こんにちは。
フラクタル心理学カウンセラーの
丹治直恵です。
今日は石川県の物産展に行ってきました。
普段からこういう催しは満員御礼ですが
募金箱にお札が目立ち、お客さんも
災害支援という意気込みでお買い物を
しているように見受けました。
阪神大震災の頃から一般の方が支援物資を
申し出てくれるのは有難い事ですが
被災を経験しない人は日常の感覚で物資を
送ってしまうので贈られてきたものが逆に
負担と言うパターンも。
特に私が気になったのは炊き出しに行った
賞味期限が切れているから使えないと
物資をボツ箱に入れて憤慨しているシェフと
消費期限が4年前に切れている長野県からの
物資でした。
普段でしたらスーパーの割引で賞味の近いものを
安く買い求めて期限を過ぎてしまっても
傷んでなければ食べますね。
私は最初そういう感覚で動画を見ていたので
「あぁ、シェフと言う立場だと衛生観念が
一般の人とは違うから厳しいんだな。」と
思った一方で物資がどの程度集まっているか
わからなかったので賞味の切れた食料を
シェフ一人の判断で切ってしまうと
被災者から非難されないだろうかと
思ってしまいました。
（日常の考えならば賞味が切れた位で…
と思ってしまうので）
病院や食べ物を扱う衛生観念って日常では
考えられないくらい徹底してるんですよ。
「そんな神経質にならなくても…。」
と思ってしまいがちですが確かに考えてみれば
一度に何百人もの配膳をする場合一人一人に
行き渡るまでに沢山の人の手が介され
目の前に置かれるまでに時間もかかります。
食器を熱湯消毒しテーブルをアルコール除菌し
手袋の付けて配膳し埃など被らないよう
蓋をして渡す…。
物資の段ボールをバケツリレーで回す感覚で
全ての工程を排除して食べる人に辿り着いた時
どれだけの雑菌が食事に付着しているかと
考えると徹底しなくてはいけないのは
当然ですよね。
さらには災害時の不衛生な環境と
ストレスで保存管理が不明なものを食べると
体調を崩す原因になりかねない。
これは確かに言われるまで気が
付きませんでした。
賞味の切れた食料や古着を送ってしまう人は
可哀想と言う哀れみで被災者を下に見ているのです。
自分が当事者になっていないので
「賞味期限なんか切れたって食べられるでしょ。」とか
「別に古着でも着られるでしょ。古着屋なんてものが
あるんだし。」と思っています。
口すっぱく注意されても自分が体験しないと
わからない人は一定数居ます。
自分は被害に遭わないからと根拠のない自信で
想像するのを放棄してしまうのです。
ただし置かれている立場が違うと見えてくる
ものは本当に違います。
私がなるほどなと思ったのはお花です。
支援物資が滞る中使者への弔いのお花は
手に入りませんから生活必需品を求める
被災者からは「こんなもんはいらん！」と
怒鳴られたが身内を亡くされた方には
喜ばれたそう。
シェフは「こんなものばかりでは炊き出しも
できない」と憤慨していましたが
避難所でシェフと面識がなく
困窮している人が一人でもいれば「食べるものが
目の前にあるのに何捨ててるんだ！よこせ！」
ともなりかねませんし
被害者意識の目線からすれば食材が無いから
炊き出しが出来ない（仕事が出来ない）は
傲慢にも見えてしまうでしょう。
シェフはただ料理人として避難所にいる
人たちの命を守ろうとしているだけで
なんですけどね…。
置かれた立場の目線で考える良い機会になりました。
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