ランちゃん、この夏の大会は先鋒に抜擢されました。
個人戦もレギュラーです。
体重が足りなくて、運動神経もいまいちなランちゃんが、先鋒になるくらいなので、わが剣道部は弱小だ。
でも、まじめさは人一倍の剣道女子。
顔も体もあせもだらけで、胴着や面タオルはいつも絞れるほどぐっしょり濡れている。
ランちゃんはお腹ペコペコで帰ってくるけど、体から漂う異臭に耐えられなくて、「まずシャワー!」と命令してしまうこともしばしば。
適当に稽古してるわけじゃないんだ、決して。
だけど、申し訳ないが、ランちゃんたちは明日負けるだろう。
そもそも、ランちゃん、地区大会の次の日から夏期講習を入れている。
勝ち進んでも、もう部活に出てる暇はない。
そのあたりは、本人も納得してる・・・はず。
ランちゃん曰わく、
「だって、親も学校も塾も、勉強しろとは言っても、剣道で勝てとは言わないじゃん。」
ごもっとも。
だから、明日が引退試合だ。
ここまで、勝たなくてもいい試合もめずらしいけど、誰も負けてもいいなんて思ってない。
大将だけは、勝ち進む気満々!
いい部活だったなと思う。
何を差し入れしてやろっかなー。