軍人の話をしよう。
俺たち軍人たちと言う生き物は誰かの思想、派閥などに準じて戦う。
たいていその誰かと言うのは『国』の事だろう。
自分がどう思っているかは関係ない。自分ではなく、自分を取り囲むなにかの為に戦う。
軍人の話をしよう。
俺たちが首にぶら下げたネームプレートを『ドッグタグ』と言う。
それには姓、名前、ミドルネームの頭文字、血液型、社会保障番号、宗教などが書かれている。
しかし俺たち特殊部隊の様なものはドッグタグ、階級章を付けない事がある。
軍人の話をしよう。
俺たち軍人は自らの思想で戦うのではない。その時の国の思想の為に戦う。
いうなれば、主に忠実な犬のように。
2015/10/22 PM2:00 アパチートゥイ近郊
双眼鏡をかけずしてもアパチートゥイの街が見える。
街からは黒煙がいたるところから上がり、銃声が聴こえる。その中で時折爆音も響く。
「作戦を伝える。」
ランスロットが後ろに居るヒューズ班の班員に声をだす。
「アーロン、ダニエル、アイリーンの3人は俺について来い。その他はテッドに付いて行け。目的地は各自先ほど伝えたとおりだ。」
彼らの向かう場所とは現在彼らの隠れている位置から対面に位置する場所にあると言う山小屋である。
「山小屋にはロシアのKAMAZのトラックと協力者がいると聞いている。」
現在のアパチートゥイは現政権派と新生派による市街地戦が敷かれており、町は新生派の部隊と現政権派の部隊が新生派が優勢に立つ形で包囲していた。迂回しようにも周りは吹雪により道が分からず街を行くのと同じくらいには危険度が増して居た。二勢力の包囲網を現政権派に装い突破し対面に出ると言うのが彼らの作戦だった。
「隊長、少し良いでしょうか。」
「なんだアーロン。」
「現政権派として入るとするならば場合によっては我々も?」
「あぁ。自分たちが持っている得物をつかえ。」
「ここからは二つに分かれるとは言え各自の判断が自らの生死を左右する。山小屋で会おう。」
「行くぞ。」
忠実な犬たちがAKを手に行動を開始した。