シュトヘル
主人公はチンギス・ハーンに国を焼かれた女戦士シュトヘルと、同じくチンギス・ハーンに利用され、結局国を滅ぼされた王子(チンギス・ハーンの落とし子?)ユルール。
チンギス・ハーンは自らの背中に刻まれた屈辱の西夏文字を「消す」ため、西夏そのものを滅ぼし、西夏文字全てを葬ろうとしていた。
ユルールは西夏文字の辞典?「玉音同」を持って自国から脱出し、そこにモンゴルに対する復讐心の塊と化した西夏人女戦士、シュトヘルが合流する。
タイムスリップしてシュトヘルと一時入れ替わった「須藤」、弟であるユルールの追討を命じられた弓の名手ハラバル、ヨーロッパ人と思われるチンギス・ハーンの愛人、王子たちが絡まって手に汗握る逃走劇が繰り広げられる。
歴史ファンを引き付けるのは、チンギス・ハーンの行動原理だろう。彼は文字を消すために国を滅ぼして回っているのだ。背中に刻印された文字を解読する手がかりとなり得るもの全てを、灰にするつもりなのだ。
そういえば歴史上、チンギス・ハーンはバグダードの大図書館に収蔵された蔵書を全てティグリス川に流している。川がインクで青くなったという逸話は有名だ。
ひょっとしたらユルールとシュトヘルは、チンギス・ハーンの手を逃れて日本に来ることになるのかもしれない。そのことが後に元寇の原因になったりするかも。
なかなか先行き楽しみな歴史ものである。
以上