出身大学と一緒に移った今の大学が、すべて違います。
ひとつひとつ選択してきた感じ。
ランちゃんもそんなキャリア形成になるのかな。
少なくともそのまま大学に残る予定のマキちゃんとはかなり違う就活になるでしょう。
研修医として働きたい病院の候補が決まったら訪問を始めます。
大阪の友だち曰く、
訪問するのは10病院ほど
本命には10回ほど行く
そうです。
コネも大学ブランドもないから大変だ。
ポリクリの合間を縫ってアポを取るようです。
そのたびに帰省するわけだから、来年はランちゃんの顔をたくさん見られる
がんばれー
続く