タイトルの通りSG-1000、メガドライブ、サターン、ドリームキャストといったセガのコンシューマーゲーム機の開発に携わり、ハードウェア事業撤退決定後に社長になった人物の回顧録です。

 

一言で言えば著者のキャラクターがセガという会社の気質を象徴しているような部分があり、

(セガの文化に染まった結果、イケイケドンドンな人格になった可能性も否定できませんが、入社の経緯からすると素の可能性大)

セガがゲーム業界の発展に貢献しつつも自身の立場は二番手、三番手というのも

納得せざるを得ない内容でした。

 

上記の経歴が示す通り、「元社長」と言っても著者の場合は敗戦処理の意味合いが強い事は間違いありませんが、ハード開発の最前線にいただけに著者がセガに在籍していた時期はまさにセガのコンシューマーハードメーカーであった時代であり、そこに興味がある人であれば必読の一冊と言えます。

 

ところで、本書が発売されたのは例は初のゲームハードと呼ばれたメガドライブミニの発売時期に重なります。

版元の徳間書店としても当時はセガのゲームハードを専門に扱う雑誌(メガドライブFANなど)を刊行していただけに、何か狙いがあったのかもしれません。