月に1回のお勉強会。
皆んなで寄り集まって、わぁわぁ言うわけじゃなくてね、講師を1人招いて、そのお話を拝聴するんです。
その宗教の講師ね。
いつもは大体、おばあちゃんなんだけど、こないだの先生は若かったな。50代だと思う。
まずは、講師のお話を1時間聴いて、そのあと質問タイムに入ります。
でね、その先生のお話が、とても刺さったの。
ご自分の体験をお話してくださいました……
先生の長男さん、中学受験して、私立のいい学校に入られました。先生(お母さん)のススメで。
(あ、担任の先生とごっちゃになるから、呼び方変えよう。偉そうだけど、Bさんと呼びますね)
長男さんは、実はちょっと嫌だったらしいんだけど、母に従った方が正しいのだろうと考え、素直に従った。
でも、高1になったとき(中高一貫校です)、突然長男は「漫画家になるために、学校をやめたい」と言い出します。
その決意は固く、親や担任がどんなに説得しても、揺るがなかった……
そこで、父が決断を下します。
1年だけ休学し、漫画家になる努力をする。それで芽が出なければ、諦めること。
男と男の約束です。
長男はその1年、めちゃくちゃ頑張ったそうです。漫画を描いては東京まで行き、アポもなしに出版社へ突撃。何社も何社も。
しかし、所詮15歳の子供の描いたもの。
相手にはしてくれなかったそうです。
やがて1年が過ぎ……
芽が出なかったということで、諦め、復学します。
しかし、1年下の後輩に囲まれた学校生活…
友達も出来ず、勉強にも身が入らず、辛い毎日だったようです。
何に対しても無気力になってしまった長男……
Bさんは、
一心不乱に祈り、お経を千回読みました。千貫読誦といいます。
そのうち、長男はまた漫画を描き始めます。Bさんが祈れば祈るほど、漫画を描いたそうです。
Bさんの願いは、長男が生き生きとした学校生活に戻ること。しかし現実は、その反対になっていきました。
でも、祈っていくうちに……
息子はこのままで素晴らしい……
と思えるようになっていったそうです……
どうしても漫画家を諦めきれない長男に、担任の先生とBさんご夫婦と長男の4人で、4者面談をしました。
その担任の先生も、長男のことを親身に考えてくださる方で、そのとき、大人3人の心はピッタリ合っていたそうです。
学校をやめること。
最後に文化祭で、長男の得意な絵を活かして、看板を作ってもらい、楽しく学校生活を終えること。
さほど話し合うこともなく、スラスラと決まり、レールが目の前に敷かれていくのを感じたといいます。
文化祭では活躍し、年下の同級生たちからも感謝され、円満に学校をやめることができました。
そして……ある日、その宗教のある先生に相談しました。
「子どもに悪い現象が現れたと感じたとき、親の見方を変えればいいんですよ。親の見方しだいで、子どもは良くも悪くもなる」
と言われ、
これまで、親の価値を子供に当てはめていたことに気付きました。
そんなとき…………
不思議なことに、長男に担当の編集者がついたそうです
プロの漫画家になった、ということです。
うちの宗教ではね、自分の心が世界を作る、と教えられてます。
息子さんの成功を願っている、と思っていても、心の底の底で、失敗を願っていることがあります。その時は叶うことはない。
Bさんが、心の底から、息子さんの成功を願ったからこそ、叶ったのだ…というのがウチの宗教の考えです。
こればっかりはね……
ちょっと信じがたい………
そんな上手いこといくかいな……って思います……
いくら努力したって、プロになれない人がほとんどだと思います。
プロになったところで、それで食べていける人も一握りだと思うし……
でもね、子どものありのままを受け入れて、子どもの頑張りを、見守り応援するって……
とても大切で尊い……
親のあり方によって、子どもは何倍もの力を発揮するし、道を切り開いていく……
たとえ、プロの漫画家になれなかったとしても、親に応援されて頑張った期間は、きっとその子の力となり、根底に蓄積されていくと思うのです。
その長男さんは、現在24歳。
まだまだ売れてはいないそうですが、アシスタントもしながら、漫画家として頑張っておられるそうです。
さぁそして………
そのお話を聴きながら………
私はもちろん、長女のことを考えていました。
長いので、もう一回だけ続きます。
to be continued