列島の戦国史シリーズダイ3段は、周防介を歴任した在庁官人をルーツに持つ大内氏を中心に、

16世紀前半の西国の戦国時代にスポットを当てています。

 

周知のとおり大内氏は応仁・文明の乱の際西軍の主力として政弘が活躍し、

その縁もあって政弘の子・義興は西軍の将軍に擬せられた足利義視の子・義植を再び将軍に擁立するべくことになります。奇特な人ですね。

 

義興とその子・義隆は足利将軍をもしのぐ位階に就き、貴族趣味に奔ったとするのが通説で

それに対する反発もあり陶隆房らによって義隆は滅ぼされてしまう、というのが通説です。

 

この時期は日本列島が将軍家や細川京兆家のような分裂から再び統合へ向かう分岐点であったことがわかります。

 

本書が扱う時代はまさに大内氏の全盛期。

この時期の西国は大内氏がその周辺に影響を与え、それが伝播していく(逆もあり)時代であったと言えます。

 

(逆もあり)の代表例としては、16世紀と言えばなんといっても世界史的には大航海時代。

義隆と対面したことのあるザビエルや後期倭寇についてもしっかり触れています。

海と言えば、瀬戸内海を根拠地とした海賊衆村上氏にももちろん触れていますし、

土佐一条氏や伊予西園寺氏もばっちり。