妻が用意してくれる夜食の中で秀逸なのがこの「稲荷蕎麦」

稲荷の中に蕎麦をいんさーと。

これがまた美味しい。ズルズルっと啜るわけでも無いので、伸びた麺も気にならない。お口の中できつね蕎麦が完成。

蕎麦の量を減らして天カスやトロロをトッピングしても旨いだろう。

西麻布ファンキー「葡呑」さんの出張イベントの定番となっている色どり稲荷寿司に対抗出来得る商品だと思う。

こんなの誰が考えたの？と訊けば、昔に嫁のお母さんが帰りの遅い自分のために作って冷蔵庫に用意してくれていたそうな。

手軽に食べれて美味しい。

料理って愛情ですよね。

私も愛情を持って。

美味しい料理とはなんぞやと向き合っています。

もっと美味しくて、誰もやらないようなバカな事を、深く悩むことなく、毎日の中で発見出来るように。

そこで大切なのはやはり心に余裕を持つことです。

意識してメンタルを整えるということはストレスを生みかねないので、何かに依存してしまう方が楽でしょう。

神を信じましょう。

宇宙の導きに身を委ねましょう。

信仰宗教にお布施をしましょう。

焼鳥食べるお金だけは残しておいてね。

というわけで、私はまだ皮タレ焼きの理想を追求しております。

備長炭を掃除した後の焼き台の余熱で、じっくりと皮の脂を落とす。

数日、皮タレ焼きと向き合い、大切なのはどこまで脂を落とし、そしてどこでタレを吸わせるのか。

早目にタレを吸わせると、カリカリが生まれずに仕上げで頑張ってもタレが焦げて苦くなる。

しかし脂を落とし過ぎると、まぁ硬すぎる。

あくまでカリカリにしても、脂を美味しく食べるのが皮である。

世の中は0か100では無く、やはり大切なのは塩梅なのだ。

理想。

イメージ。

まだ自分も食べたことのないものをイメージする。

想像力を養う事が大切です。

想像力を鍛えるには目の前の女性を透視する事から始めるのがベターです。

頭の中で理想のスタイルにしてさしあげましょう。

理想の下着を着せてやりましょう。

それと現実とのギャップを埋めて行く作業が焼鳥ってやつです。

金曜日の深夜営業を終え、帰宅すると安室奈美恵さんになりきりの嫁がいました。

中国まで引退コンサートを観に行くそうです。

モーレツに可愛いくて私のサムが「Body feel exited!」とブレイクダンスを始めました。

ソファに座り、ダイヤモンド酒造の残ったデラウェアを飲もうかななんて思いながら寝落ちしました。

抜栓4日目で香りが出てきたと森さんが言ってたのに…

そして目覚めれば嫁は日本に居ませんでした。居ませんでした。居ませんでした。

僕は何を思えばいいんだろう。僕は何て言えばいいんだろう。

さ、風呂入って、湯船でアイスクリーム2個食べて仕事に行きます。

最近Facebookに包丁を研ぐセミナーのようなものが上がってきます。

トップシェフ達が包丁を研ぐことの素晴らしさに触れて感動をしている投稿です。

包丁の切れ味は大切です。

最近、外で魚の刺身を食べると本当に思います。

やはり切りつけるという事は和食において何よりも大切な事なんだなぁと。

山下農園の山下さんが自身の野菜を話してくださった時のキーワードが保水力。

あくまで顕微鏡と一緒に農業をやっているわけでは無いのでしょうから、イメージの話だと思います。

細胞と細胞の間に水分があるから、切った時に水が出てしまう。だから細胞自体に水分を持たせる、保水させる必要がある。

山下さんの野菜は切っても水が出ないが、噛むと瑞々しい。

良い肉も細胞自体に保水力があるので、ドリップが出ずに腐りづらい。媛っこ地鶏に毎日触れているとそれを感じます。

だから刺身を切りつけるというのはそれが分かりやすいですよね。

良い魚を細胞を押しつぶさずに、水分を保たせたままに切るのには包丁の切れ味は大切です。

角がピンと立った刺身。

嗚呼。レバ刺し食べたい。

包丁の切れ味は大切です。

それは刺身で食べない焼鳥においてもです。

焼鳥の方が尚更です。

切ってすぐに焼くわけでもないですからね。

細胞を押しつぶさずに肉を切る。

細胞を押しつぶさずに串を打つ。(無理だよ）

大切です。

とりわけ、餅は餅屋と言いましょうか。

研ぎセミナーを受けた方が言うのは、包丁研ぎは包丁研ぎのプロに任せた方が良いという事です。

それは納得です。

髪型を毎日セットしていても、カットは美容師さんに任せた方が良いのと一緒です。

料理を始めた頃、本当に包丁を研ぐのが下手でした。

今でもそう上手ではありません。

しかし私は包丁を研がずにして、切れ味を増す方法を見つけたのです。

簡単です。

10倍の速度で肉を斬りつければ良いのです。

納得でしょう？

ただし、これにも短所があります。

スピードを上げれば生じる摩擦熱が高くなります。

肉を切った瞬間にジュッってなります。湯気が出ます。素早く冷たい吐息を吹き掛けて温度を下げる必要性が出てきます。

早すぎると摩擦熱によって素材が傷んでしまうのです。その辺も塩梅ですね。

ちゃんと包丁研げよって話なんですが。

なんでも速ければ良いというものでは無くて、手コキも速すぎると摩擦熱で素材を痛めてしまいますからね。