2022年大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、世間的には『真田丸』以来となる三谷幸喜脚本であることや

一週間かけて発表された出演者に注目がいきました(菅田将暉の写真の©綾野剛は例外)が、

個人的には『おんな城主』菅田将暉が井伊万千代(後の直政)を演じた時の様な鬼の形相で

義経を「平家倒すまで諦めねえ!!」と言わんばかりの勢いで怪演してくれることを期待しています。

 

しかし、中世史マニアの間では中公新書の『乱』シリーズで名をはせた呉座勇一・坂井幸一両先生に加え

東京大学史料編纂所の若手・木下竜馬先生を加えた「攻めた」考証陣であることの方に

重きが置かれています。

 

通説・俗説を叩き壊すような大河になってくれることを期待したいところですが、

キャスト同様「登場人物を初めて知った」という視聴者も多いことと思います。

阿野全成は頼朝の異母弟・義経の同母兄で幼名を今若といいますが、

恐らく頼朝や義経の伝記漫画でも成人後の全成として登場することは稀でしょう。

しかし、第一弾で発表されることが象徴する通り、義時のドラマには全成の存在は欠かせません。

 

また、義時の妹にして全成の妻である阿波局もキャスト発表されたということは、

彼女が引き起こす鎌倉幕府を揺るがす事件の関係者である結城朝光もほぼ登場確定と考えています。

現在の『麒麟がくる』のように大多数の視聴者を置き去りにしたシナリオにすると喜ぶのは一部の層だけで、

視聴率が取れない=今後鎌倉時代の大河ドラマは放送されない可能性が高まることになりかねません。

 

この時代を理解する上での基本事項として、「平家=平氏だが平氏=平家ではない」のです。

主人公の義時をはじめ、頼朝に味方した坂東武士の多くは桓武天皇の曾孫・平高望を祖とする

桓武平氏です。(もっとも、北条氏は当時の公家から時政が「北条丸」と蔑んだ呼称で呼ばれ、

後世には護良親王に「伊豆国在庁北条遠江前司時政」とディスられるほど出自が怪しかったりしますが)

要するに源平合戦における平家=清盛の一門くらいの認識で問題ないと思います。

 

参考・発表済みのキャストの氏族一覧

平氏と平家の違いは以下の記事がわかりやすかったので、リンクを貼っておきます。

 

 

結城朝光以外に登場が予想される人物など、語りたいことはいくらでもありますが、

既に結構な分量になっていますので今回はこれまでと致します。