ランちゃんのお話
「高校生活を心置きなく楽しんだ〜」
「1度高熱出して寝込んだじゃん?
去年の今頃、ランちゃんに責められました。
「ママが運動部はやめろと言ったから、ぜんぜん楽しくないじゃん
」
それは確かにそのとおり。
体が弱かったランちゃんを心配したわたしは、週5日も6日も練習があるような部活では勉強との両立はできないと言いました。
それでランちゃんは文化系の部活にしたのですが、不定期の活動だったうえに、部員たちともそれほど仲良くなれませんでした。
クラスでは部活仲間で群れる傾向があり、孤独を感じてもいたようです。
ちなみに成績もうだつが上がらず。
運動部で体を鍛えた方が有意義だったんじゃないの?というくらいでした。
そんな時、生物の先生の紹介で、大会に参加する科学部チームの助っ人になりました。
校内の理系の秀才が集まる科学部で役に立てるような頭はありません。
ただ頭数をそろえるためです。
今も部活内で成績は断トツのビリ

当時は消しカス集めくらいしかできなかったのでは…
けれどこれがきっかけでランちゃんは科学部のおもしろさに惹かれ、そのまま入部。
生まれて初めて話が合う人たちと出会ったという感覚がランちゃんの緊張を解いてくれました。
科学の話はチンプンカンプンだったから、勉強にもより一層気合が入りましたしね。
(たぶん)
ランちゃんは部活を引退した時、
と言ってくれました。
運動部を禁じたことを謝ると、
運動部やりながら睡眠を削って勉強とか、わたしには絶対ムリだったはず。
ママの言う通りにして良かったよ」
と。
ずっと気になっていた心の澱が取れた気がしました。
そうか、ランちゃんは後悔してないんだ。
高校生活は楽しかったんだ。
よかったー
涙出ました。
部活仲間との待ち合わせ場所まで車で送った主人が渋い顔をして、
「おい、オタクそうな子ばっかだったぞ」
ハイハイ
VAIO片手に革張りシートのBMWを乗り回してたような東京私大ボーイさんには、あの子たちの魅力は分かりませんよーだ。
ランちゃんが楽しければそれでいいのです