猫も杓子もバレンタイン、バレンタイン言いやがって、脳みそがとろけてるんじゃないか!ゴディバだかゴルバチョフだかしらねーけどな!と、朝っぱらからバレンタインに対する怒りを怒りを顕にしておりました。
幼少時代より、バレンタインは暗黒の思い出が多い悪しき行事で、何で2月の寒い時期に寂しい思いをしなければならないのか、と一人で憤慨したものです。
弟が山のように貰ってる横で収穫なしだったり、何かを期待して放課後遅くまで教室に残ったのに収穫なしだったり、今年はいけるんじゃないか?といった機運が自分の中で高まってきたのに収穫なしだったり、同僚全員がバリバリ義理チョコとはいえ貰ってるのに僕だけなかったり、バレンタインおにぎり事件とよばれる切ない事件が起こったりと、決して笑顔で「バレンタイン」と言えるような思い出がかなり少ないのです。
そういった事情を鑑みてか、僕も今朝からパソコンに向かって「バレンタイン死ね」的な徹底的にバレンタインを貶める日記を書き、最終的には「なまこバレンタイン」という訳の分からない日記が書きあがったわけなのですが、その刹那、事件は起こったのです。
なんと、詳細は伏せますが女子高生にチョコレートを貰ってしまうという一大珍事が。もうこれは予想だにしてなかった大事件です。だってアンタ、女子高生ですよ、女子高生。女子高生って言ったらちょっと性に興味とかあって、好奇心で自分で弄ってみてあまりの気持ちよさに畳んであるバスタオルに顔をうずめてモジモジするような、そんな高貴で儚い生き物なんですよ。絶対乳首ピンクだわ。
そんな女子高生からチョコをもらうというハプニング、これはもう肉体を頂いたようなもんですからね。オッパイを揉んだようなもんですからね。乳首を弄ったようなもんですよ。
いやー、やっぱバレンタインっていいもんだわ。ホント、なまこバレンタインとか言ってる場合じゃない。こんなバレンタインを貶めた日記なんて消去してやる!だれだ、こんなクソ日記書いたのは!ってなもんですよ。
大体ね、バレンタインという国民的行事を貶めるなんて大幅に間違ってる。国・民・的・行・事!イェアー!とか言って全員でバレンタインを楽しむべき。そうあるべきに違いないんですよ。なんというか、愛とか他者を思いやる気持ちとか、そういったのものがマネーゲームの中に埋もれていく中、こういう時代だからこそバレンタインは貴重、そう思うんです。
そりゃね、世の中には信じられないことにチョコを一個も貰えない、あるいはお母さん以外から貰えないなんていう負け組な人もいるかもしれないですけど、そういう人も今一度立ち止まって考えてみて欲しい。
恨みは恨みしか生み出さない。
バレンタインを忌み嫌っても、恨んでみても、バレンタイン死ねと言ってみも、そこから何も生まれない。そういった負の感情がさらなる負を呼び込む悪循環スパイラル。もっとこうポジティブに受け取って歩き出さないといけない。バレンタインを恨むんじゃない、自分の不甲斐なさを恨むんだ。
まあ、女子高生から乳首ともとれるチョコを頂いた勝ち組の僕から言わせてもらうと、「バレンタイン死ね」「バレンタイン中止」「なまこバレンタイン」とか言ってるやつらはバカだ。そんな醜態を晒してるからお母さんからしかチョコを貰えないんですよ。もっとこう、バレンタインを楽しむ姿勢があれば大丈夫。その雄姿はきっと誰かの心に響いてチョコもらえるはずです。僕のように。
そんなこんなで、一気にバレンタイン賛成派になった僕ですが、ネットを徘徊してみると、まだまだ「バレンタイン死ね」などと宣言している人々が多い多い。本当に嘆かわしいことですが、そんな中にも一筋の光明がありました。
一語100%
こちらのサイトで、様々な方が渾身のラブコメストリーを持ち寄ってバレンタインを楽しんでおられるのです。
いくつか読んでみると分かりますが、みなさん読んでる方が恥ずかしくなるような、痒くなってくるような王道的なラブストーリーの数々。本屋で本を取ろうとしたら同時に手を出してしまって「あっ・・」「え・・・っ」トクン。みたいな完全無欠のラブコメですよ。
バレンタインの時期にこういったラブコメを書いて楽しむ。これはもうバレンタインを忌み嫌うより随分と建設的です。ということで、僕も諸手を挙げてこの企画に賛成し、自分でも王道的なラブコメを書いてみました。
ちょっとありきたりすぎてアレかな?と思ったのですが、なんとか胸キュンする出来にはなってると思います。みなさんも是非ホロ苦い自分の恋愛ストーリーなど思い出し、バレンタインを楽しんでみてください。それではどうぞ。
ラブコメ
「いじわるしないでよう、高志ぃ」
僕の趣味は芳江をイジメることだ。同い年の幼馴染で、隣の家に住む芳江。お互いに高校生になって最近胸が膨らんできてドキッとすることもあるけど、僕の中ではまだまだ子供の頃の姿のまま、いつもイジメて遊ぶ相手でしかないんだ。
「もうダメ、許して・・・お願い!」
この日も、いつものように芳江は何の用事もないのに家にやってきて、一緒にテレビを見たりジュースを飲んだり他愛のない学校の話などをして過ごしていた。すると、突然芳江がモジモジし始めたのだ。
ははーん、さては芳江のヤツ、トイレに行きたいんだな。付き合いの長い僕にはすぐ分かった。芳江はトイレに行きたくなると目が泳ぎだすんだ。
落ち着きのない芳江を尻目に、僕はそっと芳江のキーホルダーを手に取り、トイレにこもった。これで芳江はトイレに行けないし、鍵がないから自分の家に帰ることもできない。これは困るぞ、とほくそ笑んだ。
しばらくして、ドタドタと廊下を走る音がし、ドンドンとドアを叩く音が。もちろん芳江だ。
「高志?高志が入ってるの?おねがい、早く出てきて」
声が切羽詰ってる。今にも泣きそうだ。ドア越しに芳江の困った表情を想像しゾクゾクと震えが走ったのを感じた。
「もういい!家に帰るから!あー!鍵がない!」
もちろんだ、家の鍵はここにある。こんなことがないようにあらかじめ盗っておいたのだから。
「もうダメ、許して・・・お願い!」
芳江の声がか弱くなっていく。そろそろ限界だろうか。あの日、まだ日が暮れるまで遊んでいたあの頃、いつも芳江は泣いていた。かくれんぼで僕が見つからず、夜中まで探していた時も大泣きしたっけ。
「もうダメって、なにがダメなの?」
意地悪に聞いてみる。きっとオシッコが漏れそうだなんて口が裂けてもいえないだろう。言えずに困ってる芳江を見るのが最高に楽しいんだ。
「なにって・・・その・・・ああああああ!もうダメ!ダメ!」
ブリブリブリブリブリブリブリブリ!
驚いた。てっきり小だ小だと思っていたっら、大のほうだったなんて。この音は間違いなく大だろう。ドア越しにムアッと不快な匂いが伝ってくる。
「ひっくひっく・・・高志のバカぁ」
コイツ、人の家でウンコを漏らしやがった。なんてヤツだ。
驚いてドアを開けると、そこには一面のクソ中でしゃがみ、泣いている芳江の姿があった。
「おまえ、ウンコならウンコって言えよ・・・てっきりオシッコだとおもったからさ」
「だって・・・だって・・・」
漏らすくらいなら言ってしまえばいい。こんな惨劇が起こるくらいなら、僕だって意地悪しなかったはずだ。
「高志、今日は何の日だかわかってるの・・・?」
「今日?ああ、今日は2月14日!バレンタインデーか」
「そうだよう、高志のためにチョコ作ってきたんだよ。チョコ食べる前にウンコの話とかしたくないじゃん、だから・・・ひっく」
芳江の傍らにはウンコまみれの大きなハート型のチョコレートが。
「芳江・・・」
その瞬間、僕は気付いてしまった。子供の頃からずっと、僕は芳江のことが好きだった。好きで好きでどうしようもなくて、その気持ちを隠すために、自分の中で否定するために意地悪をしていた。そんな僕でも芳江はずっと思っていてくれたのだ。
「なあ芳江、俺、お前のこと好きみたいだわ。今気付いたんだけど、ずっとずっと前から好きみたいだわ。ごめんな、意地悪ばかりして」
告白を受けてか、脱糞した恥ずかしさか分からないけれど、芳江は顔を真っ赤にし静かに喋り始めた。
「私も高志のことが好き。ずっと好きだったんだからっ」
手渡されたウンコまみれのチョコレート。僕らは二人でウンコまみれの廊下を掃除しながらそっとキスをした。
さて、ラブコメも書きましたし完全にバレンタインを満喫することができました。あまりに王道すぎて書いててちょっとむず痒い気分でした。一瞬、BOYS BEかと思った。
そんなこんなで、晴れやかな気持ちで家に帰宅し、女子高生から頂いたチョコを開封して食ってみることにしました。
なんと、頂いたチョコはパッケージこそしっかりしてるのですが内容はパチンコ屋のあまり玉で貰うようなチープなチョコ。どう好意的に解釈しても何かが余った際に生じたチョコにしか見えません。
どう見ても義理チョコです。義理チョコ以下です。すごいおざなりなチョコです。これなら貰わない方がいいんじゃなかろうか、といったレベルのチョコです。きっとくれた女子高生は罰ゲームとかチキンレースの類でくれたに違いない。
バレンタイン死ね。ホワイトデーになまこ投げつけてやる。