熊野社上城跡 | 源行近のブログ

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山陰の戦国時代を郷土史レベルで研究しています。主に人物や城跡が中心です。

熊野社上城は雲南市大東町田中に所在します。標高は120mで頂部に大日如来堂が建っています。如来堂の中に島根県指定で有形文化財となっている、金剛界、胎蔵界の二体の像が安置されており、平安時代後期のものと伝えられています。


熊野社の名称はここの山に熊野神社があることからつけられたのでしょう。



当地はその昔土屋氏が大東庄南北の地頭となっていました。その一族から田中を号した者がいますので、この城は関連があるものと考えます。

頂部からは馬田氏の砦である丸子山城を眼下に望みます。※現在は公園
写真の中央の奥に台形の小さな山がみえていますが、この手前あたりのグラウンド脇に安徳太神宮が鎮座しています。土屋氏は桓武平氏の出であるので安徳天皇を祀ったものと考えられます。

台形の山には何があるのか行って見たところ、三津山神社が鎮座しており背後頂部に三段の郭とみられるものが確認できます。規模からすると狼煙をあげる伝えの砦であったのでしょう。

さて熊野社上城は大日如来堂が建っている場所が完全に崩壊していますが、西方に下ると堀切が確認できます。先には郭とみられるものも…






小規模な城ですが展望台や下のお寺に向かう遊歩道がありプチ散策コースとなっています。