『時計じかけのオレンジ』(原題:A Clockwork Orange)は、1971年に公開されたスタンリー・キューブリック監督によるアメリカ映画です。


原作はアンソニー・バージェスの同名小説で、近未来のロンドンを舞台に、非行少年アレックスとその仲間たちが繰り広げる暴力と退廃、そして国家による人格矯正を描いたSF作品です。


物語の主人公は15歳のアレックス。彼は仲間たちとともに、暴力やレイプ、窃盗といった犯罪行為に明け暮れる日々を送っています。


アレックスはベートーベンの第九交響曲を愛し、音楽と暴力に耽溺する毎日。


しかし、仲間の裏切りによって警察に逮捕され、懲役14年の刑を言い渡されます。


刑務所で模範囚となったアレックスは、政府が実験的に導入した「ルドヴィコ療法」の被験者に選ばれます。


この治療は、薬物投与と暴力的な映像の強制視聴によって、暴力や性行為に対して生理的な拒絶反応を起こすように人間を改造するというもの。 

治療の結果、アレックスは暴力を振るうことも、性的な衝動を持つこともできない「無害な人間」として社会に戻されます。


しかし、社会復帰したアレックスを待っていたのは、かつて自分が傷つけた人々や裏切った仲間たちからの報復でした。


居場所を失い、絶望の中で再び暴力の被害者となるアレックス。最終的には、政府の都合によって元の自分に戻され、物語は幕を閉じます。


映画は、ベートーベンの第九交響曲や「雨に唄えば」など、印象的な音楽とともに、独特の映像美とシニカルなユーモアで暴力と人間性、自由意志の問題を描き出しています。



感想

この映画、最初から最後までとにかく衝撃的でした。

なんていうか、普通の犯罪映画とか青春映画とか、そういう枠に全然収まらない。

まず冒頭から、アレックスたちがミルクバーでダラダラしてるシーン。あの白いスーツにボウラーハット、片目だけつけまつげっていう奇抜なファッションで、もう「なんだこの世界観?」って圧倒されます。

そして、いきなり老人を袋叩きにしたり、ライバルグループと乱闘したり、やってることがエグすぎガーン


キューブリック監督の手腕なのか、マルコム・マクダウェルの演技のおかげなのか、悪党なのに妙に魅力的。


物語が進むと、アレックスが仲間に裏切られて刑務所に入れられる。そこからは一転して、「ルドヴィコ療法」という、目をこじ開けられて暴力映像を延々と見せられる拷問みたいな治療が始まる。

あれ、見てるこっちも気分が悪くなるくらいキツい。 

しかも、その治療のせいで、アレックスは暴力もセックスもできなくなってしまう。

つまり、彼の「自由意志」そのものが奪われます。


ここで思うのが、「人間の善悪って、強制的に矯正できるものなの?」ってこと。


アレックスは確かに極悪非道だけど、国家が機械的に人間を「良い子」に作り変えるのって、逆に恐ろしい。


だって、それってもう人間じゃなくて、タイトル通り「時計じかけのオレンジ」=中身が機械のような人形になってしまうってことだから。


出所したアレックスが、今度は社会の側から徹底的に痛めつけられる展開も、なんとも皮肉が効いています。


昔の仲間だった警官にボコボコにされたり、かつて自分が襲った作家の家に迷い込んで復讐されたり。


しかも、自分が大好きだったベートーベンの第九交響曲すら、治療の副作用で聴くだけで吐き気がするっていう、救いのなさ。

音楽すら奪われるって、どんだけ残酷ガーン

しかし、ここがこの映画のすごいところなんだけど、アレックスが完全に「善人」になったわけじゃない。


むしろ、自由意志を奪われたことで、彼は「善悪を選ぶことすらできない存在」になってしまう。


だから、社会の側も、国家の側も、誰も「正義」じゃない。みんな自分の都合でアレックスを利用したり、切り捨てたりしてるだけ。


映像や音楽の使い方も、めちゃくちゃ印象的。


暴力シーンに「雨に唄えば」が流れたり、ベートーベンの第九が流れる中で残酷な場面が映し出されたり、普通だったら絶対合わないはずの組み合わせが、逆に不気味な美しさを生み出してる。 


これがキューブリックのセンスなんだろうなぁ。


あと、個人的にすごく考えさせられたのは、「人間の本質って何だろう?」ってこと。


アレックスは、最初は悪の権化みたいな存在だけど、強制的に「善人」にされることで、逆に「人間らしさ」を失ってしまう。善悪を自分で選ぶ自由がなければ、それはもう「人間」じゃないんだって、すごく皮肉に描かれてる気がした。 


結局、映画のラストでアレックスは再び元の自分に戻るわけだけど、そのとき彼が心の中で「やっぱり俺は俺だ」って感じでニヤリとするのが、なんとも言えず不気味で、複雑な気持ちになる。


善悪の問題、国家や社会の暴力、自由意志と人間性――いろんなテーマが詰め込まれてて、観終わったあともしばらく頭から離れない映画だった。 


正直、万人におすすめできる映画じゃないし、暴力描写もかなりきつい。


でも、「人間ってなんだろう?」とか「本当の善悪って?」ってことを考えたい人には、ぜひ一度観てほしい。


観るたびに新しい発見があるし、時代を超えて語り継がれる理由がよくわかる、そんな一作でした。


2025年7月現在

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このポスター、学生の頃部屋に貼ってました爆笑

全体的にオシャレな感じで好きなデザインウインク

買ってよかったポスター。