満月の次の日
彼は 再び やってきた
からだはどんどん
どんどん うごかなくなっていくのに
こころが どうしようもなく
揺れ動かされた
一音 一音 こぼれるたびに
すきだと 思った
ふわりと長いまつげに縁取られた
綺麗な薄茶色をみるたびに
愛おしくなった
わたしが 何年もの間
一番触ってきたであろう
さらりと透ける
それが 揺れるたびに
食べてしまいたいと
思った
中々 伝えることを躊躇させるけれど
すきなの ほんとうに
ただ すきなの
彼が 彼だから
この 名もなき関係だから
わたしはこんなにも
曝け出せているんだなと
ふと
薄い雲に淡く 隠された
2日分 欠けた月をみて 感じた
僕が繋ぎたいんです
なんて差し出された手は
はじめてあーんとかするんですよ
と フーフーするその口は
きっと 彼の 優しい嘘
でも
わたしのための 本当
どんどん どんどん
重なる時間に
いままで 滞留していたものたちが
流れて 流されて
淀みがなくなって
とうめいになっていける きがした
純情な恋も
一途な愛も
もう いらない
目を凝らさないと見えない
でも壊すことのできない
この 壁に
心地よく もたれて 甘えていたい
そうして 終わりがあることに
安心していたい
ほんとうに 彼もわたしも
どこまでも
おなじなのだなと
ようやく
認めることができた
