『グーニーズ』(The Goonies)は、1985年に公開されたアメリカの冒険映画です。


監督はリチャード・ドナー、原案と製作総指揮を務めたのはスティーヴン・スピルバーグ。


キャストにはショーン・アスティン(マイキー役)、ジョシュ・ブローリン(ブランド役)、ジェフ・コーエン(チャンク役)、コリー・フェルドマン(マウス役)、キー・ホイ・クァン(データ役)など、いまや名優となった子役たちが出演し、当時も今も多くのファンに愛され続けています。


物語の舞台はアメリカ・オレゴン州の小さな港町グーンドックス。


町の開発により家を追い出されそうな少年マイキーと、彼の仲間たち「グーニーズ」は、ある日屋根裏部屋で伝説の大海賊“片目のウィリー”が残した宝の地図を発見します。


愛する家を守るため、彼らは“おっちょこちょい”で“やんちゃ”な仲間たちとともに、本物の冒険に繰り出すことに。宝へと続くトンネルや罠だらけの洞窟、さらには逃亡犯ギャング一家“フラッテリー一家”(フラテリ一家)にも追い回され…。


一行は知恵と勇気、友情の力で危機を乗り越えながら、財宝に挑みます。


グーニーズのメンバーは、喘息持ちで冒険心にあふれる主人公マイキー、筋トレ好きで弟思いの兄ブランド、食いしん坊でホラ吹きのチャンク、スペイン語堪能でおしゃべりなマウス、発明好きの中国系少年データ。


途中から加わるブランドの恋人アンディや友人ステフも加わり、バラエティ溢れるパーティになります。


本作は、子供たちならではの無鉄砲さと機転、独特のたくましさを描いた“元祖キッズアドベンチャー映画”の金字塔的存在です。


秘密の宝探し、ギャングとの追いかけっこ、仕掛けだらけの洞窟、金銀財宝にイノセントなロマンスまで、子供が思い描く「最高」がぎゅっと詰まった作品となっています。


また、『グーニーズ』は80年代アメリカ映画カルチャーの象徴として、現在に至るまで多くのクリエイターや作品に多大な影響を与えました。


Netflixでヒットしたドラマ『ストレンジャー・シングス』など、少年少女の冒険劇にはそのDNAが色濃く受け継がれています。



感想

『グーニーズ』はまさに「冒険の原点」とも言いたくなる、子供のワクワクと夢をそのまま詰め込んだ映画です。いま観ても、この作品の勢いとエネルギーは衰えを知りません。


まず、仲間それぞれの個性が実に際立っています。マイキーの純粋さ、ブランドの兄貴感、チャンクのドジでお調子者だけど本当は仲間思いなところ、マウスの小生意気なリアクション、そしてデータの発明好きで好奇心旺盛な姿。


そのどれもが憎めなくて、見ていると自然と彼らの冒険を応援したくなります。


物語のテンポも良く、次々に現れる仕掛けや罠にハラハラさせられながらも、コミカルなやりとりに思わず笑ってしまう場面も多いです。


ギャング一家とのドタバタも、小さな子供が見ても怖すぎず、でもほどよいスリルがある。


こういったバランスは今のハリウッド映画にはなかなか見当たらなくなってきた気がします。


何よりも強いのは「友情」と「家族愛」です。


家を救うために始めた宝探しですが、途中で本当に大切なのはお金じゃない、「仲間がいること自体が宝物なんじゃないか」と思わせてくれる瞬間があります。


特に終盤、宝の山を前にして“片目のウィリー”へ送るあのセリフや、チャンクの勇気と優しさには、大人になってからこそグッとくるものがあります。


また、細部にちりばめられたギャグや英語・スペイン語混じりのやりとり、子供だからこそできる大胆な行動…等々、とにかく一度観れば、細かいシーンまで思い出せてしまうほど印象的です。


80年代特有のBGM、風景、衣装、ガジェットなどからも強烈なノスタルジーを感じますし、もちろん大人になった今見ても、「自分もあの頃こんな冒険を夢見ていた」と思い出さずにはいられません。


そして、現在も多くの後続作品に影響を与えているということも納得できます。


一見ドタバタな子供たちの騒動劇に見えて、実は「本当に大事なものは何か?」という普遍的なテーマが根底に流れているからこそ、世代を超えて愛され続けているのでしょう。


映画を観ながらちょっと笑って、ちょっとドキドキして、最後には温かい気持ちになれる。


そんな奇跡のような“宝物”映画です。


「グーニーズは永遠に!」という名ゼリフの通り、これからも色褪せず語り継がれていく作品だと思います。


2025年8月現在

U-NEXT、Hulu、Lemino、TELASA、 J:COM stream、TSUTAYAディスカスにて配信中


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