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上野で偶然であった喜和子さんは主人公の私が作家だと知ると「図書館が主人公の小説」を書いて欲しいと言ってきた
そこから主人公と喜和子さんの交流は始まる
時は明治、福沢諭吉は西洋文化を真似て図書館設立を思い付くもその後、戦争を挟みそれはそれは波乱万丈な図書館史を刻むことに
喜和子さんの人生と上野の図書館の物語は共に進行して行くのだが、図書館が恋をしたり書籍達が会話をしたり、はたまた名高い文豪達が登場し、本好きにはたまらないですね
そして外せないのが上野の歴史その物
今の整然とした美術館動物園界隈からかけ離れた壮絶な時を経ての今なのですね
前半は時の流れに沿いながら、後半に向かうに連れ謎解き要素が加わり謎を残しつつ、そんな感じでラストを迎えますが、最後は終戦後の時代と共に生きた喜和子さんにすっかり寄り添いながら読了
心地よく読ませていただきました