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ヌメラーのヌメラーによるヌメラーの為のNumeri日記

おもにNumeriでお気に入りのブログ転載します。Numeri知らない人はゼヒ読んでヌメラーになりましょう。
※私が書いてるのではありませんので悪しからず(^^)/

震えるほどに飛行機が怖い。

震えるほどに初対面の人と話をするのが怖い。

この二つの事柄は、僕が日常生活を営む上で常に怖れている事柄なのであります。年に20回も飛行機に乗るような身分になった今でも飛行機は怖いし、数多くのオフ会に出るようになった今尚、初対面の人と話をするのは怖い。他にも数多くの苦手なことってあるけど、この二つだけは何度体験しても一向に良くなる気配がない。常に苦手なまま。

僕にとっての二大苦手な物である「飛行機」と「初対面の人」、実はこの二つって意外と共通点がある。きっと、この二つの事柄には似たようなマインドがあるから同じように苦手なんだと思う。

まず、未知の物への恐怖が挙げられる。初対面の人ってのはどんな人か分からないし、何考えてるか分かったもんじゃないから恐怖。それでもって、飛行機はその原理が未知だから恐怖。あんな一戸建てマイホームみたいな巨大な物が大空を飛ぶなんて、物の怪の力意外に有り得ない。未知なものを怖がるというのは人間として当然の心理。だから、飛行機と初対面の人を同様に苦手とする僕の意見には頷ける。

さらに、妙に気を使うというのが挙げられる。10年来の親友とかなら、気にせずブーとかピーとか目の前でオナラとかまでするんだけど、初対面の人とかの前ではそうはいかない。精神的に疲労するまで疲れてしまう。飛行機だって同じ事で、何だか分からないけど乗ってるだけで妙に気を使ってしまう。ものすごく精神的に消耗してしまう。

こういった風に、「飛行機」と「初対面の人」を共通のものとして考えはじめると、もっと多くの共通点が見出されてくる。自分でもビックリするぐらい共通点だらけだ。

初対面の人に話しかける瞬間は、飛行機で言うところの離陸の瞬間だろう。ドキドキワクワクしながらも、失敗したら嫌だなと思う点で全く共通。

初対面の人と会話をし、妙に会話がギクシャクし始めた時。これはもう非常に焦ってしまって、必死に自分を取り繕おうとする。そういった点ではこれは飛行中に乱気流に出くわしてガクガク飛行機が揺れてる時に相当する。やばいんじゃない?やばいんじゃない?と妙に焦って動悸が早くなる瞬間だ。

そして、会話が終了し、お別れをする瞬間。やっぱ初対面の人だから印象良く別れようと気を使う。初め良ければ全て良し、の精神で息を呑みながら別れるシーン。これは言うまでもなく着陸の場面に相当する。

そして、飛行機の場合は全ての飛行が終えて空港に到着すると妙にホッとするし、シートベルトを外した瞬間に開放された気分になる。初対面の人も同じで、会話が終了した瞬間に開放感を全身で感じる。

本当に自分でもビックリしたのだけど、「飛行機」と「初対面の人」に抱く苦手感というのは共通点だらけだった。これはちょっとした発見だな、と一人で薄っすらと笑みを浮かべて気持ち悪いほどだった。

さてさて、そんな二大苦手なものの一つである「飛行機」ですが、今週末もバッチリ体感してまいりました。そう、週末恒例の飛行機による東京ランデブーをしてまいりました。

土曜の昼に半ドンの仕事を終え、そのまま広島空港に直行。飛行機に乗って東京へ。そいでもって東京ではステディと愛の短歌を詠みあげたりして過ごした後に、月曜日の朝一の飛行機で広島に帰る、そしてそのまま出勤と。売れっ子アイドルも真っ青のハードスケジュールをこなしてまいりました。

それでまあ、今朝のことなんですけど、羽田空港の搭乗ロビーで広島行きの飛行機を待っている時のことでした。6番ゲートの目の前にある喫煙所でタバコを吸いつつ、「やっぱ飛行機乗るの怖いな」などと飛行機苦手人なりに不安な想いをしている時でした。

「広島に行くのですかな?」

向かいでタバコを吸っていた品の良さげな初老の紳士が話しかけてくるではないですか。もう最悪。

いやね、ただでさえ「飛行機」という恐怖に震えて不安な気持ちなのに、その上に「初対面の人」が話しかけてくるんですよ。もう二大苦手な物のプレッシャーに押しつぶされて死んでしまいそうです。

そこでまあ、僕も今時のバイオレンスな若者ヨロシクで、「うるせージジイ、俺に話しかけるんじゃねえ」とか叫びつつ、老人を殴る蹴るすればよかったのです。マウントポジションとって殴る蹴る。そうすれば少なくとも「初対面の人」という恐怖だけは避けられるのですから。

でもね、やっぱ僕のような好青年はそういうことしてはいけないのですよ。ケミストリーの右側みたいなのならそういうことしても理解できますが、僕のように優しそうな青年がするべきではないのですよ。やっぱね、恐怖に震えつつも老人のことを思って無下に断ることができず会話をする。そういう健気なところに皆が惚れるんじゃないですか。だからね、キッチリ受け答えしてあげた。

「ええ、広島ですよ。東京よりも寒いんでしょうね、広島は」

初対面の人との会話としては、つかみはオッケー。飛行機で言う所の離陸成功といったところではないだろうか。

「そうですなあ、私は良く広島と東京を飛行機で往来するんですが、気候の差が老体には辛くて辛くて・・・」

と老人も返答してくる。それを受けて僕も、恐怖に震えながらもなんとか会話を続ける。

「僕もよく往来するんですよ。広島と東京。面白いのは広島の方が寒い時と東京の方が寒い時とがあるんですよね。どっちかが必ず寒いってわけではないんですよね」

とまあ、順調な会話のキャッチボール。上々の滑り出し。飛行機で言うところの離陸してドンドン高度を上げているところではないだろうか。なかなか順調、危惧するほどのことではなかったと思う瞬間だ、会話でも飛行機でも。

しかし、ココで老人が急に様子がおかしくなる。急に寂しそうな遠くを見るような目をするのだ。あんたボケてるんかい?と聞きたくなるほどの急変ぶり。こりゃもうエアポケットとか乱気流に近いよな。焦る焦る。

「ど・・・どうしたんですか?」

とか僕もよせばいいのに聞いちゃうもんだから、老人が喋りだすわけよ。

「ワシは広島行きのJALが大好きなんだよ。でもな、もう三月いっぱいで広島便のJALはなくなってしまうんだよ」

と寂しそうにポツリと。

確かに老人の言うとうりに広島便のJALはなくなる。日本航空であるところのJALは日本エアシステムであるJASと経営統合だか吸収合併だかを行った。コレが去年の話だったろうか。それでもって、経営の合理化を図るのかどうか知らないけど、来る4月から各路線をJALかJASどっちかに一本化するという方針を打ち出した。簡単に言うと、今ではJALとJASがごっちゃで飛んでる路線をどっちか一本にするということ。

それでもって広島路線はJASの方に一本化されるようなのだ。つまり、4月以降は広島空港でJALの姿を,あの白い機体を見ることはできないということ。

で、JAL好きのこの老人は嘆いているわけだ。もう広島に向かうJALが見れないと嘆いているわけだ。僕としては別にJASばかりになろうが関係ないし、他にも全日空であるANAもあるしでどうってことないんだけど、老人はいたく悲しいらしい。何がそこまで彼をJAL好きにさせているのか気になるところだ。

「そうですね・・・寂しいっすね」

とか全然寂しいとか思ってないくせに、この乱気流をなんとか切り抜けようと必死で受け答えする僕。自分の事ながら痛々しい。なんで見ず知らずの初対面の人にここまで気を使わないといけないんだろう。

「だからな・・・最後まで乗れる限り広島便のJALに乗ってやろうと思うんだわ」

とか途方もないことを言い出す老人。もう喫煙所の中はお通夜気分でドンヨリ沈痛な雰囲気。

やばい・・・なんとかこの沈痛な雰囲気を抜け出なくては。なんとか明るい雰囲気にして老人を元気づけ、この乱気流を切り抜けなくては・・・。

そこで天才的ひらめきが。きっとこの会話で乱気流を切り抜けられるに違いないという小話を思いついた。もう自分のパイロッティングに惚れ惚れするような小話。

「いやー、でもJALとJASが統合しても名前はJALのままなんですよね。いっそのことJALとJASでJALSとかにすればいいのに」

まだまだ、この部分は掴みに過ぎない。大丈夫、きっと乱気流を抜けられるはず。

「全日空ANAと日本航空JALが統合とかしちゃったらどうなるんっすかね。全日空のANと日本航空のALの名前をくっつけて「ANAL(アナル)」とかになっちゃったりして」

決まった。もう最高の切り替えし。これで暗く沈んだ老人の気持ちも晴れ渡るに違いない。我ながらなんて素晴らしい脱出方法なんだろう。もう対人スキルが低いなんて言わせない。と自信満々で老人を見ましたところ

僕のアナル発言を聞いてか聞かずか、既に別のサラリーマンと同じように「JALがなくなって・・・」とか会話してました。

ええ、完全に無視されました。これでもかというほどに。僕が必死に操縦しながら乱気流を抜け出そうとしているのに、普通に見切りを付けられて無視されました。飛行機で言うところの墜落ってやつかな。山に突き刺さるぐらいの勢いで墜落だね。

うわー、あれだけ必死に気を使って受け答えさせといて、サラリと無視かよ。やるせねえ。

などと思いつつ、よりいっそう初対面の人への恐怖を募らせたのでした。

そいでもってその後は勿論広島行きのJALに乗って、恐怖に震えておりましたよ。本当に乱気流で老人との会話並みにガクガク揺れましたしね。

「飛行機の恐怖」と「初対面の恐怖」この二つの似たような恐怖を一度に味わった貴重な体験でございました。さすがに二つ一気に襲いかかれると精神がもたないので、飛行機に乗る前だけは老人に話しかけられても殴る蹴るして回避しようかと思います。