メタル的要素、ことに創始者・ダミアン浜田殿下(現・地獄大魔王陛下)
からあふれ出すHR/HM愛を直球に押し出した初期の代表曲を持ちながら、
その見た目のせいで色物扱いされたバンドの中で筋肉少女帯より有名なバンドを
挙げるとすれば、聖飢魔IIしかありません。

NHK紅白歌合戦にも出場し、
テレビでもそのキャラクター活かしてバンバン露出してました。
むしろそれによって認知度が非常に高くなった面もありますが。

そんな聖飢魔Ⅱを見ていた僕も聖飢魔IIにはかなりの偏見を持っていました。
「要するにイロモノなんでしょ?」
完全にイロモノなバンドを好んでいる奴の言う事ではありませんが、
いずれにせよこの偏見はこの大教典により塵となったのでした。

演奏力もデーモン小暮閣下の歌唱力も一流、
色物なのはダミアン陛下の築き上げた狙いすぎたコンセプトに由来する部分です。
考えてみれば沢田泰司・青木秀一・宮脇"JOE"知史と共にルーク篁が
KINGSに参加していた訳だし、相応の実力があるのは明白なんです。

1999年にリレコーディングされたソニー時代の名曲の数々を含んだ
この極悪集大成盤(ベストアルバムのようなもの)は、
そんな悪魔たちの饗宴が収められているかの如き輝きを放っています。

(主に陛下作曲の)楽曲は時におどろおどろしく、時にポップであり、
メタル感の強い初期の楽曲が解散前の構成員により新緑されたことで
そのクオリティは格段に向上したと言えるでしょう。

あまりに色物的だけどやっぱりこれが代表曲でしょう。
(陛下は大真面目に作曲されたそうですが)




1999 Black list「本家極悪集大成盤」/聖飢魔II

¥3,059
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魔歴23年(西暦2021年)になってリマスター&Blue-Spec CDで本大教典と
同時期に発布された"1999 BLOOD LIST"が再発布されました。
元の教典より音の分離が良く、ゼノン和尚のベースもはっきり聞き取れるように
なっていると感じました。
改めて聴いてみると、過去曲のリレコーディング以外ではルーク参謀の楽曲が多く、
いわゆるBMG時代は参謀がメインソングライターであったことをひしひしと感じさせる
極悪集大成盤ですね。