月曜の19:30から日本テレビ系列でアニメが全国放送された『カードキャプターさくら』以前の漫画家集団CLAMPの代表作。

社会見学で東京タワーにやってきた獅堂光龍咲海鳳凰寺風の中学二年の女子生徒三人が突如異世界セフィーロに召喚され、セフィーロに伝わる伝説の魔法騎士(マジックナイト)となり魔神(マシン)を復活させ、セフィーロを救うために戦うことを導師クレフから強要される。
東京へ帰るため、光たちはクレフの言葉に従い、魔法騎士を目指す。
本作第1章のあらすじを簡単に説明するとこんなところでしょう。

「現代日本を生きる平凡な主人公が

ファンタジー要素の強い異世界に呼ばれてその世界を救う」というのは、
近年の創作物にありがちなストーリーで、本作より早くこの設定を使った作品は

アニメ『聖戦士ダンバイン』(スパロボTで本作とのクロスオーバーネタあり)があります。
また、光画部のたわば先輩のモデルとなった「とまとあき」がこれの逆パターン

(異世界の勇者が現代日本に現れる)のラノベを夫婦共作で書いていたりします。

本作の尖った点を挙げるなら、

このストーリーを『なかよし』という少女漫画誌で連載していたこと、
(言い換えるなら『美少女戦士セーラームーン』と同じ雑誌で連載されていた)
『ダンバイン』同様剣と魔法のファンタジー(ダンバインに魔法はなさそうですが)

の世界に巨大ロボット(この場合、人間より大きい人型を指します)が登場することでしょう。

 

それゆえに、以前から『スーパーロボット大戦』シリーズへの参戦が期待されており、

2019年発売の『スーパーロボット大戦T』で少女漫画原作としては初となる参戦

(そもそも他に可能性のありそうな少女漫画はあるのでしょうか?)を果たしました。
あえて原作を読んでみようと思ったのも、言うまでも無くスパロボ効果です。

本作の舞台となるセフィーロは意志の力が何よりも強い世界で、
文字通りの「柱」であるエメロード姫の強い「祈り」によって安定が保たれていました。
光たちが召喚されたのも、セフィーロのために祈ることが出来なくなった
エメロード姫の「セフィーロを救ってほしい」という強い想いによるものです。

第2章ではセフィーロに新たな危機が訪れ、再び召喚された光たちは

自らの意志でセフィーロを守るため戦う決意をします。


全6巻(全二章、第二章は『魔法騎士レイアース2』というタイトルで刊行)という

尺の短さもあり、テンポよくストーリーが進んでいきます。
第一章では魔神の出番はロボットものと認識しにくい程少なく、

ほぼ異世界召喚ファンタジーものと呼んでも差し支えありません。
その分第二章では光たちは最初から魔法騎士ですので、存分に魔神が活躍します。
シリアス一辺倒というわけでもなく、適度にギャグが入ります。

(登場人物の頭身が低くなったときはだいたいギャグシーンです)

 

『スーパーロボット大戦T』で主人公の部下となる3人娘が
本作の主人公3人組のオマージュという説をネットで見たので検証してみると、
・見た目が20歳という実年齢(ハマーン・カーンと変わらない)より若く見えるラミィ→14歳中二なのに見た目小学生の光
・見た目はクールなのに短気なメリル→見た目は落ち着いた感じなのに3人の中で最も感情豊かな海
・おしとやかそうに見えて実は腹黒?なエイミス→おしとやかそうに見えて実は策士な風(自らエース祝福メッセージで同じタイプの人間と語る)
この辺りは一致している気がします。

 

続く

 

2012年に新装版(電子書籍でも購入可)が発売されましたが、

そちらにはオマケ漫画が無い模様。

本編で明かされない設定が解説されているので、初版を中古を探すのもアリ。