日本に一時帰国しました。 | 夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

フランスで出会い、嫁ぎ、娘が生まれて7か月、夫が膵臓癌になり、2020年4月に旅立ちました。闘病の記録として始めましたが、その後の日々の生活や想いも綴っていこうと思います。

突然ですが、Mと日本に一時帰国しております。
10月17日パリ発、2週間程度の予定でした。

きっかけはりんごの仕事に2週間程「りんごの実のりを待つ期間」で休みだったからです。事前にそんな説明ないのと(フランスらしい)、自然の作物次第のタイミングだから具体的に日にちが分からなかったのもあります。
更にワインの研修が始まると年末年始は帰れないスケジュールとはっきりわかった、等々次々と判明し直前になりました。

航空券を1日半前に購入する位に急遽決めたので、冷蔵庫にあった1週間分くらいの食材を全部冷凍庫に突っ込んで来ました。
野菜、買いたて沢山。。。

歩き始めたMにとって
飛行機は辛いかもと心配しましたが、実際は機内ガッラガラな上、深夜便だったのも良くゆったりと過ごせました。
日本着いてから空港では私もMも検査を受けて晴れて陰性と証明されて入国し、2週間毎日体調と体温申告して実家で大人しく過ごしました。

元々10月31日にフランス戻る券でしたが、28日のマクロン大統領演説で知ったフランス外出禁止を聞いて12月初旬に延期しました。ANAがコロナ影響であれば1回無料で直前にも拘らず変更きる事になっていて感謝してます。

実家は昨年都会から千葉の田舎に引っ越していたので(運良く)、割とのんびり、広々と過ごせています。

夫の闘病、葬儀や相続、畑仕事とバタバタ、ぐちゃぐちゃ、してました。
ついでにコロナ。

疲れてた?
緊張してた?
戦ってた?
色々、混じって良く分からなくなってた?
「日本に帰ったら、心の中の何かが負けそうで怖い。」
そんな変な偏った意地が、無意味にあったと今思います。コロナを言い訳にして。

結果、帰ってきて、良かったです。
しかも2週間じゃなくて1ヶ月半もいる事になって本当に良かった。

ぼーっとしてました。
風呂入って、納豆食べて。

両親と妹が大きくなったMを可愛がってくれる。
とても大事な事。

現実逃避と本心直視。

夫の家、義理家族、義理弟周りの嫌な感じから離れ、夫に起こった全ての事が遠くなって...
心が楽。
すごい、ストレスだったんだぁと。

何にも構える必要がなくなって、素になる事に慣れた頃、ようやく夫を純粋に恋しく思えます。
素敵な思い出達と彼の辛さと無念の痛みと、「もし今、一緒に居たら」と彼の最期の姿と色々頭と心の中でぐるぐるさせてます。

ちょうど去年の今頃、彼の体調が悪くなり始め薄々癌とわかり始めた頃。
それ以降途絶えなかったら緊張感。
彼が、苦しみから解放された日以降の新たな精神的苦痛となった義理弟と義理家族。
紛らわせてくれたハードなワインの仕事。

私、頑張った。

って、思わさせて下さい。

去年の今頃まで、一緒のテーブルで食事してた。
3人で。

そんな日が戻ってくる気が、
だんだんしなくなってきた。

それとは別なのか
「もし彼が今いたらこう言う、こうするんだ!」と現在進行形で喋ってる自分がいる。

当たり障りない他人には、夫が今も生きてるように言いたい自分がいる。
そうすると、実際生きてるような気がして嬉しくなって、
少し後にそうじゃないって虚しくなって

緩やかな錯乱状態。

家族とは、言葉にしなくても解って通じ合ってる安心感がある。
大事。

気持ちが通じると思える方々がいてくださる。
貴重。

さて、
Mはこの滞在中に言葉を発し始め急成長。
ママ、ねんね。

お辞儀もするように!
お辞儀(日本)と投げキッス(フランス)がワンセットで御近所に可愛がられてます。