マザリング・サンデー、それは年に一度だけメイドに与えられた自由な日
年に一度の日曜日に母親の元へ帰れる特別な日なのです

その日の主人ら家族は使用人不在の不便を紛らわす為に会食へ

孤児院育ちのジェーンには行く場所もなく、しかしまるで6月の陽気のような良く晴れた1924年の3月、彼女はかつてより恋仲のシュリンガム家のポールから一本の電話を受け取ったのです

自転車を漕ぎ、逸る気持ちを押さえ向かったのは2週間後にホプデイ家の娘との結婚を控えたポールの待つシュリンガム家
その日を境にジェーンの人生は一変します

老齢になったジェーンは著名な作家となっていました
その彼女の語りで若かかりし頃を回想して行きます

人生とは命ある限り続く冒険なのかもしれません
そして彼女の小説とは自らの冒険から生まれてきた恵みなのかと

イギリス英語からの邦訳、時に翻訳文が引っ掛かりがちで、原作の言葉遊びも気になります
時に韻を踏むことを大切にしたり、詩的表現を用いたり、すっかり和訳にしてしまうと原作の良さが見えなくなったりと難しいな


当人しか知り得ない事実と自由な心の冒険の物語でした