マキちゃんが、
「マキはキャーと叫べないから困る」
とつぶやいた。
困っているポイントが理解できない母親にマキちゃんが言うには・・・
クラスの女子グループで流行りのゲームをしているのだけど、みんなは盛り上がると「キャー」と歓声を上げる。
マキちゃんはその流行りを知らないからタイミングがつかめないし、そんな奇声をあげられる気もしない。
つまり、友だちと一緒に流行のゲームで楽しみたいの?「違う」
キャーとはしゃぐような女の子らしさがほしいの?「違う」
じゃ、なんやねん!
「なんでマキはそうじゃないのかな」
確かにみんなと同じようなことが面白くて同じように騒げたら、楽だよね。
だけど今は解決方法がない。
ランちゃんに聞いても答えは同じ。
仕方ないじゃん。そういう自分なんだから。
ママ友は心配して、「わたしがそのゲームを教えてあげようか?」と言ってくれた。
そのママ友は子どもが友だちから嫌われないようにいつも心を配っている。
でもそれは親の価値観の押し付けじゃないかと、最近のわたしは思う。
「友だちの輪の中にいること」を「好きなことをすること」より優先すべきと教えているでしょう。
ランちゃん・マキちゃん世代は、金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」やSMAPの「世界に一つだけの花」の価値観を習ってる。
親からの無償の愛という肥料さえあれば、子どもは他の誰かと比べなくても自分を認められるもの。
だから大切になるのは、本当の自分はどういう人間なのか、何がしたいのかだと思う。
ところが。
子どもって意外と自分の本心より周りの期待を優先させるのですよ。
それで心や体を病むまで、脳が我慢し続けてきたことに気付かなかったりするのですよ。
塾や部活を決める前に、もちろんその先もずっと、自分についてよくよく考えてほしいと思う。
「ママが言ったから」「お姉ちゃんと同じがいい」でもいいから、本当に自分はそうしたいのかを確かめよう。
これからの選択に覚悟が伴うように。
親としてわたしは、子どもが自分の気持ちを大切にできる環境を与えてあげなくちゃ。
どんな答えでも大丈夫という寛容さを見せないと、うちの子は(たぶん親を失望させたくなくて)本心など見せてくれない。
ヘンに賢いから、わたしがどんな顔をするかを先読みして、答えを変えちゃうのだ。
子どもを叱ることはほとんどないのに、それでも。
見極めは難しい。
先生やお母さんに従うだけじゃなくて、その理由を納得してるだろうか。
嫌なときは嫌だと言っているだろうか。
失敗したら母親に見放されるかもしれないとか感じてないだろうか。
特にマキちゃんは大人が喜ぶように行動しようとする傾向が強いから、いつも確かめてないと本心をつかみ損ねる。(ランちゃんは意に沿わないと平気で黙殺します)
3人兄弟の末っ子だった大学時代の友だちが、「親に何も期待されないのも悲しいんだよ」と言っていた。
放任すぎてもダメなわけね。
親は、背中を押す存在であり、道しるべであり、サポーターであり、シェルターでなくちゃいけない。
母親道を極めるのは、難しいなー。