今朝  たしかに彼は





たしかに












季節の変わり目


案の定風邪気味の彼









彼はベッドにまだ 顔を埋めていて

わたしは 彼の手のひらを
マッサージしていて






心地好さそうに閉じられた
その瞳をかこむ 長いまつげを



微熱のせいか すこし赤みを帯びた 肌を



彼自身 すこし自慢のきれいな鼻を

あまりすきじゃない
大きめで ぷっくりとしたくちびるを





いつも 飽きることなく
みてしまう






たまに 思うのだ

わたしは 変態ではないのか






どうしようもなく 欲情してしまう






そんな 邪なことをかんがえながら
彼の手のひらに 触れていたら




ふと、開かれた薄茶色の瞳と
目があって



あるわけもないのに
頭の中読まれたんじゃないかって


すこしあたふたしていたら







ふっと 笑ったのだ



日が差すような やわらかい


あったかい


すべてを 赦したような


赦されたような





たしかに

そこには わたしがほしいものが



求めていたものが

あった。






それだけで 十分だった



それだけでもう 大丈夫だった






悲観して  絶望して


ぼろぼろと 崩れて



逃げてしまいそうになっていたのに







ずっと 頭に残っていたのは





今は 笑っていいのかな

と いつだか彼が言った一言で






それなら  そしたら


もう 笑っていてくれるなら

それでいいかななんて



手放す理由を 作ろうとしていたのに







そんなにも 


そこに愛がなくても





わたしをみて

ふわりと


幸せそうに笑うなら





都合が良くても


この先がなくても



手放せないじゃないか どうしたって








たしかに あったのだ




探していたものが







そんなふうに

わたしをみて

そんなふうに

笑ってくれる

彼が




どうしようもなく


すきだ