マキちゃんが、学校へ行きたくないと言う。

そういう日は、風邪を引いたことにして学校を休み、2人で公園に行く。

芝生の上に毛布を敷いて、飼い犬と遊ぶ。

疲れたら、コンビニのおにぎりを食べて、おしゃべりをする。

そして、帰って、昼寝をすれば、起きた時には、元気になってる。

昔から、マキちゃんにはたまに、こんな日がある。

 

 

学校でスピーチコンテストがあった。

スピーチというより、意見文を書くことが主な目的で、発表は原稿を見たままでもいい。

いまどきは、主題とその証明(具体例)で構成するところから、反論の顧慮まで、小学校で小論文の基礎を学ばせる。

反論の顧慮は、一般的に使われる用語かな?

主題となる意見に対する反対意見を取り上げて、それにさらに反論してみせることで、主題の正当性を主張する手法である。

 

わたしのころは、小論文の書き方なんて学校で学ばなかった。

これからの入試は、日本でも記述が重視されると聞いて、将来子どもに教えられるように、高校生向けの小論文添削のバイトをしたことがある。そこで、小論文のhow to を教えてもらった。

反論の顧慮を知ったのも、そのときだ。

だから、小学生の国語の教科書で見つけた時は、かなり感動した。

 

スピーチコンテストみたいに、意見文作成にじっくり取り組める機会は、論理的思考を演習するにはもってこい。

じっくり推敲する中で、主題を設定するときのポイントや、どんな具体例が説得力を高めるかなどについて、教えることができる。

そして、マキちゃんが洗い出した考えをもとに、もっとも論理的だと思われる構成にするわけだけど、これが意外と脳みそを使うので、わたしはしばらく頭が痛かった・・・。

2人目はしんどい。年齢的にも。

 

 

意見文の作成に時間をかけた分、マキちゃんは自信をもってスピーチに臨めたため、コンテストでは準優勝だった。

ところが賞状を受け取って席に戻る時、気の強い女の子に、

「いい気になってんじゃねーよ、ボケ」

と、言われたというのだ。

ショックを受けたマキちゃんは、翌日学校を休むことになった、というわけ。

繊細だな~。

 

暴言を吐いたその子のことは、他のお母さんから聞いている。

特にマキちゃんに目を付けているわけではなく、おとなしそうな子に対しては、だいたいそんな態度をとるみたい。

お母さんが出るほどのことじゃなさそうなので、マキちゃんの心が回復したら、それで今回は解決ですね。