「マイクチェック。1..2。1.2。1.2。チェック。テス。1.2」
リハーサル会場。チャリティーコンサートゲネプロ。
チャリティーと廃液を抜かない。銀河の歌姫が歌で手をぬこくことなんてない。私シェリル・ノームが許さない
「OK.こんなところかしら? 次はランカちゃんの番ね」
マイクチェックを済ませ、舞台をランカちゃんに譲る。
固い顔で舞台に上るランカちゃん。大舞台を何度も経験しているとはいえ、経験不足は明らかで、だからこそ彼女のマイクチェックも気が抜けない。
「えーっと、ランカ・リーマイクチェックはいります」
端から見る分にもマイクを握る手に力が入りすぎている。
そういう一生懸命なところをいいなーと、くすりと笑いつつも見つめる。
彼女の初のチャリティー参加ならなおさら失敗は許されない。ちゃんと手伝ってあげなきゃ。
「マイクチェック。アー、アー。お兄ちゃ~ん。お兄ちゃ~ん。お兄ちゃ~ん」
いきなりびっくりさせられた。お兄ちゃん? え、何。何故お兄ちゃん? 色々なお兄ちゃんがよぎっては高速で過ぎていく。
そうこうしているうちに、マイクチェックが終わり舞台から降りてくる。
「ランカちゃん……あのー」
「えっ、私、何か失敗しました? えっと、大丈夫だったと思うんだけどなぁ……シェリルさんの目から見て、どこが悪かったですか。教えてください」
潤んだ目で必死にこっちを見上げてくるランカちゃん。ぎゅっっと抱きしめてあげたくなるのをこらえつつも、疑問をぶつけてみる。
「あのね。大したことじゃないんだけど、マイクチェックのとき何故お兄ちゃんなの? 凄く気になっちゃって」
「あ、あれですか? 特に意味は無いんですけど、エルモさんが自分が良い安い言葉でやりなさいって言ってたから……」
みんな最初はびっくりするんですよね、と言葉を続ける。確かに私もびっくりした。
「そうなの……確かにびっくりしたわ。でも、悪いってわけじゃないから、ありかしら。うん、わかったありがとう」
「いえいえ、こちらこそ。シェリルさんにはいつもお世話になりっぱなしだし、はやく自分の手で大舞台を作れるようにならないと」
と意気込む彼女。わかってるのかしら。その大舞台に立てる人間なんて一握りで。それを作りたいなんていうのはさらに一握りの人間だということに。
でも、彼女はその権利を持っている。その超一流と呼ばれるアーティストになれるだけの素質と運をもっている。それは私が悔しいほど認めてあげる。
そうやて、他のスタッフに呼ばれるまでたわいもない雑談をして、私たちは分かれた。
そのチャリティーコンサートが成功だったのは言うまでもないこと。
あいつは戸惑ったような嬉顔だったのが中途半端で気に入らなかったけど!
fin
あとがきというなのだべり
突発的に書きたくなって書いてみました。歌編です。
ランカはおにいちゃんといってますが、元ねたがあってマイクチェックでお母さんとやる人が居るそうです(5年以上前の記憶なので誰かは忘れました)
歌ネタはもう一個あって、そっちはもうっちょっとしたら書きます。すとんと落としたこの短さではなくて、もうちょっとプロットを寝る内容になります(今頭の中でいじってます)
さてねます。良い夢をー。