キッチンの窓から | アントワープで一番古いカフェ・Cafe Quinten Matsijs

アントワープで一番古いカフェ・Cafe Quinten Matsijs

アントワープで1565年から続くカフェ・クイントンマセイスの女主人の日記です。ベルギー人の旦那とともに、今夜も酔いどれ。

08:18AM
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以前住んでいたアパートは、アントワープのメインストリートに面していて、お気に入りの店はみんな、半径50メートル以内にあった。

週末、ゆっくり目覚めた朝など、まずはコーヒーと焼きたてのパンが
ほしいもの。
おいしいパン屋さんまでは、たったの30メートル。
なにを躊躇することがあろうか。

顔にペタペタと水をつけ、その濡れた手で頭をなでて、アパートを出た。

外は、買い物客と観光客でにぎわう、メインストリート。


08:19AM
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週が開けて月曜日。
当時、ダイアモンド屋だった私は、ビジネススーツに身を包み、
女だからって、なめられないように、キリッとメイクして出勤する。

そんな私に、
「ハイQ、土曜日の朝、気がつかなかっでしょ、すれちがったのよ。」
とか、
「クラクションならしたんだぞー。」などと、声がかかる。

Oh, My God !
あの姿を見られたというのか!?


きちんと身づくろいしてから、外にでればいいというものだが、
週末の朝、ボンヤリとした頭で、コーヒーと焼きたてのパンを楽しみ、
グズグズ過ごすのが好みなのだ。
シャキッとしてしまったら、台無し。

そうだ、帽子、帽子を買おう。
帽子でおったった髪を包み、サングラスをかければ、
私はアシャレな女。

程なく、素敵な帽子を購入。
我ながら似合ってる。

そして週末。
朝、スーさんも一緒に買い物へ行くことに。
早速帽子をかぶり、サングラスをかけ、鏡をのぞく。
 こんなだったっけ?
なんだか怪しい女がそこに・・・

ウウン、大丈夫、この帽子はとっても似合ってるはずだから。
と、言い聞かせ、出かける。


買物から帰って帽子を脱ぐと、スーさんが、
「Q、それはもう二度とかぶっちゃいけないよ。」と。

ゲッ、そんなに!?

ええ、帽子を買いに行ったときは、きちんとメイクして、髪も整ってたし、洋服も外出着。

起きたなりでは、かえって悪目立ち。
いいアイデアだと思ったけどNG.


08:53AM
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ひと月ほどたった週末の朝、急に出かける用事が出来、こまった。

Q 「どうしよう! こんな頭で出ていけないよ。」

スー「・・・あの帽子があるじゃん。」

Q「だって、アンタ、あれはかぶっちゃいけないって、
言ったじゃん!?」

スー「ン、あー僕と一緒のときじゃなかったら、いいよ。」

Q「ヘッ???」


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