『ヴィーガンズ・ハム』(原題:Barbaque、英題:Some Like It Rare)は、2021年公開のフランス発ブラックコメディ・ホラー映画です。
監督・脚本はファブリス・エブエ。
物語の舞台はフランスの田舎町。主人公は、30年連れ添った中年夫婦ヴィンセントとソフィー。彼らは伝統的な肉屋を営んでいますが、経営は厳しく、夫婦仲も冷えきっています。
ある日、彼らの店が動物愛護を掲げる過激なヴィーガン活動家グループに襲撃されます。事件の後、偶然にもヴィンセントはその活動家の一人を車でひき殺してしまい、証拠隠滅のために死体を解体し、ハムに加工して店で売ることに。
この“新商品”は思いがけず大ヒットし、店は繁盛。味をしめた夫婦は、さらなるヴィーガン活動家を“原材料”にすべく狩りを始めるのです。
物語は、倫理や正義といったシリアスなテーマにはあまり踏み込まず、ブラックユーモアたっぷりに“人肉ハム”で大繁盛する肉屋夫婦の暴走と、そこから生まれる夫婦の奇妙な絆の再生を描きます。やがて、彼らの行為が周囲にバレそうになり、物語はクライマックスへと突き進みます。
感想
この映画、とにかくぶっ飛んでます。
最初から最後までブラックなギャグとシニカルな展開が止まらない。
肉屋夫婦がヴィーガン活動家をハムにして売るって、もう発想がヤバいです😅
まず、夫婦の関係が冷えきってるとこから始まるんだけど、これが人肉ハムで店が繁盛し始めると、なんか夫婦仲も回復していくっていう…いや、普通逆だろ!ってツッコミたくなる展開。
でも、その流れが妙に納得できちゃうのがこの映画の面白いところ。
ヴィーガン活動家たちも、最初は正義感で行動してるんだけど、だんだんと“狩られる側”になっていくのがブラックジョークとして効いてる。
しかも夫婦がどんどんエスカレートしていって、最初は罪悪感あったのに途中から完全にハンター気分。人間って怖いな~って思いながらも、どこかコミカルで笑ってしまいました😂
フランス映画らしい皮肉とか、ブラックユーモアがめちゃくちゃ効いてる。
倫理観とか正しさを真正面から問うんじゃなくて、「こんなこと現実にやったら大問題だけど、映画だからこそ笑い飛ばせる」っていうギリギリのラインを攻めてくる。観てる方も、テンポ良く進むからつい引き込まれちゃう。
それと、夫婦の関係性の描き方が意外と丁寧で、殺人を重ねるごとに心の距離が縮まっていくのがなんとも言えない味わい。
普通なら絶対にあり得ない“愛の再生”だけど、ブラックコメディだから許されるというか、むしろその異常さが面白い。
終盤、夫のヴィンセントが「もうやめよう」って言い出すのに対して、妻のソフィーが「私は殺してない」って言い放つシーンはゾッとしました😱こっちが一番怖かったかも。
グロ描写や不謹慎なネタも多いから、苦手な人にはおすすめしにくいけど、ブラックコメディ好きにはたまらない一本。
倫理や正義を真面目に考える映画じゃなくて、あくまでギャグとして楽しむのが正解。
ヴィーガンVS肉屋っていう今どきのテーマを、ここまでぶっ飛んだ形で料理できるのは、やっぱりフランス映画ならではだな~って感心してしまった。
あと、細かい小ネタもいっぱい仕込まれてて、ペースメーカーが肉の中から出てきたり、夫婦の友人とのやり取りが妙にリアルだったり、ブラックな笑いの中にも人間ドラマがちゃんとあるのが良かった。テンポも良くて、ダレずに最後まで突っ走るから、観終わった後の満足感も高い。
まとめると、「ヴィーガンズ・ハム」は、ブラックジョークとグロテスクなネタが好きな人には超おすすめ。倫理観とか気にせず、ぶっ飛んだストーリーと夫婦の奇妙な愛の物語を楽しんでほしいです😆
2025年6月現在
プライムビデオ、U-NEXT、DMM TV、Hulu、Rakuten TV、Leminoにて配信中

