雨の匂いがした。夏の、夜の。
それは あまりにもあっけないオワリ方だった
簡単で それでいてひどく残酷な。
くるり と世界が回って
泣くことも 言うことも 聞くことも
もう 赦されなくなった
待ち続けることも 手放すことも
なにも できなくなった。
ぽっかりと 穴があくなんて
そんなのは嘘だ
かえって 持ちきれない感情たちが
あふれて こぼれて おもたくて
いっぱいいっぱいになっていった
そうしてゆっくりと沈んでいった
行き場のない それたちと一緒に
そこからいまだに 抜け出せずにいる
その居心地のいい闇から ずっと ずっと
幾度か 掬ってもらえることはあった
自ら道案内をして 薄く張った氷を割って
さあ どうぞ
と まるで勇者よろしく仕立てあげて
いざ目の前までその手が迫れば
内側からしか開けれない
攻略不能なダンジョンを差し向けて
やってられないと 去って行く人たちをみては
ほらね と嘲笑しながら
だれもここからだしてくれないという
ズルをする 言い訳にしていた
そうやって 傷つけてきた
そうやって 傷ついていた
そうして痛みを感じることが
あっけなく終わってしまったそれを
まだなんとかつづける方法だった
その哀しみを
ごく自然に
わたしは心から呪ってしまった
