『シャイニング』(The Shining)は、1980年に公開されたアメリカのサイコロジカルホラー映画です。監督はスタンリー・キューブリック、脚本はキューブリックとダイアン・ジョンソンが共同で執筆しました。

原作はスティーヴン・キングの1977年の同名小説です。

主演はジャック・ニコルソン(ジャック・トランス役)、シェリー・デュヴァル(ウェンディ役)、ダニー・ロイド(ダニー役)、スキャットマン・クローザース(ハロラン役)など。


物語は、冬の間だけ閉鎖される山奥のホテル「オーバールック・ホテル」に管理人としてやってきた作家志望の父ジャック、その妻ウェンディ、息子ダニーの三人家族が、雪に閉ざされたホテルで孤立し、次第に不可解な現象に巻き込まれていくというものです。ダニーは「シャイニング」と呼ばれる超能力を持ち、ホテルに潜む邪悪な存在や過去の惨劇を感じ取ります。やがて父ジャックはホテルの邪悪な力に取り込まれて狂気に陥り、家族を襲うようになります。

映画は公開当時、原作との違いから賛否両論を巻き起こしました。特に原作者のキングは、映画版が父親ジャックの人間性や家族愛を描かず、単なる暴力的な父親像にしたことを強く批判しています。

しかし、現在ではホラー映画の金字塔、ポップカルチャーの象徴的作品とされ、アメリカ国立フィルム登録簿にも保存されています。




感想

『シャイニング』ってやっぱり何度見てもゾクゾクしますね。

まず、あの雪山のホテルの雰囲気、もう最初から何か起きるって空気がビンビン伝わってくる。

キューブリック監督の映像美、カメラワーク、音楽、全部が「怖い」って感情をじわじわ煽ってきますね。


特に有名なのは、あの長い廊下を三輪車で走るダニーのシーン。

静かで単調なはずなのに、壁の模様や音が不穏で、いつ何が出てくるのか分からない緊張感が半端ない。

しかも、あの双子の幽霊!「一緒に遊ぼうよ」って、あれはトラウマ級。


あと、ジャック・ニコルソンの演技がもう圧巻。

最初は普通っぽいお父さんなのに、どんどん目つきがヤバくなっていって、最後は完全にイッちゃってる。

斧を持ってドアを壊して叫ぶシーン、あれは映画史に残る名場面ですね。

あの表情、夢に出てきそうなくらい怖い。

しかも、怖いだけじゃなくて、家族の崩壊とか、父親のプレッシャー、孤独、アルコール依存とか、色んなテーマが詰まってるのも面白い。

原作のキングが「書けなくなった作家の物語」って言ってるけど、映画はもっと「人間の狂気」とか「環境が人を壊す」って部分にフォーカスしてる気がする。

ちなみに、原作と映画って結構違うんですよね。

原作だとジャックは最後の最後でちょっとだけ正気に戻って、息子を逃がそうとするんだけど、映画だともう完全に悪に飲み込まれちゃう。

キングがそこをすごく嫌がったってのも納得。

映画は「救いがない」感じが強いから、観終わったあともずっと心に残る。


あと、映像や演出の話をすると、ホテルのデザインがすごく印象的。カーペットの柄とか、赤いトイレとか、どこを切り取っても「シャイニング」って分かるくらい独特。これがまた不安を煽る要素になってる。音楽も、ちょっとした効果音とか、静寂の使い方が上手くて、普通のシーンでも「何か来るかも…」って思わせる。


そして、ダニーの「シャイニング」って能力も面白い。超能力があるからこそ、普通のホラーとは違う展開になるし、続編の『ドクター・スリープ』にも繋がっていく。あの能力がなかったら、ただの家族の崩壊ドラマで終わってたかもしれないけど、超自然的な要素が混ざることで、一気にスケールが広がる感じ。


そういえば、続編の『ドクター・スリープ』も観たけど、あれはまた全然違うテイストで、個人的にはやっぱり「シャイニング」の不気味さが好きかな。派手なアクションやバトルより、「何が起きてるのか分からない」「自分の身に起きたらどうしよう」っていう、じわじわした恐怖がクセになります。


最後に、『シャイニング』ってホラー映画の枠を超えて、映像作品としてもめちゃくちゃ完成度が高いと思う。

怖いのが苦手な人でも、一度は観てみてほしい。怖さだけじゃなくて、映画としての美しさとか、演技の凄さとか、いろんな楽しみ方ができるから。

観終わったあと、しばらくホテルとか廊下とか、ちょっと怖くなるかもしれないけど、それもまた「シャイニング」の魅力だと思います。


とにかく、ホラー映画好きも、そうじゃない人も、一度は観ておくべき名作!ジャック・ニコルソンの狂気の演技、キューブリックの完璧主義的な映像、そして「見えない恐怖」の演出。全部が最高に噛み合ってるから、ぜひ体験してみてください!


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