花が枯れて 種の実った
色あせてしまった植物
ふらりと でも明確に
歩いていく ねこ
平和だ
どこまでも
こんな道が
つづいている
白い花をもたげる
ドウダンツツジ
ぷっくりとした緑の実を
たくさんつけた ブルーベリー
まだ こんなにも
目にとまる感動は たくさんあるというのに
音が 色が 匂いが 風が 世界が
遠のいていく
閉まりかけたドアが 再び開く
やわらぐ薄茶色の瞳を
ぼうっと見ていた
伸びてくる うで
頭を引き寄せられて
やさしい
二度の くちづけ
再び閉じるドアをみながら
ドラマのように くちびるをさわって
熱くなる からだに
溢れるなみだに
それでもたしかに まだ
わたしは 生きているのだと
感じたのだった