個人的な判定基準で申し訳ないですけど、映画が始まる前にポップコーンを買っているカップルで、キャラメル味をチョイスしているカップルは9割ラブホテル行きます。あと、男のほうが映画の券を二枚持ってロビーに佇んでいるカップルも行きます。終わった後に男が飲みきれなかった女の飲み物飲んでやるよって飲んでるカップルも行きます。なんでって聞かれると困るんですけど、これは結構あてはまったりするんです。まあ、調べたことないけど。
とにかく、そうやってカップルを見て、あ、ラブホテル、お、こっちもラブホテル、みんなラブホテル、と判定するという大変有意義な時間を過ごせるのですが、けっこうそれって悲しいじゃないですか。いやいや、僕は楽しいですよ。けれどもね、それを皆さんに強いるわけにはいかないし、そんな僕の行動を見て前途ある若者がそれを真似したりしたら悲しいじゃないですか。
だから僕もそろそろ36歳にもなりますし、いい加減若者の規範となるべく行動を取らなきゃならないって思い立ちましてね、若人が真似をして未来を閉じてしまわぬよう、心を鬼にしてどれか映画をチョイスして観ることにしたんです。まあ、せっかく来たんですから観ないと損ですよね。
で、目に留まったのが「貞子3D」という映画ですよ。冷静に考えるとすごいタイトルなんですけど、どうやら「リング」というホラー映画で一気に有名になった恐怖キャラ、貞子をフューチャーしたホラー映画みたいなんです。僕はどちらかというとガンガン爆発したりするアクション系や、人が爽快に死ぬパニック系の映画が好きなのですが、たまにはちょっと趣向を変えてホラー系を見てみるのもいいか、って感じでこの映画をチョイスしました。
おまけに、これ、最近流行の3D映画ですよ。僕はあまり視力が良くなく、おまけに左右の視力もだいぶ違ってて乱視という、まったく3D鑑賞に向かない選ばれし瞳を持っているわけで、3Dと2D選べる映画なら確実に2Dの方を選ぶのですが、どうやらこの映画、タイトルが「貞子3D」とあるだけあって3Dしか設定されていない様子。そりゃそうだ。仕方ないのでこれを観ることにしました。
まあ、劇場内に入ってみるとこれがまあ、客が6人しかいなくてですね、しかもその6人が全員カップル。まあ別にそれくらい予想はしてましたけど、何をトチ狂ったのか僕を含む全員が固まって座席指定してやがるんです。このクソ広い劇場内に、身を寄せ合って、疎開してきた子供たちみたいになりながら鑑賞ですよ。
いよいよ上映会ってわけで、訳の分からないメガネつけて鑑賞するわけなんですけど、ちょっと横とか後ろとか見てみたら全員がメガネつけてて、別に当たり前の光景なんだけどなんかちょっと面白かった。
で、本編が始まるんですけど、最初の方は目が慣れてなくてあまり3Dに見えなかったんですけど、慣れてくると、なるほど、なかなか3D。ただ、僕ら世代ってのは子供の頃に青と赤のセロファンのメガネつけて3D映画見た世代なんですけど、昔の方がすごい飛び出してた気がするんですよね。それこそジョーズとか目の前まで飛び出してきてんじゃねえかってレベルで。たぶん思い出補正もあるんだろうけど。
で、現代のこの色の付いてないメガネで見る3Dですよ。確かに洗練されてるし、見やすい、3Dにも見える。けれども何かが違うんですよね。強いて言うならば、飛び出してくるのではなく、奥行きがある感じ。そう、背景とかが奥にある感じですね。
で、僕は根っからの怖がりなんで劇場でホラー映画見ることってあまりないんですけど、全部が全部そうだとは思わないんですが、少なくともこの映画に限って言えば、画面の怖さとか雰囲気の怖さで怖がらせるのではなく、突然、ジャン!とかデカイ音たてて驚かせるだけなんですよね。何かが違う。もっと「怖い」ってやつを期待していたのに、単純に「ビックリする」だけですからね。
でまあ、貞子のことをご存知な方には当たり前なんでしょうけど、貞子ってテレビの画面から出てくるじゃないですか。この映画でも出てきたりするんですけど、そうなると、画面から出てくる貞子、飛び出す貞子、3Dで本当に飛び出す、恐怖倍増、くらいに短絡的に考えるでしょ。普通に考えて貞子って3D向き位に思うでしょ。ところがね、全然むいてないんですよ。
前述のとおり、突然出てきたり、大きな音を立てたりして怖がらせるのが本筋になっちゃってるわけで、確かに不意に飛び出してきたり、音が出たら驚きます。でもね、この作品、映画全編を通してずっとバリバリに3Dになってるわけじゃなくて、要所しか3Dになってないわけね。で、要所って言うとそれらの驚かせるシーン。
つまり、これrから出るぞ出るぞーってシーンになるとちょっと3Dになるの。で、それからババーンキャーってなるの。すーって壁を触ろうとした手がちょっと3Dになり始めてきたら、あ、くるな、ってわかりますからね、その場合は本当に驚きもしない。
結局、こういう3Dでホラー作っちゃうと、怖いシーンで3Dバリバリに使いたくなっちゃうのは人情なのでわかるのですが、そうなると、その前のシーンの3Dの有無である程度予想できちゃう、っていうヤマアラシのジレンマみたいな感じになっちゃうんです。そうなると、ホラー映画に3Dって向いてない、そうなるんです。
で、このような飛び出すというには程遠くて、ただ奥行がある程度のフィーリングの3Dを見ていてですね、あることに気がついたんです。これはフォント弄りに似ているぞ、と。
フォント弄りとは、文字だけで何かを伝えて楽しませようとするテキストサイトに古来から伝わる技法の一つで、強調したい場所、笑いどころ、そういった場所でどーん、とフォントのサイズを大きくしたり、色を変えたりする技法です。これがある時期一世を風靡しましてね、猫も杓子もフォント弄り、そんな時代があったんです。
で、僕も何度かこのフォント弄りに挑戦しているんですけど、これがまあ、難しい。ドーンと要所で文字大きくするだけだろ、くらいに軽く考えてたら痛い目みますよ。間違いなくフォント弄りは高等技術。
このフォント弄り、つまり大きくされたフォントを見ていると、決してドーンと貞子みたいにこの文字がディスプレイから飛び出してくるわけじゃないんですけど、他の普通サイズのフォントが奥にあるように見えませんか。見えませんよね。でも見えるって言ってもらわないと困るんで見えることにしておいてください。
とにかく、こりゃフォント弄りってやつは3D技術やで、この3D映像隆盛の現代、テキストだって3Dになるべき!フォントを弄るべきや!ということで過去に何度か失敗して封印していたフォント弄りに挑戦してみます。
「映画館のカップル」
この間、映画を観にいったんですよ。映画を。
よくわかんないんですけど、貞子3DとかいうR2D2みたいな名前の映画を観たんですけど、全然R2D2じゃなかったですね。とにかく観たんです。そしたらアンタ、劇場内がカップルだらけ!猫灰だらけ!6組だけでしたけど全てがカップルでした。couple
おまけになぜか6組のカップルと僕が身を寄せ合って観るという状態になっちゃいましてね、ペンギンは寒い吹雪に耐えるために大群で身を寄せ合って温め合うために密集するんですけど、そんな状態でした。
いよいよ上映開始。すると甘えた女の声が聞こえるんですわ。
「あーん、つけられない!」
コンドームか!と思って、おいおいこんな場所でおっぱじめるんか!と焦って振り返ると、どうやら3Dメガネが付けられないご様子。つけられないわけあるか。
で、映画も進んでいって、貞子みたいなのがドバーン、すると後ろのカップルもドパーン。
「ぎゃーーー!」
ってものすごい悲鳴ですよ。
別にそれは構わないんですけど、ドパーンっていう場面の旅に、後ろのヒップホップみたいな彼氏が、僕の座席蹴ってくるのな。すごい驚いてるらしく、ポップコーンとかとんでくるのな。
文句言おうと思ったんですけど、殴られたら顔面3Dどころの騒ぎじゃないんでやめておきました。
でもね、しらばくしたら静かになったんで、こそーっと後ろ見てみたんです。暗くて見えにくかったんですけど、よく目を凝らしてみたら、すげえキスしてるんです。KISS。
こんな感じでお互いの舌が動いてやがりましたよ。
不思議だったのはね、KISSしてんのに3Dメガネはしてましたわ。相手が飛び出して見えるんかな。
いよいよ映画はクライマックス、もう怖いシーンの連続。後ろのカップルもヒートアップ。
後ろをチラッとみたら、あの体勢は絶対に
揉んでましたわ。
とにかく、いとも簡単に
揉める特権階級がいるってことが一番ホラーでした。どうせなら
飛び出してくればよかったのに
いやーやはり難しいですね。しかもこんなこと考えてて、しかも後ろのカップルに注視していたら全然映画の内容は頭に入ってこきませんでした。それにしても、やはり僕は全くフォント弄りに向いていない。毎回思うのですが、こりゃもう絶対にやるべきではないですね。
帰り際、多くのカップルが怖かったねーとか言いながら帰路に着き、僕も帰ろうかとロビーを歩いていたら、件のカップルの男の方が、飲みきれなかった女の飲み物をかせよって感じで手にとって飲んでました。あ、やっぱラブホテルいくんだ。
とか揉むのかな。